「ニキビは病院で治しましょう」 ... という CM をよく目にしますね?
「ニ・キ・ビ・はっ、皮膚科へっ 」 ... って言ってます。
あれ、ホントなんですよ~
わざわざ皮膚科まで行って、ニキビ治療をするメリットはいくつかあります。
1. 正確な診断がつく。
“そもそも、この顔の発疹は、本当にニキビなんだろうか? ” ... って思ったことないですか?
ニキビは、毛穴に 皮脂腺 や 老廃物 が貯留したり、それによって 細菌 が増えることによって起こる、炎症性疾患です。
乾燥性湿疹や脂漏性湿疹、(表皮嚢腫などの)良性腫瘍と見分けがつかなかったり、一緒に存在したりすることがよくあります。
疾患名が違えば、当然対処の仕方は変わります。
初めに “ニキビ” という診断名ありきでの “ニキビ治療” なのです。
2. 適切な治療が提案できる。
「ニキビ」の原因 “菌” は3つあります。
一つ は 細菌。
Propionibacterium acnes(プロピオニバクテリウムアクネス)(P.acnes)という名前の細菌です。
いわゆる、ニキビ菌、アクネ菌と呼ばれる連中です。
普通のニキビの原因のほとんどは、この細菌です。
二つ目は カビ です。
Malassezia(マラセチア)というカビによっても起こります。
背中や前胸(デコルテ)にニキビができた場合、このカビが原因であることが割りと多いのです。
最後は ダニ !
Demodex(デモデックス)(毛包虫)というダニが悪さをするため、主に顎や口鼻の周りに比較的大きいブツブツやしこりができます。
( ↑↑ 上は実際に患者さんの皮膚から見つけたDemodexです。)
・・・当然のことながら、細菌には抗菌薬、カビには抗真菌薬、ダニには抗寄生虫薬と、原因に応じた適切な投薬で治療にあたる必要があります。
・・・と同時に、原因微生物の “エサ” や “住み家” を奪う 治療をしたり、生活指導的なこともしたりしてニキビを治すのです。
3. 経済的負担が少ない。
皮膚科でニキビの治療をする場合、主には保険診療で薬を処方することになります。
保険が効く分、ドラッグストアでビタミン剤や塗り薬を買うより 安く済みます
「皮膚科」 と 「保険診療」 を上手に利用すれば、費用的な負担を減らし、時間的なロスも減らし、効果的にニキビを治療することができるのですよ
次回はニキビ治療についてお話します。