走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

当番制の看護研究

2019年07月25日 | 仕事
「研究は新しい知識を生み出す作業、知識の構築」

これ、シンポジウムのゲストスピーカーの朝倉氏が午前のセッションで言った言葉。さすがですね。ストンと入ってくる言葉に慌ててメモをしました。

臨床で疑問が出る ->
文献検索からその疑問の答えを徹底的に探す(英語文献を読まない人はアウトです)->
近いものは見つかっても、自分の疑問の答えはない->
よし、研究してみよう!

これが超簡素化した「研究前」の思考過程です。
日本でよく聞くのがアウトカムを出さないといけないから、、、。それは報告書。
疑問から発生するのが研究ですよ。そしてそれが論文になるんですよ。

あともう一つ。上から言われて、、、看護研究をするのが決まりで、、、、当番が回ってきたから、、、学会で発表しないといけないから、、、
って、あのね、知識を生み出す研究と言うのは夏休みの宿題ではないんですよ。疑問がなければ始まらない。疑問は臨床経験が過去の文献と交差した時に生まれるんです。だから看護の先人たちが書いてきた論文を読まない人に、ちょっと考えたら出てくるようなものでもないんです。

だからこの始めがしっかりしていないものは意味のない研究になってしまうのです。看護研究をしっかりやっていきたいと思うのなら沢山の書籍を読むことから始めましょう。内容を理解するために同僚と議論しましょう。議論も研究を始める良い肥やしになります。

海外の大学で研究を専門にしている人は、その繰り返しで深く深く真理を追求していきます。なので今年はAをして再来年はGね、みたいなあれやこれやではなく全てが連鎖でつながっているんですよ。AがAダッシュになり、AAに取りかかって、、、みたいな。だから当番制なんて研究は全くもって意味がないんです。

悪いことは言いません。当番制の研究なんて今すぐ辞めてしまいましょう。くだらない研究を押しつける上司に是非このブログのこのページを読んでもらってくださいませ。研究の基礎もわからないもの同士が寄り合っても「することに意義がある」的な経験論を持っても得るものはありませんから。ゼロからはゼロしか出てこないんです!

その代わりに研究指導が強い大学院に進学させて下さい、って言ってみたは如何でしょうか?研究について「正しく指導してくれる人」の元で修学した後に病院に戻って「研究者」として貢献しますからと伝えてくださいませ。

ポッと看護研究が出来ると言っている時点で看護に対する認識の低さが出ていますよ!!!


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