もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「淵に立つ」

2019-08-25 23:14:41 | 映画
深田晃司監督と主演の筒井真理子さんのトーク付き上映会。

観に行きそこなっていた気になる作品だったので
おとついチラシを発見してダッシュ。
映サの主催なのかスタッフに若者多くて、
さらに相米慎二監督作品「台風クラブ」のTシャツ着てる男子いたりして
(あきらかに生まれてないよねキミ)
昔映画祭のスタッフやった時の事思い出したよ。

浅野忠信の
佇まいだけで心をざわざわさせる役って最高に怖い。

金属加工の工場を営む利雄
妻の章江の信仰だけではなく、彼女自身にも無関心だ。
娘の蛍はかわいいが
妻が教会に連れて行くことにも食事の前の祈りにも何も言わない。
金銭的に困っているわけでもないし
人生も家族もこんなもんだろうと、考えることを避けているようだ。

ある日工場に八坂が現れる。
利雄の知り合いで刑務所に入っていたらしいことが解る会話の後
どう話が転がったのか
妻への相談もなく八坂が住み込みで働くことになる。
これがひとつ目の利雄への違和感。

利雄の意図が読めない言葉や行動は
観ているこちらに深読みをさせるのだが
章江までが八坂との距離感を踏み外して行き
悪いことが起きる予感がどんどん膨らんでゆく。

ひとつの不誠実が不幸を呼び込み
娘の蛍をも巻き込み
原因と結果の連鎖で身動きの取れなくなる利雄と章江。
生きてゆくことの理不尽が他人事なのに痛くなるほど目の前で展開する。

なんであんなことになっちゃったの?
考えても考えても誰の心情にも寄り添えなくて混乱したが
いい映画なんだよなぁ。

媒体でみて、気難しいのかと勝手に思っていた監督は骨まで映画好きのお喋りさんで
筒井真理子さんも実は映画オタという話が聞けて楽しかった。
「よこがお」も近々観に行きましょう。
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