走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

揺らぐ心

2017年10月09日 | 仕事
双極性障害がある彼女。症状はお薬でコントロールされている。しかし彼女のお孫さんのためストレス度はマックス。お孫さんも私の患者。

孫は職に就くこともなく、生活保護の申請をすることもなくなーんとなくの人生を送っている。大麻が大好きでこれがないと生きていけないとばかりに常用している。精神症状が悪化し何度か入院もしているが本人に治療の意思がなければ何もできない。おばあちゃんである彼女は彼を助けたいと何度も手を差し伸べた。しかし彼の態度は変わらない。

何もできない自分に腹を立て、祖母として悲しんだ。私はもちろんセルフケアについて話す。最近は親戚一同態度を統一し、手助けをしない(お金をあげない、寝泊まりさせない)を一貫させているとか。最初はホームレスになってもいいのか!と叫び散らしていたが、変わらぬ親戚達の態度に彼の態度も変わりつつある。

良い方向である。親族に頼っている自身に気づかなければ何も始まらない。正しい方向へ向いているとわかっていてもおばあちゃんの悲しさは変わらない。

私が出来ることは彼女の悲しさや苛立ちの聴き役になること。揺らぎそうになる心を支えること。踏ん張って欲しい。



クランベリー祭りの朝。まだ人出も少ない時間。午後にもう一度出かけたら身動きが取れないぐらいの人人。昨年のように雨に見舞われなかったので良かった!

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