走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

情報のスピード

2019年08月08日 | 仕事
研究のことばかり書いていてもつまらないので別の事を。

お隣のアルバータ州では患者のヘルスカードナンバーで医療提供者は全ての医療機関の情報を閲覧できることになっています。そのお陰で引っ越ししても、急病で他の街の病院へかかっても、他の病院や地域で行なった医療の情報がわかる。これは治療するものにとってとても有効なシステム。患者や家族がしっかり説明できる人なら良いけれど、そうでない場合や、患者や家族から「最後の検査値はOOだったんです」と報告を受けてもそれを鵜呑みにする事は出来ない。同じ症状で緊急室を渡り歩く人や同じ検査を違う場所で行なってしまう事も防げる。アルバータ州で教育された人たちは、いつも何故BC州にこのシステムがないのか?!と嘆いていた。

しかし、その時代に遂に終わりが来たかも!新しいシステムが導入され、新しいもの好きの同僚の医師のお陰で職場がパイロットサイト(お試し) となり、先日から始まったのだ。過去10年の情報へのアクセスできる。印刷もできる。電子カルテに取り入れる事もできる。

あああああああ、なんて画期的なんでしょう!?

特に私の患者層は遊牧民のように移動するし、自分の疾患について話せる人は少ない。以前は記録の取り寄せに1〜2週間はかかっていたのが、指先で操作できるのだ。とても嬉しいけど、アクセスがあると言う事は読み物も増えるし、そこからの判断も要求されるって事。情報を制するものが世界を制する。本当の事かも。ただの情報ではなくて大量の情報を出来るだけ早く処理できるか、そこが味噌になるんだと思います。


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