もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「歩いても 歩いても」

2008-06-04 21:50:32 | 映画
5/29 特別上映会にて

公開がもう少し先なので、ネタバレしないように、ね。

子連れのゆかりと再婚した良多は、
足が遠のいている実家を家族と共に訪ねる。
一緒に暮らしている時から折り合いが悪かったらしい父は、
医院を閉めても診察室にこもりがち。
家の中には他に居場所がないのだろうか?
男ってそんなもん?

近くに住んでいるらしい長女は、
早々と来て母親と他愛の無いお喋りをしながら、
何気ない食べ物を延々と作っている。
このご飯がおいしそうなんだよなぁ。

田舎について早々にはクールな連れ子のあつしだが、
従兄弟達との距離が縮まってゆくごとに子供らしくなる。
一方、ゆかりは気を使いっぱなしだが、
良多は全く気がつかない。
自分と父親の距離感にばかり神経質になっている。
男って・・・。

なんといっても、樹木希林演じる母親の存在感がスゴイ。
仲良さそうにしている長女にも言わない本音。
父親へのあてつけの言葉。
やっと結婚した次男の嫁に、さりげなくいう棘のある言葉。
結構意地悪なんだよなぁ。
なにより、ある青年への恨みの深さ。
しかし、ごく普通の母親なんだよね。

笑っちゃう場面が沢山あってほのぼのもするけれど、
そうそう、
家族ってキレイごとだけじゃなくて、
家族だからこそ許せないこととか、
無理矢理修復して生きていかなきゃならないこととか、
あるんだよね。うん。
仏間でご飯食べてる理由とかね。

あと、田舎にみんなが集まった時の、
少しずつ取り繕って、でも心休まる微妙なカンジが、
ものすごく出ている。

でね、
家族っていいなぁ。って思うのさ。
大きな出来事は何も無くて、
ビターなことがちりばめてある話なんだけど、
家族っていいなって。

個人的に、
おじいちゃんとおばあちゃんが別々に(こっそりと)
孫にお小遣いをあげるのが
『ああ、そうだった!』と思い出を呼び起こした。
大人になって一番最後にもらったお年玉は、
ポチ袋のまましまってあるんだ。
翌年に祖母が病気をして、孫たちはお小遣いをもらえなくなった。
洋服を買ってあげたことしかなかったなぁ、私。

男は小さくて、女は強いんですね、
是枝監督。
そして、娘のダンナは他人ですか?あはは。

あと、昔の日本の家の良さも悪さも、しっかりステキに描かれてますよ。
セット、なのかなぁ?
協力にINAXと出ていた気がするんだけど・・・。
コメント (2)
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