走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

飛躍した解釈

2019年09月06日 | 仕事
自分のやりたい事をやりたい時にやる、が私のモットーなので人にあれをしろと指図をされるとムッとする。前回野次馬について書いた。医療知識もないのに外野から口を挟み私の決断にケチをつけられると、気分が悪くなる。

で、また今回も。

教会の駐車場に診療車を停めて診察をしていた。とても忙しい日で、患者の列は途絶えない。そんな駐車場で横たわっている若者。寝ているだけか、オーバードースなのか、はたまた全く他の事が原因か?と心配しながらも友達や教会の人が入れ替わり立ち代りチェックしているので大丈夫だろうと思っていた。

で、診察中の患者に彼は糖尿病があってインスリンを使ってるから、美加に診てもらった方が良いよ、と言ってくる。

え!!!それは大変、と血糖値の計測器を持って近寄る。

教会のボランティアにノルカンは必要ない!と彼への道を塞がれる。あーこれ違うんですけど、機械を見せる。

おー、それは助かると道を開けてくれる(ボディーガードかいな?!)

計測結果はエラー、採取する血が少なかった。それを上から見ていた彼女はエラーが出る程酷いってことね!と叫ぶ。はあ?????

しかし彼にはしっかり意識があり、最後のインスリン投与は昨夜。嘔気嘔吐で食べていないからインスリンは使用していない、と言う。でも今少しだけ食べてみた、と言う。

その上、野次馬には救急車を呼んだから大丈夫、と言われる。

なーんだ。じゃあ大丈夫じゃん!と私は自分も診察に戻った。

しばらくして牧師がやってくる。さっきインスリンを彼に投与した、って彼女(道を塞ぎ勝手にエラーの通訳をしていた人)が言ってたけど本当?

はああああ?なんじゃそれ。血糖測定器の指をちくりとする針が切れていて、インスリン用のシリンジを使ったけど薬は入っていませんよ、と説明する。それにねインスリは指に投与したりしませんから。怖い怖い、飛躍した解釈をする人は本当に怖い。



相当 人間慣れしているシマリス君。

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