走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

CPRの普及

2022年11月28日 | 仕事
帰国中に高校の友達と東京で会いました。1人がサプリメントを誤嚥して救急室へ行った経験を話しました。え?相方はCPR持ってないの?と聞くと、医療者じゃないから持ってないよ!の返答。

え?医療者じゃなくても持ってるよ、と私が言うと他の人も、ええええええ!と言いました。日本ではそうだと初めて知りました。

CPRとは心肺蘇生のこと。

1990年代後半に医療施設以外で起こった心停止の生存率はCPRの普及率によって変わる、と研究が出て以来、北米では医療者以外の人たちにもCPRの認定をとることを薦めています。国家公務員や地方公務員をはじめ、企業でも推進され、AED(除細動器)の設置もあちこにあります。

CRPのトレーニングは赤十字や、救急隊系や医療系の認定されたトレーナーにより行うことができ、誰でも受ける事ができます。このトレーニングは誤嚥の対応も含まれています。大人、幼児、乳幼児の対応を学びます。AEDの使用の仕方も含まれています。驚きますか?AEDは小さく、安価になり、使い方もシンプルになりました。おもちゃに見えるぐらいです。

救急隊や医療者がすれば良いと思いますか?心停止後、4分以内にCPRが行われた場合、脳にダメージなく回復するとされています(4分以上かかると助かっても脳へのダメージがあると言う意味。必ず助かると言う意味ではない)。事が起こってから救急隊が到着するまで4分以内の場所に貴方は住んでいますか?電話、報告、出発、到着、開始、これを4分以内にするなんて無理ですよ。身近にCPRをできる人がいると回復率は2倍、3倍と上がります。

カナダのトレーニングは3年ごとの更新です。私も今年更新しました。毎回座学と実践でトレーニング用の人形相手に練習を繰り返し、合格をもらえば終了。頭だけで学ぶ内容ではありませんから。どうやら日本では運転免許取得時や高校で学ぶところもあるようですが、繰り返し練習する事で実践が伴います。ネット検索で見つけられなかったので、国としてやっている事業ではないように思えました(情報をください)。

友人は酸素濃度が50%を切り、死ぬのかと自覚したそうです。身体能力が高いからか助かっていますが、普通の人なら終わっていたと思います。周りに誤嚥の対応を知っている人がいれば、、、の話になっていたかもしれません。このような理由で死亡する人が減るように、CPRトレーニング制度を確立して欲しいと思いました。

冒頭写真: クリスマスまであと1ヶ月を切りました。クリスマスコンサート第一弾。くるみ割り人形のショーへ。サーレー市のシティオーケストラと子供合唱団と末娘のダンススクールなどのコラボ企画。とても良かった!


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