MOBU'S MUSIC MAZE

音楽のこと好きなことなどよしなにほどほどに・・・

あり日のムュシュ

2018-12-23 11:18:55 | 音楽が流れる喫茶&BAR
あり日のムュシュ

昨年12月29日に閉店して、数カ月後には更地になって
しまった。オーナーたちはどこへ・・・。


夕方店に行った。客はいなくて、マスターは
ゆっくり作業していた。

お冷がでて、あいさつがわりに「今日は休み?」と、
きいてくる。返事を返してお冷を一口。

「最近、店でもレコード回すことがあるんですよ」と
3点式の一体型の古そうなステレオから、「コンチェルト」
ジム・ホールが流れた。片面1~2曲だったかな。
ロドリーゴのアランフェス協奏曲の第二楽章。
短調の所をアレンジで演奏し、出したアルバム。
CTIの売れ筋盤だった。ボリュームを上げると、
スクラッチノイズが聞こえる。人間的でいいかも。
CDかけてる山水とは別物のプレイヤーだから
音は負けるが、昭和の面影がある。
このアランフェスのジムホールもいいが、
サックスとトランペットもいい味出しているのだ。

チェットベイカー(一時期はマイルスよりも人気があった)
のマイナー・フレーズはわびさびが感じられて好きだ。
ポール・デスモンドは、デイブ・ブルーベックのテイク・ファイブ
で、有名なテーマとアドリブを吹いている。軽い感じで
曲を飾るが、アランフェスを決して重く聴かせない
プレーヤーたち。ロンカーター(b)ローランド・ハナ(p)
スティーブ・ガッド(ds)。

アルバム自体、コマーシャルに流れすぎない作りなので、
聴きあきないのが、ポイントなのかもしれない。
ジムホールのアプローチだって、確かにロドリーゴの
旋律追いかけているだけではないし、アドリブにも深み
がある。ドン・セベスキーの編曲はどこまで筆を入れたのか
わからないが、名盤の香り高い一枚だと思う。
ジャケットの石像はどこの物なのだろう。アジアか南米か
それとも・・・。一時期ファンの間で話題になったらしいが
真相は闇の中?らしい。

これのジム・ホール抜きのアルバムも好きで
一時期よく聴いた。これはチェット・ベイカー(tp)が
リーダーなのか、邦題「枯葉」というタイトルがついていた。
このアルバムタイトルの「枯葉」を、金沢の「もっきりや」という
LIVEもやる(JAZZ?)喫茶店で寒い時期金沢に旅行に行ったとき
初めて聴いた。アルバムタイトルは「シー・ワズ・グッド・トゥー・ミー」
という。これもずいぶんわからなくて探した。トランペットで
枯葉やってる人なんてかなりいたので・・・。
探し当てたときは、金沢の「もっきりや」が瞼に浮かんだものだった。

これを聴いてから、マスターはCDに変えた。
ピアノトリオ特集か?。
ハロルド・メイバーン(p)トリオで、
Venusレコードより出ていた現在廃盤の
「恋に恋して」
スイング感あふれるピアノで、聴き飽きない。
メイバーンて、もう70代になるピアニストだと
言う事を知った。かなり前から活動しているのだな。

スティーリーダンのドゥ・イット・アゲイン、
いつか王子様がとか、サマー・タイムとか、
知ってる曲もいくつかあり、フル・サイズで
再生してもらった。出来ればLP時代みたく
半分くらいでかけ替えてくれれば、2倍楽しめるのに。
聴く時間はかぎられているから余計にそう思う。
なかなかセンスいい盤選択。

次は、ケニー・ドリューときたもんだ。
ヨーロッパに転身してから、良くなった人。
「ピアノ・ナイト」という。

「イン・ユア・オウン・スゥート・ウェイ」
デイブ・ブルーベックのオリジナル。
から始まる。軽快なピアノ。
ドリューはある意味小難しいフレーズを
叩かないのでききやすくもある。上品に
聞こえたり、色々な引き出しのあるひとなのでは
ないかと思ったりする。
「春の如く」まではわかったが、それ以降
曲のタイトルがわからない。
92年の5月亡くなる1年前のスイスでのLIVE収録。
音がきれい。端正で聴きやすいところは生涯の財産。

今日の最後は、ジム・ホールの「サブ・セクエントリー」。
90年代に録音された1品。
ジムのPlayはどちらかというと聞き取りは簡単ではない。
フレーズが入り組んでいたりして、音楽的というよりは
音響的に聞こえることがある。音の流れがいつも聴いている
音楽とは違うという感じがする時が多い。独特な音の使いかた
をしているので、ケニー・バレルやウエス・モンゴメリーを
聴くようにはいかない。耳になじむまで時間かかったりする。
久々にそのようなアルバム。しかしながら、付き合ってる
サックスとか、ハーモニカ(シールマンス)に助けられて、
そこは聴きやすいJAZZになっている。
今日はオーナーと新宿渋谷あたりの往年のJAZZ喫茶について
教えてもらった。下北沢の「マサコ」のマッチをもっていた。
流石先輩ファンである。私は昔のお店の時に行ったことはあるが、
マッチはもらいそこなった。タバコ吸わないし(笑)。
なかなかゆるい店で居心地は良かった。CDの仕入れのたのしい
苦労話も聞いた。ここまでで2時間以上いたので、
今日はアイスコーヒーとナポリタンでおなかを満たして
(量が思ったより多かった)退席した。


