走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

組織と四角い箱

2020年05月29日 | 仕事
世の中に完璧な政策とかヘルスケアシステムは存在しなくて、必ず長所と短所がある。それが常であっても「より良い」ものを作っていくために不断の努力をしていくのが現代社会。だから組織とはこう言うものです、と線引きをされると立腹する私です。

で、昨日ケアマネから電話をもらう。Aさんをプログラムから切り離すから、と。なんでもケアマネとも話そうとしないし、精神科医も拒否する。使っているのはサポートワーカーが受診に付き添ってくれるだけだからと。しかしAさんにとってこのサービスはとても重要。何せ第三者がいないと診察ができないくらい感情的になるAさんだから。つまり私でさえも診察できない、つまり処方者がいなくなるという事(診察なしで薬を処方し続けないから。因みにAさんのカルテには第三者が診察に同席することが条件で、もちろん本人も知っている)。

他のサービスを受ければ良い、と言います。しかしAさんが必要なサービスではない、と言うと、そんな事を言われてもこちらは規約で決断をしている。規約を決めたのは政府。私に言われても、と。拉致があかないのでその方の上司と話す。しかしこれまた同じ事の繰り返し。

規約も十分わかっている。そこをどうにかしてもらえないか?とAさんにとってこのサービスは命綱と同じ。でも私たちのケアを拒否しているのはAさん、と。その辺が理解できないのがAさんの病気なのよ!

病状が悪化すればその時に受け入れるから、と言うが、溺れると分かっている泳げない人に泳げと言う????溺れたら浮き輪を出すわよ、と言っているのと同じです!

だから組織は嫌い。組織で上手く働いていくことは四角い箱にそのものが当てはまるかどうか?当てはまれば良いがそうでない時は仕方ないと切ることが業務になるから。人間はね、色んな形があって、サイズがあるのよ。はみ出してる分をなんとかしようと思わないのかい!!!!と

しかし馬の耳に念仏。結果は何も変わりませんでした。あーあ、なんてこったい。Aさんどうなるんでしょうか?

残り物のチキン唐揚げで作ったスナック。好評だった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。