もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー  ブレディみかこ

2020-08-11 00:23:07 | BOOK
図書館本

本を読んだ人の
『息子さんは【エンパシー】を~「自分で誰かの靴をはいてみること」と言ったそうで、秀逸』
という一節が気になっていた。

イギリスの階級社会についてはロックと映画で知った。
サッチャーは稀代の社会制度クラッシャー。
その程度だ。

たまたま地域の良い小学校に通っていた息子が
中学は本人の意思で、以前は荒れていた【元底辺中学校】に通うことになっておきた出来事を
母親であるみかこさんが一緒にバリバリ噛み砕いていくさまが書かれている。
労働者階級、移民、貧困、出自
つまずく問題はそこいらじゅうに転がっていて歩くのが大変だ。

印象深かった部分をいくつか。

英国の教育には演劇が取り入れられていることが多いが
保育士をしていたみかこさんはそれを『感情表現を学ぶためか』と書いている。
問題を抱えた家庭の子供は表情に乏しかったり、うまく感情を伝えられない。
そして、他人の感情を読み取ることもできず、人の嫌がることをやめられない。
そういう現実を体験しているからだ。

これは私も感じたことがある。
親が自分のことや生活に手いっぱいだと(ネグレクト含む)
子供は笑わないし泣きも怒りもしなくなる。

【エンパシー】を
自分で誰かの靴をはいてみること。と学校で書いた息子さん。
これは英語の定型表現で、他人の立場に立ってみるという意味だそうだ。
みかこさんは辞書を引いて意味を調べている。
【エンパシー】
共感・感情移入・自己移入
自分がその人の立場だったらどうだろう<と想像することによって
誰かの感情や経験を分かち合う能力。
知的作業
【シンパシー】
他人の感情や行動を理解すること。
感情作業。


シンパシーという言葉は使うことがあるが
エンパシーは単語として読んだことがあるくらいで
意味の違いなど考えたことがなかった。
言葉の意味を知って使うことはコミュニケーションの基本だとは思っていたが
頭が揺さぶられた。
(頭なところが自分の弱点)

多様性・差別・政府のあり方など考えるきっかけが多く
そしてとにかく面白いのでお薦めです。
コメント
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