男はなぜ、ゴミ屋敷の主になったのか?
~戦後日本を、生真面目に、ただ黙々と生きてきた男が
最後にすがったのは、「ゴミ」という名のなにものかだった。~
(帯文)
図書館本。
文庫にならないかな~、と思っていた一冊。
2009年の作品だが
最近TVで取り上げられていることの先取り。
近隣に迷惑がられながら
敷地いっぱいにゴミを積み上げる老人。
戦時下に少年時代を過ごし
敗戦後は
商店の長男として見習い奉公にいくという
当たり前のレールだった生き方が
豊かになって変容してゆく社会の形に沿えずに
しかし、疑問をもたず古いレールを進んでいった
愚直に生きていった男。
商いが世間から必要とされなくなり
家族が欠けていき
世間とのつながりが切れ
喪失を抱えていることを自分では感じられないまま
ゴミを拾ってくる行為で
なんだかわからない暗い深い闇を埋めていたのだった。
新興住宅地の住人の心の寸断。
何かは役所や誰かが解決してくれるはずではないか、という傲慢。
何も解決してくれないマスコミ、
何を見たいのか見物にやって来るヒマな人々
心を病む隣人。
ゴミ屋敷の住人の内面を探ろうとする人は皆無だ。
現実もそうだろう。
しかして、彼にも心はあるのである。
~戦後日本を、生真面目に、ただ黙々と生きてきた男が
最後にすがったのは、「ゴミ」という名のなにものかだった。~
(帯文)
図書館本。
文庫にならないかな~、と思っていた一冊。
2009年の作品だが
最近TVで取り上げられていることの先取り。
近隣に迷惑がられながら
敷地いっぱいにゴミを積み上げる老人。
戦時下に少年時代を過ごし
敗戦後は
商店の長男として見習い奉公にいくという
当たり前のレールだった生き方が
豊かになって変容してゆく社会の形に沿えずに
しかし、疑問をもたず古いレールを進んでいった
愚直に生きていった男。
商いが世間から必要とされなくなり
家族が欠けていき
世間とのつながりが切れ
喪失を抱えていることを自分では感じられないまま
ゴミを拾ってくる行為で
なんだかわからない暗い深い闇を埋めていたのだった。
新興住宅地の住人の心の寸断。
何かは役所や誰かが解決してくれるはずではないか、という傲慢。
何も解決してくれないマスコミ、
何を見たいのか見物にやって来るヒマな人々
心を病む隣人。
ゴミ屋敷の住人の内面を探ろうとする人は皆無だ。
現実もそうだろう。
しかして、彼にも心はあるのである。