走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

依存薬物の体への経路

2017年02月10日 | 仕事
昨日の続き

前にちょこっと書きましたが、違法薬物の摂取方法は4種類あります。

1) 錠剤を飲んで消化管を使って血管へ
2) 粉末のものを鼻から吸い込んで 鼻の粘膜から血管へ
3) 粉末を溶かしてもしくはそのまま熱して気化させ肺から血管へ
4) 粉末を溶かし熱して、注射器で吸い上げ血管へ

合法の薬物にしても同様ですが、薬物は同じ薬でも摂取のやり方で半減期やピークの高さとか作用時間とかが変わります。

内服と注射を比べれば、注射の方が血中濃度が急激に上昇し血中濃度のレベルも高くなる。
なので薬の効果を急激に高く摂取したければ注射が一番となる。だから薬物依存が酷い人は注射を使う人が多いし、それが映画などのイメージがそうなる理由。だから一般の人は薬物依存は注射だと思い込む。1〜3なら薬物ではないのねと勘違いする人も。

で、日本の映画で見るのがアンプルに入っている注射薬や、すでに注射器に吸い上げられているもの。しかし、これも間違い。

闇市場に出回っているものは錠剤や粉末です。液状は闇では作りにくいし保存も効かないからだ。粉末や錠剤を見てこれはヤバイ薬物ではないと思い込むことはとんでもない間違い。

で闇で出回っているのは違法に闇で作られたものと処方箋薬。

処方箋薬は盗まれたものか本人が闇に売り込むものの2種類。だから処方薬を作る製薬会社は悪用防止であの手この手で錠剤を粉砕できないようにとか溶解できないとかタイムリリースで速効性が出ないよう工夫をしている。2〜4ができなければ闇で薬は高く売れない。なので闇の人たちも製薬会社の防御策をあの手この手で崩そうとします。これが昨日イタチごっこと書いた理由です。

カナダではこう言う闇で取引されるような処方薬は厳しく管理されています。処方する側もそれなりの覚悟と段階を踏まなければなりません。



あああ、やっぱり学校は休校となりました。今週に入って3回目。 子供は喜びますが仕事を持つ親にとって困りものです。今年の冬はホント異常。





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