もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「斬、」

2018-12-16 23:23:59 | 映画
2018.12.15

さて、刀は何の為に生み出されたのか
人を斬り殺す武器としてしか使えない刃物。

農村で田の仕事を手伝っている浪人、杢之進。
剣の腕前はかなりなものらしいが
穏やかな性格で争いを避けようとする。
そんな彼でさえ江戸へ出ようと考える『お国の一大事』とは、
国の為に働く武士の仕事とは何のだろう?

武士にあこがれてか杢之進に剣術を習う市助が
すでに理解出来ない。
本物の剣だったらすでに死んでいるほどの腕前の違いにも
怖さを感じず挑む姿は
狂気じみている。
その姉ゆうと杢之進の間の淡い心の通いも
後に悲劇へとつながる。

その出現が全てのバランスを壊した澤村という剣豪。
人を斬ることに躊躇がないどころか
それが当たり前であるという顔をしている。
しかし、
杢之進に「一人斬れば慣れる」と迫りだした辺りから狂気そのものに変わる。

澤村は本当はヒトではなかったのではないだろうか?
それでは何の為に現れ杢之進に人を斬らせようと執着したのか?
観終わって考えていたのはこのことだった。
塚本監督の頭の中には何があったか判らないが
深いものをのぞき込む体験をさせられた。

あ、中村達っつあんが自前の柄で
ならず者っぷりが板につき過ぎ。
コメント
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