ここまでの時間私一人だった。お店大丈夫か・・・。

閉店しています。

Getz Meets Mulligan in Hi-Fi/Stan Getz and Gerry Mulligan 

2018-12-23 11:14:14 | 音楽夜話(ジャズ)
Getz Meets Mulligan in Hi-Fi/Stan Getz and Gerry Mulligan 

Getz Meets Mulligan in Hi-Fi 
https://www.youtube.com/watch?v=FThyJPLnZWE

JAZZ 24 でストリーム聴いてたら、サックスの軽快なテーマとソロが
流れた。ジャケット見ると、「Getz Meets Mulligan in Hi-Fi」とある。
VERVEレーべル、ノーマン・グランツのプロデュースもの。

割りとリラックスできる音楽の流れで、やるじゃんと思いながら
聴いていた。

ゲッツもマリガンも聴いてはいるけど、キャラクターはつかみ切れていなかった。
なんと、このアルバムは、1~3曲目までは、ゲッツがバリトン、マリガンが
テナーを吹いているというのだ。アルバム1曲位ならジョークも通じるが、
片面となると勇気がいる。マリガンもバリトンの前はテナーを吹いていた
というから、まんざらでもないのだけれど、ゲッツがバリトンというのは
聞いたことない。でも記録には残り、プロデューサーのOKが出ている。

1957年ころは、こういうユーモアも許されたんですね。イイ時代だった
ということでしょうか。

Acoustic Guitarist Of The Year 2018

2018-12-23 09:59:07 | アコースティック・ギター・トリップ
Acoustic Guitarist Of The Year 2018

今時のアコギ事情。

たまたま、youtubeを見ていたら、コンテスト画像にあたった。
2018年に MusicRadar が開催したコンテストの最終選考に
3名が残り、そのLIVE審査がイギリスのギターショーで開催。
TAKAMINE楽器が後援。
何百名のヴィデオ応募があり、Jon Gomm, Tommy Emmanuel
Mike Dawesが最終的に選考に当たったようですが、このコンテストは
レヴェルが高いように思いました。

ファイナリスト3名の演奏がyoutubeにあります。
Acoustic Guitarist of the Year 2018  3名
https://www.youtube.com/watch?v=BiJ9-U_2ocA&index=3&list=PL-yK_t865S6rcQPD03cxSUxs5yVsMbnny

Karlijn Langendijk
http://www.karlijnlangendijk.com/

ナイロン弦で、ECMレーベルのアルバムに出てくるような、
コンテンポラリーミュージックみたいな曲調で送る
オランダ出身の女流ギタリスト。20代で大学でギターを
学んでいるという。
自身もHPを持って活動している。ギターセミナーで
トミー・エマニュエルと、セッションしている動画もあった。
活動歴もあり、プロミュージシャンだろう。

Casper Esmann
https://www.esmannmusic.com/
20代デンマークのギタリスト。ヘッジス以降のギタリストを
聴いて育った世代。時代は変わったと感慨にふけっている
場合ではないが、確実に世代交代している。この方も
プロ活動している。

winner
Alexandr Misko
https://www.facebook.com/alexandrmisko/

グーグルで検索するといろいろ出てくる。ロシア出身の
アーティスト。youtubeにも音源が色々ある。
たぶんこの方は、ギターの枝葉を伸ばした。
改良されたそれを使い独自の世界を構築している。
まねしてできる世界でないことはわかる。
オンリーワンを評価されたのかもしれない。

モデルはローデン製のカスタムモデル。ベースモデルは
F35 Fan Fret のカッタウェイか。
ペグ(糸巻き)はバンジョーペグで、始めどうしてそれが
ついているのかわからなかったものの、彼の演奏で
チューンアップダウンをチョーキング手法でなく、
糸巻き回して音を上げ下げする。なのでしやすいように 
縦位置になるペグを使っている。
絶対音感があるのか、ペグ位置を一度で決める技。
狂いがなさそう。ストリングガイドがついていたり、
ナットもブリッジも改良されたものがついていると
思われる。そのように改良を加えたものに、自分の
エッセンスを組み込んで、音楽を作っていく。
調弦(チューニング)とて、どのような調弦を使って
いるのか皆目見当もつかない。
カポタストもパーシャルだったり、F7だったり独特。
とにかく、独特でオンリーワンだ。
オリジナルが聴いててわかりにくければ、COVERものを
聴くとそのすごさがわかる。だれにでも出来るものでは
ない。この方もプロ活動しているのかもしれない。

その意味ではこのコンテストはレベルが高い。
世界はどんどん変わっていきますね。

この話題の元記事。
https://yamahamusicians.com/acoustic-guitarist-of-the-year-2018-finalists-revealed/