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ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」(1874版)

2021-09-10 10:42:45 | 音楽夜話(クラシック)
ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」(1874版)


9月9日


03:04-05:00 20.04-22.00 BR-KLASSIK


 ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(1874年版)


ゲルト・シャーラ―指揮フィルハーモニー・フェスティヴァ
2021年7月25日 エルバッハ






ブルックナーは自作の改訂を何度も行った作曲家でしたが、
この4番はいろいろあるようで、録音もそれなりに存在します。
版違いの面白さを探れるほどには、ブルックナーを知っている
わけではありませんし、検索して調べていっても、余程の
興味がないと音源までたどり着かないのも致し方ないところです。


番組表を見ていたら「1874」という年号がありました。
ふつうここは、ハース版とかノヴァーク版とかあるのに、
年号でした。これはあまり見ないなと思い、検索すると、
4番はいくつかの版が存在することがわかり、1874というのは
第1稿だというのです。


今よくコンサートにかかるのは、第2稿と呼ばれる、ハース版だったり、
ノヴァーク版だったりするようです。
4番の原型というかオリジナルは第1稿にありというところでしょう。


インバル/ロジェストヴェンスキー /ヴェス/ギーレン/以外にも第1稿
を録音している指揮者・楽団はあるようです。
放送で聴くのは初めてでした。確かインバルがブルックナーの録音を
していた時に、第1稿でしているという情報が提示され、いつものと
どう違うのかというところが説明されていましたが、当時はブルックナー
まで到達してなかったので、スルーしていました。


今は少しは聴き進んでいますが、版違いまでは進んでいません。
大体よく聴かれる版を聴くのみです。
たまたまこういう機会があるので、聴いてみるかと思ったものです。


第1稿は普段聴いてるものとは違いました。
オリジナルのブルックナーのたたずまいはこれはこれで面白いのではないか
と思います。当時の聴衆は共感できなかったのかもしれません。


大改訂を経た、現在の版は決定稿として流布されていますが、作品が生まれた
当時の姿というのも今聴くと新鮮で、手の入ってない森に分け入るような
感じもします。ブルックナーはこのように感じて筆を進めたのかぁと感じ入って
みたり、聴感では新鮮な感じのする4番でした。


表現したい作曲家と、一般大衆に聴かせられる曲は違うというところでしょうか。
その意味では、ブルックナーは独特な観点で(聴衆を相手にしていないような)
作曲していたのではないかとも思います。


時にはこういう新たな森に分け入る聴き方というのも面白かったです。
この版は定番にはなりませんが、演奏家は再現するということに
意義があるのかもしれません。


この、ゲルト・シャラーという指揮者は、ブルックナーの交響曲全集を
出していますが、全18枚という壮大なもので、自身の改訂版なども入れており、
エキスパートのようですね。


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