





前回の続きです。
随分と長くなってしまいましたが、これで終了です。
「最高の老後」という書籍。
タイトルどおり、まさしく「最高の老後」を送るための指南書です。
まずは「老い」とは何か?
そして、今の医療の現状。そして病院との付き合い方。薬のリスクなど。
かなり詳しく書かれています。読み応えがあります。
和田先生の表現をお借りすると、山田先生は「臓器の専門家」ではなく、総合的な判断をしてくださる「健康の専門家」といえると思います。
山田先生が所属する「米国老年医学会」が提案する健康な老後に不可欠な「5つのM」
①からだ(身体機能)
②こころ(認知機能、精神状態)
③くすり(ポリファーマシー)
④よぼう(多様な疾患)
⑤いきがい(人生の優先順位)
*全て英語のMから始まっています
これが米国では、高齢者を診察する基本指針となっているそうです。
山田先生は、日本の高齢者診察のあり方に疑問を感じ、渡米したということですから、日本ではまだそういう考えは浸透していなかったのだと思います。
多分、今も不十分のように思います。
浸透していれば、医学界の定説とはまた違う方向性から突き詰めようとする、認知症のセミナーも存在していないかもしれません。
からだを作っているのは、「たべもの」そして「こころ」
治療には一番、有効なものではあるけれど、害になる可能性もある「くすり」
そして、なによりも「よぼう」・・・これも「たべもの」と「こころ」
ピンポイントで体を診るのではなく、総合的な判断とケアが必要。
うつ病と糖尿病の記述もありましたが、認知症とも関りがあるとして、かなりセミナーでも取り上げられています。
方向性が似ていて、内容的にも通じるものがあります。
ただ、山田先生と和田先生とはお考えが違う部分もあります。
健康診断を受けた方がいい。受けなくていい。
コレステロールの薬の是非なども。
これは先生によっていろんな判断やお考えがあるということを示していると思います。
それぞれの先生の環境、患者さんでも変わってくるかもしれません。
自分の近くの病院でも、治療方法が全て一緒とは限らないです。
先生との相性や診断内容、薬の種類などで、これまでも自分で病院を選んできていると思います。
両者の著書にも、書かれていますが、自分にあった「かかりつけ医」を決めることが必要とも。
つまりは、自分が納得できる医療を受けるということだと思います。
最終的に、どんな人生を送ればいいのか。
こちらはお二人の先生方のお考えは一緒です。
「いきがい」を大切に。
年齢を言い訳にしない。
嫌なことは我慢しない。したいことをする。
残りの人生を楽しむ。
「好きなものを食べる幸せ」の印象的な話がありました。
抗がん剤で治療中の夫に、奥様が「がんに効く食事」を徹底的に研究し、塩分制限、糖質制限・・・夫の好きだったアイスクリームも没収。しかし、夫はみるみるうちに痩せていってしまった。「妻の最近の味つけが口に合わない」と。
「健康によいといわれる食べ物でも、どこまで効果があるのかはよくわかっていない。抗がん剤で食欲がわかない時に、一番大切なのは、美味しいと思うものを食べ、少しでも楽しめること。このまま痩せてしまってはがんの治療も受けられなくなってしまう。食欲がわかない時は、アイスクリームやお菓子も栄養となり、ご主人に元気をつけ体重維持に一役買ってくれるかも。こういう時こそ、あまり食事の制限せず、旦那さんが食べたいと思うものを尊重してあげましょう」と先生に言われ、食事を元に戻すと、体重の減少も止まり、回復しはじめたそうです。
「禁煙」の話も・・・
タバコは害なので、医師の立場上、禁煙を勧めるのですが、「タバコが人生そのもの」と言い切る人には、禁煙の話はできなかったと。いくら禁煙の重要性やその害について正しく理解してもらうように努めたとしても、人生で最も大切なものだと言われれば、むしろその人の健康にとっては害になるだけかもしれない。その人なりの人生を支えたい。「いきがい」にはそのような力もあると思う・・・と。
和田先生の「禁煙」話もあります。
ある82歳の男性に肺がんがみつかり、医師からたばこをやめるように言われました。それまで1日2箱吸うヘビースモーカーでしたが、先生に言われたとおり禁煙しました。しかし、ガンのことが頭から離れず、ふさぎ込むようになり、禁煙のイライラも重なって、うつ状態に。
和田先生がみかねて「タバコを吸ってみたら?」と勧めてみると、「そうだね。どうせ死ぬのなら、好きなタバコを吸って死ぬか」と再び、吸い始めたそうです。男性はなんと、その後、10年間、92歳まで生きたそうです。先生の病院では「高齢者の場合は、タバコを吸っても吸わなくても生存曲線は変わらない」というデータがあるそうです、タバコは肺がんになる原因にはなるけど、たばこを吸っていてもガンが大きくなるわけではないとのこと。そもそも、タバコで早死にする人は、高齢者になる前に亡くなっているそうです。
山田先生の著書には、「最期の迎え方」にも触れていました。
死に直面している人の約10人中7人は自分で意思決定ができないそうです。
その時のために事前にしておくといいものは・・・
「事前指示書」・・・自分に行われる医療の方針を、判断能力を失った時のために事前に書面上で明示しておくもの。
「人生会議」・・・もしもの時のために、自分が望む医療やケアについて前もって、家族や医療チームと話し合い、共有しておくこと。
ご両親がご健在の方は、参考にされるといいんじゃないかなと思いました。
私が本を読んでいる時に、けん太がやってきて、本のタイトルを見て
「そんなような映画を観たことある。すっげえ面白かったんだよね。一緒に観ようよ」と。
「はい」と言っていないのに、サブスクを探し始め、Netflixでやっていることをみつけたけん太。
すでに午後11時だったけど、私はブログを書いている途中だったけど
テレビ画面を少し私の方に向けてくれたりなんかして(笑)、映画を鑑賞したのでした。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの映画。
同じ病室で出会った、癌で余命6か月と宣告された二人。
このまま治療を受けながら入院生活を送るより「やり残したこと」を全て実現しようと無謀にも病院を脱出。
様々なことにチャレンジするために、世界旅行に出る。
スカイダイビング、車でレース、ピラミッドやタージマハールに行ったり・・・
世界一の美女にキスをする!なんていうものも(笑)
ひとつひとつクリアして、棒線で消してゆく二人のまあ、なんとも楽しそうなこと。
余命宣告を受けているとは思えないほど、生き生きしていました。
とっても爽快で、心温まる映画でした。
けん太がこの映画を観たのは、もう何年も前、テレビ番組でやっていたのを観たそうです。
もしや、不登校の時?
