もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「教誨師」

2018-12-09 21:43:34 | 映画
2018.12.4

プロテスタントの牧師、佐伯。

死刑囚の話を聞き
己の罪に向き合い悔い改めて
穏やかに死を迎え入れられるようにと
聖書の一節を説いたりしている。
その仕事は無償であり、純粋な信仰心に裏付けられる。

詳細は描かれないが
佐伯と向かいあい話す人々は全て殺人者だ。
饒舌に刑務官とのやりとりを話す女
歪んだ持論を滔々と披露する大量殺人の犯人
不運の人生の果てに罪を犯したホームレスの老人
ヤクザ根性が抜けないヤクザ
普通にしか見えない男
全く口を開かない男

大量殺人を行った青年の語る言葉は
現実にあった事件を思い起こさせるし
普通の男は
経済の歪みに足をとられヒトの心の歪みに追い打ちをかけられて殺人者となる。
遠いところの話ではないことの恐ろしさ。

佐伯が初めて立ち会う死刑の場面では
最小限で表現されているが
死刑制度が現場の者たちに負わせている恐ろしく重い責務を感じた。

文盲であったホームレスが佐伯から文字を習い
洗礼受けたいと話した矢先に脳疾患に襲われる。
そんな彼から手渡されたモノに私も愕然とした。


ホームレスの進藤さんは北海道弁かなぁ、と思いました。
役者さんがなんともいわれない上手さ。
烏丸せつこは怖い犯罪者の役が最近多いような
そして、大量殺人を犯した青年の役の人
目が離せなかった。


大杉連さん、本当にもういないの?
新しい映画をどこかで撮っているんじゃないの?
帰り道に思ってしまった。
コメント
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