盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

それゆけマヤ暦

2012-12-22 20:37:30 | にゃんころ

毎月22日はアニマルプラネットの「24 時間ずっとねこ」の日でございます。

アニマルプラネットといえば、シーシェパードから金をもらって捕鯨反対べたべたの番組を(しかも日本で身分を偽ったり盗撮して都合のよいカットばかり集めて)世界に流すヤクザ放送局で、それさえなければいい局なんですけどねえ。

で、「ずっとねこ」もいいんですけど、せっかく 12.22 を何事もなく迎えたんで、そっちの話を。

中国の中央日報が「なぜ日本人は 12.21 終末論で騒がないのか」と、相変わらず大きなお世話の記事を載せたようです。あんたら未開人といっしょにすんなよ。
と、いいたいところではあるものの、日本人もノストラダムスという「なかったことにしたい過去」がありますんでねえ。
いまだに細木とかいうペテン師が占い本売り上げ世界一のギネス記録を持ってる国ですし、こういう何の根拠もない流言飛語を信じる点ではよそのことを強くいえない国民なのですよ。

古くからいわれているように、日本人がクリスマスに騒ぎ初詣に行くのは、一神教ではないからです。
昔からお偉いさんによる一神教の押しつけは、ことごとく失敗しました。
土着信仰ってのは世界中にあるもので、ヨーロッパでも「妖精」「精霊」などの形で一神教とは異なる存在が現在まで残っているし、何教の信者であっても船乗りは赤道を越えるときに儀式を行います。
でもそれは「自分の信じているものとはちょいと違うところにいるもの」であり、あくまでメインは一神教なのです。
ところが日本にはもともとそういうものが希薄です。
為政者を神と崇めろといっても失敗したし、せいぜい天皇を神と崇める程度ですけど、それでも「天皇=神」だったときに仏教信仰や寺や仏像が消滅したり破壊されたりはしなかったでしょ。

そういえばエジプトの急進派の奴が「自分たちが政権をとったら、偶像の象徴であるピラミッドやスフィンクスを破壊する」といってましたね。
まずあんたがトカレフか手榴弾で自分を破壊しなされ。

まして太平洋戦争に敗戦後、マッカーサーをはじめ GHQ は「日本をキリスト教の国にしよう」としたら、一神教を何も信じない国になった。
いま日本で毎週日曜に教会に礼拝に行く人なんぞ 1% もいないだろうし、定着したのはクリスマス騒ぎだけですよ。
七面鳥なんぞ鶏肉専門店に頼んでもほとんど手に入らないでしょ。

キリストさんも、仏陀さんも、アラーさんも、みんなお隣さん。
大切なのは誰を信じるかではなく、何かを信じて大切に思うこと。
この「やおよろずの神様」がおわす国の、なんと懐の深いことか。なんと柔軟でありながら筋が通っていることか。

だから大部分の日本人は、無神教ではありません。「ひとつの神を妄信的に信じるほど愚かではない」のです。
唯一無二の存在としてではなく、八百万(≒無限)の中のひとつとして信じているのです。
固形便、じゃない誰だっけもう忘れたけど誰かの書いた「ノストラダムスの大予言」という本も、決してみんなが信じたわけではなく、単に本が売れてマスコミが煽って話題になっただけの話。
本の中味を真剣に信じた奴なんぞ、ほとんどいません。中味ではなく「その本」に騒いでいたのです。なんせ 1/8,000,000 ですからね。
実際、あの騒ぎのときも「聖地とかいわれる場所に集って最後の時を迎えようとした」日本人、ほとんどいなかったでしょ。

ましてマヤの暦が今年の 12.21 で終わっていようが、それは未来を知っている人たちの警告では決してなく、人類が「せーの」で滅びる事象なんぞでは絶対にありません。
何十億も棲息している生き物が一瞬で消滅するなんぞ、巨大隕石の落下くらいしかないし(たとえ世界中の核兵器をいちどに使っても、何千人かは確実に数ヶ月は生き延びる)、「特定の誰か」は死ぬかもしれないけれどそれは人類の終わりとイコールではないのです。

考えてみれば、マヤ文明を滅亡させたのはメキシコやスペインの連中でしょ。
アメリカ大陸の、特にキリスト教を信仰してる連中は、マヤに負い目があるんですよ。
心の奥底に負い目があるから、「マヤがいつか自分たちに復讐する」と勝手に信じ込むんです。
だから今回のような大騒ぎになった。単に暦の区切りだっただけでしょ。
カレンダーの終わりが世界の終わりだったら、新年を迎えるたびに新しいカレンダーを買ってるのはどうなんだよ。砂時計の砂が落ち切るのはどうなんだよ。時計のゼンマイや電池が切れるのはどうなんだよ。

ここ数年、年末年始といっても番組の予約が狂うのと店が休みになる、つまり不便しか感じなくなってしまいました。
御節や雑煮を作っても、食べてくれる人もいなくなりましたしね。
初詣をしたい場所も、いまははるか遠くにあるし。
寝正月どころか、特別に過ごそうとも思えない、ただ寒いだけの日々です。

でも今年は、餅だけは買ってこようかな。

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