私はこの映画は観ていました。2019年の映画です。
これはリメイク版だったんですね。
このように最後、思い切り人生を楽しめたらいいなと・・・刺激された映画でした。
主人は、私の本をみて・・・・
「80歳の壁?俺は、80まで生きたくないなぁ。安楽死したい・・・」と言うと、
「スイスに行ったら、安楽死できるよ。スイスだけ他の国も受け入れているから。80万くらいあればできる。団体によって値段が違うけど」と言うけん太
「それって、飛行機代、滞在費込み?」
「いや、別でしょ。団体に支払うお金だから」
「じゃあ、100万超えちゃうな。高いなぁ~じゃあ、やめるか」
なぜ、我が家はそういう会話になるのでしょうか・・・
前回の続きになります。
医学界の定説とは正反対のことも起きている・・・
ひとつあげると、少し小太りの方が長生きできるというデーターが結構、揃っているそうです。
なので、メタボを気にせずに、好きなものを食べていいですよ~ということでした。
「食べたい」というのは体がそれを欲しているということでもあるそうです。
ダイエットなどで、我慢をしたりすると、栄養不足になり、高齢者にとってはかえって体へのダメージになってしまうのだとか。
数値が高いと「血圧を下げましょう」となります。
以前は150くらいでも血管が破れることがありましたが、それは昭和30~40年代の日本人の栄養状態が悪かった時の話だそうです。
今は栄養状態がいいので、高齢者であっても、動脈瘤がない限り200でも破れることはないそうです。
ただこれも個人差があるので、あくまでも体調をみながら。頭痛、めまい、吐き気などの症状がでたら薬を処方してもらった方がいいみたいです。
著者の和田先生ですが、3年前に、血糖値が600㎎/dlを超えていて、インシュリンを投与するレベルだったそうです。
でも、普通の生活がしたかったので、「インシュリンだけは打たない」と決めていたそうで、様々な薬を試してみたけど、どの薬も効かず。
最終的には「歩く」という選択をして、「食事やお酒も我慢したくないから、せめて1日30分歩く」と決めたそうです。
すると、血糖値が下がってきたそうです。
数値だけで「異常」と判断され、薬を飲み続けるという選択は間違い。
自分の体の状態から判断するのが賢い選択・・・と。
そうはいっても、その判断って難しいですよね。
私のことですが・・・・今、コレステロールの薬は飲んでいません。
それは、薬が内臓にダメージを与え、それが認知症にも繋がるという話を聞いたからです。実際に、薬を止めたことで認知力に改善がみられた例もあるということなので。
正常だった肝臓の値が、コレステロールの薬を飲むようになって、少しずつ悪化し要検査となりましたが、薬を止めたことで、また正常に戻りました。
AST(GOT) 23→31→41(要検査)→21
ALT(GPT) 202→208→238(要検査)→219
もちろん、コレステロール値は上がりましたが、一時期、300を超えたこともある総コレステロールが260に。LDLは、220が175に。
最悪の時よりは下がっているので、まあ、これくらいならいいかなと思っています。
心筋梗塞のリスクは上がりましたが、私の中にある明確なものとして、認知症になるくらいなら心筋梗塞を受け入れる・・というのがあります。
もしかしたら後遺症が残るかもしれませんが、人間の尊厳までは失われないので。
なので、心筋梗塞になっても、コレステロールの薬を飲んでおけばよかったという後悔はしないです。
こういう判断って人それぞれだと思います。
心筋梗塞の家系だったら、やっぱり薬は必要という判断になるかもしれないし。
それぞれの人生なので、自分で生き方を決めればいい。
そうやって、後悔のない人生を生きればいいと思います。
そのためにも、相性の良い病院、真剣に話を聞き応じてくれる、自分にとっての「名医」を探すことも大切なことだそうです。
書籍の後半は、明日死んでも後悔しない生き方。
日常生活をより快適で安楽に過ごすためのヒントが詰まっています。
究極的な幸せは、楽しむ能力・・・これですかね。
最初に笑ってしまえば、脳は楽しくなり、楽しいことを考え始めるそうです。
楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ (by ウィリアム・ジェームズ)
そして、この左の書籍・・・友達に勧められたものです。
こちらは、NY在住の米国老年医学専門医の山田先生が執筆されています。
またまた、長くなってしまったので これはまた次に書かせていただきます
先日、「徹子の部屋」に出演された、和田秀樹先生の著書「80歳の壁」を読み終えました。
先日の記事で、番組の内容をお伝えしたのですが、私の印象として、細かいことは気にせずに、おおらかに生きていきましょう~
というメッセージなんだろうなと受け止めていたのです。
それは間違いなのですが、精神面だけのことではなく、ちゃんと根拠があっての話であるということがわかりました。
前回、ちょっと思い違いをしていた部分もあるので、今日は、そこを補足させてもらおうかなと思います。
まずは、著書の帯に、こんなことが書いてありました。