もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「サバイバルファミリー」

2017-02-23 22:59:11 | 映画
2017.2.22

ある朝突然”電気”がこなくなった。
電化製品が使えないだけじゃなく
モーターでくみ上げる水道もガスも車も何もかも使えなくなった世界。
どこにでもありそうな4人家族鈴木家は、
何の情報もないまま東京よりもなんとかなりそうな妻の実家に向かうため
自転車で西へと向かう。

まず、
停電で電車が来ないのにぎゅうぎゅう詰めのホーム
自動ドアさえ開かない会社のビルに集まる人達
PCも電話も何もかも使えないのに職場にいようとする人
それらに笑うよりぞっとした。
何が起きているのか解らない緊急事態なのに通常の生活をしようとするなんて。

しかし矢口監督だから
本当に役に立たないお父さんが笑えるし
サバイバル生活での人間の嫌な面と案外たくましい人々の対比が笑える。
悲惨にも文明批判にも傾かないコメディーです。

小日向さんすごいヤなヤツ(笑)
こんな上司も父親も絶対イヤだ。
深津さんは「永い言い訳」のスタイリッシュさとは正反対の
魚をさばくことが出来ないへなちょこさと
あちこちに小分けでへそくりをする知恵をもつ平凡なお母さん。
現代っ子の子供たち二人。
サバイバル生活が彼らをどう変える?

テレビもラジオも携帯も使えなくなったら
どうやって情報を手に入れたらいいのだろう?
水道局のモーターが動かなければ水もこないのか、うむむ。
アウトドアにはめっきり弱いし
自分に置き換えると笑えないところあるがね。

≪日常的に使っている便利な道具が全て使えなくなったら、人はどう生きていくのか≫
≪不便になることで、逆に取り戻せる豊かさがあるのではないか≫
矢口監督構想十数年、
あの震災よりはるか前に思いつくとはやはり変人。
笑えるサバイバル映画なんて、この人にしか作れないだろう。
コメント
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