うわああああああ、これは歴史的瞬間と言っていいと思うほどのアナウンスが今週ありました。ビデオは英語でこちら。
それは薬物依存医療について。
BC州ではコロナが始まった時にsafer supply と言う名の下に麻薬、覚醒剤系の薬物、ベンゾ系の薬物の処方を治療の目的以外に使用することを始めました。麻薬依存の治療として世界的に認められている opioid agonist therapy (OAT) とは異なります。麻薬処方のレギュレーションは緩く、患者にとっての障壁を低く設定してありました。コロナ禍では商業施設が閉鎖される中、薬物依存の人たちは薬を求めて売ってくれる人を探します。コロナ禍でコロナの伝染を防ぐために、売人から買わなくても安全に薬物を購入できるルートとしてSafer Supplyが許されたのです。
しかし、コロナの緊急事態が収束し、このSafer Supplyがどうなるかと思っていました。だって、それを処方する患者に対して「緊急事態中の短期間の対策だからいつか処方できなくなる」と話して処方をしていましたから。今月保健機構の薬物依存のリードの医師にEメールで展望を聴いたほど。
次の3年もこのまま続けられる、との決断に腰を抜かした。違法薬物の代わりになるものを処方することでオーバードース(OD)を防ぐ。いわゆるハームリダクションの目的で処方をすると言う、世界で異例のやり方なのです。
BC州は薬物依存医療の世界のリーダーと呼ばれている。医療施設として患者が自己注射をできる施設を作ったり、OATに関するリサーチも多く出版されています。OD による死亡者の多さからODクライシスと緊急事態宣言を出して6年。州のODによる死亡者は7000人となる。コロナ禍でもコロナで死亡する人数よりODで死亡する人数の方が毎月多かった。7000人の命を無駄にはできない。学んだことを生かして、と言っていました。
新しいチャプターの始まりです。