MOBU'S MUSIC MAZE

音楽のこと好きなことなどよしなにほどほどに・・・

神田神保町 BIGBOY

2018-12-28 06:26:49 | 音楽が流れる喫茶&BAR


神田神保町 BIGBOY
HP
http://jazzbigboy.sakura.ne.jp/phone/index.html
JBLが聴ける店
http://jbl.harman-japan.co.jp/soundofjbl/shop/bigboy/

地下鉄都営線神保町駅下車A7出口徒歩1-2分。
かの名店さぼうる・さぼうる2と同じところのかど店にある。
黄色いドアが目印。ガラス張りになっているので、店内の状況も
わかる。小さな店なので席がないこともある。2人向かいのテーブルが
3つ、カウンター6席。窓際カウンター4席。16人で満席の店。

TEATIMEが17時まで。16時前に入った。常連さんはテーブル席に
陣取っている。往年のジャズを聴いてきた年季入っている方たちだろう。
カウンターはフリーに開いていたので、中央に座った。ステンレス製の
カウンターはヒヤッとしているかと思ったらそうでもなかった。

コーヒーを注文し、あたりを見回す。この店のシステムを
把握すべく、CDなのかLPなのか、演奏中の掲示はあるのか確認していく。
レコード棚にかなりなアルバムが収納されている。キッチン側にもCDが積まれて
いる。かけたものを積んでいくのか、これからかける物を積んでいるのか、
素人目にはわからないが、いくつかの積み上げられたアルバムがある。
時折窓側にアルバートアイラーの「スピリチュアル・ユニティー」のように、
立てかけてあるものまであるから、オブジェ化しているものもある。
LPも窓側のカウンターに立てかけてある。70年代当時のファンクなアルバム
レーベルだったりする。見ていても楽しい。

さて演奏中のアルバムは、マッコイ・タイナ―(p)のリーダーアルバム
「トゥデイ・アンド・トモロウ」。
3管編成のセクステットとトリオのセッションが収められている。
今日はB面がかかっている。インパルスの録音は、時に薄っぺらく
感じる時があるけれど、これはピアノもキチンと鳴っていた。
ホーンも煩くないけど、艶もある。
これはアンプのキャラクターもあるのかもしれない。音量もかなり
出ていて、鑑賞店ではもちろんないのだけれど、会話禁止にもなってないし、
でも自然にこのレベルの音量なら会話できないしそれ目的なら他を
当たってくれ的な感じになってしまう。
しかしながら、この音量がいい。音楽に浸りたい向きには最適だろう。
なかなかこのような店は少なくなった。

どこか似ている。神田にあった名店「響」だ。人気店であった。マスターも有名人だった。
BIGBOYのマスターは北海道出身、響にも通っていた。デザイナー職を経て
この店を2006年に立ち上げた。もう12年目になるのか・・・。知らなかったな。
店内にも無駄がない。そこから考えられているのだな。

2枚目はデンマークのピアニスト キャスパー・ヴィヨムの2枚目、
カルテット編成のアルバム。
テナー・サックスが吠えている。ストレート・アヘッドなアルバムだったけど、
年齢的に先輩であろうお客さんが帰られる時に「昔よく聞いた・・・けど」、
とおっしゃっていて、これ、2004年の作品で一昔前であるけれど、
レーベルもメジャーでないところの、デンマークのピアニストのアルバムを
丹念に聴かれている。東京は怖いところだ(笑)。

コーヒーは癖のないもので、ぺーパードリップで丹念に入れられる。
水がなくなると、ガラス・ポットでマスターが注ぎにくる。
このマスターは平たく言うと、腰が低く客さばきがうまい。
昔のジャズ喫茶のオヤジというイメージはない。
時折、若い女性客もスコーンを食しにやってきたりする。食べログとか
見てきたのかな。
そんなお客さんにも丁寧に案内して、奥様が作った焼きたてのスコーンを
提供する。そつないやり取りが、12年の時間を感じさせる。
きっと開店当時からの所作が変わらずに続けられているのだろう。
当時のブログを読んでもかわりないので、このやり方がスタイルと思われた。

3枚目が「ミシェル・カミロ(p)・トマティート(g)スペイン・アゲイン」。
ピアノとギターのDUO。JBLでナイロン弦がこんなにつややかに鳴っているのは
初めて聴いた。カミロは指のよく回るピアニストで、トマティートもそれに劣らずの
技巧を持つ。ピアソラの「リベルタンゴ」が鳴った。CDは全部鳴らすのではなく
3曲くらい、LP片面再生がJAZZ喫茶の定番に倣ってそのような再生方法を
とっているようだ。

4枚目はブルーノート1578。リー・モーガンの「Cooker」。その音を聴くだけで、
リーモーガンは「上手いなァ~」と、感じてしまう。このアルバムに絡んでいる、
ペッパー・アダムズのバリトン・サックスがほとんどバリバリ吹いていて、圧巻。
ブルー・ノートの醍醐味がここにあると思う。いい盤を聴いた。これも片面。
終わりまで聴いて、17時位にセットされたように終わる。上手い演出だね。
お勘定して、出る時に「また来てくださいね」と、一言添えられる。
「言われなくても来ますとも」と心の中でつぶやいた(笑)。