どこかへ行きたいな
ここじゃないどこかへ
それは日常からの離陸ではなく
どこにもいたくないだけの逃避
行きたい場所は無く、ここにもいられない
大事にしまっておいた
写真も手紙も手帳も給与明細も古い住所録も
本もレコードもCDも窓から全部投げ捨てて
逃げ出してしまいたいが
結局
泣きながら拾い集めることだろう
身ひとつになっても どこかへ行ける訳ではないから
地団太を踏んで涙にまみれて
ここじゃない、ここじゃないとあばれてみても
それじゃどこへ?と問われるのが何よりも恐ろしく
すました顔で日々を過ごす
心の中はずぶぬれの野良猫のようなのに
他人の足場を固めてあげることは得意だが
自分の足場はぐずぐずの砂地
どうして自分をいたわれないのか
さっぱりわからない
自分の中のちっぽけな
善意や思いやりや優しさや希望やけなげさを
窓から全部投げ捨てて
何にも心を動かすことがなくなったら
少しは楽になるのか?
いいや
それを楽とは呼べない自分だから
こんなにつらくなっているのだったね
明るい春のひざしのさす場所に行きたくなれたら
投げ捨てるためにではなく窓を開けられる気がする
春になったらなったで
木の芽時の不安定がやってくるのが常ではあるが
それはまたその時のことと思うほか無い
野良猫もひなたではまどろむこともあるよ
ここじゃないどこかへ
それは日常からの離陸ではなく
どこにもいたくないだけの逃避
行きたい場所は無く、ここにもいられない
大事にしまっておいた
写真も手紙も手帳も給与明細も古い住所録も
本もレコードもCDも窓から全部投げ捨てて
逃げ出してしまいたいが
結局
泣きながら拾い集めることだろう
身ひとつになっても どこかへ行ける訳ではないから
地団太を踏んで涙にまみれて
ここじゃない、ここじゃないとあばれてみても
それじゃどこへ?と問われるのが何よりも恐ろしく
すました顔で日々を過ごす
心の中はずぶぬれの野良猫のようなのに
他人の足場を固めてあげることは得意だが
自分の足場はぐずぐずの砂地
どうして自分をいたわれないのか
さっぱりわからない
自分の中のちっぽけな
善意や思いやりや優しさや希望やけなげさを
窓から全部投げ捨てて
何にも心を動かすことがなくなったら
少しは楽になるのか?
いいや
それを楽とは呼べない自分だから
こんなにつらくなっているのだったね
明るい春のひざしのさす場所に行きたくなれたら
投げ捨てるためにではなく窓を開けられる気がする
春になったらなったで
木の芽時の不安定がやってくるのが常ではあるが
それはまたその時のことと思うほか無い
野良猫もひなたではまどろむこともあるよ