(本頁は「男鹿寒風山の花図鑑(1)春」の続きです。)
この山では初夏に咲く花が意外に少なかった。
六月に咲く数少ない花はタニウツギ。
寒風山は草刈りや火入れで草原を維持しているので、草原内に樹木は少ないが、
タニウツギは例外のようだ。ここでは丈低く、草花のように見えた。
タニウツギ Weigela hortensis
2010/06/03
寒風山では真夏が近づくと、いろいろな花がワッと咲き出す。
ノハナショウブ Iris ensata var. spontanea
2009/08/24
(右上)カキラン Epipactis thunbergii
2009/08/24
夏の草刈りの際はヤマユリを上手く避けて刈っている。
そのおかげかこの山にはヤマユリがけっこう多く残っている。
ヤマユリ Lilium auratum
2009/08/24
(右上)カセンソウ Inula salicina var. asiatica
2009/08/24
カワラナデシコ Dianthus superbus var. longicalycinus
2009/08/24
キバナノマツバニンジンは 北米原産、アマ科の帰化植物で
ごく最近、秋田市内の造成地などでも見かけるようになった(例えばこちら)が、
寒風山ではけっこう早い時期(少なくとも20年以上前)から見い出されている。
大噴火口の芝地に群生しているが、ここはパラグライダー愛好家の多い場所。
彼らと何か関係があるのだろうか。
キバナノマツバニンジン Linum dedium var. medium
2008/09/01
(右上)ヒキヨモギ Siphonostegia chinensis
2017/08/20
ヒキヨモギはハマウツボ科の半寄生植物で一年草。
秋田県内では新しく作られた道路のり面などでときどき見かけるが、長続きせずすぐに消えてしまう。
常に見られるのは寒風山くらいだろうか。
個人的には、寒風山の真夏の代表花はオオナンバンギセルではないかと思っている。
ヒキヨモギ同様、ハマウツボ科だが、こちらは完全な寄生植物。
寒風山大火口の草原には昔から多い。
2009/08/24
オオナンバンギセル Aeginetia sinensis
2009/08/24
スズサイコは各地で絶滅危惧種として扱われているが、寒風山には多い。
ところがこの花の開いたものにはまだ出会ったことが無かった。
調べてみたところ、夜間に咲く性質だと知り、だとしたら当然かなとも思った。
スズサイコ Vincetoxicum pycnostelma
2007/08/25
(右上)ウツボグサ Prunella vulgaris subsp. asiatica
2009/08/24
この花は夏枯草(カゴソウ)とも呼ばれるように花の終わった後に立ち枯れる性質がある。
私が子供時代(50数年前)は平地の道端でも当たり前に見かけたものだが、
近頃は帰化植物に押されてしまったのか、滅多に見かけなくなった。
山あいでも自然度の高いところに限られているような気がする。
コマツナギ Indigofera pseudotinctoria
2017/08/20
コマツナギは草のように見えるが、実は低木。和名は「駒繋ぎ」の意味、茎が丈夫で、
馬をつなぎとめることができることから名付けられたと言われる。
クサフジ Vicia cracca
2017/08/20
(右上)ツルフジバカマ Vicia amoena
2017/08/20
「(3)晩夏~秋」へ続く。
寒風山は秋田の男鹿半島にある小さなお山。
標高は355mと低いが、立派な火山である。
山頂まで観光道路が走り、登山の対象にはならないが、
とても眺めがよく、ピクニック客やハングライダーで訪れる人も多い。
山の大部分はススキやシバの草原に覆われている。
これは草刈りや火入れで維持されている半自然草原だが、
日本海側地方では珍しく、草原性植物の宝庫になっている。
代表として、アズマギクの群生。
2010/05/19 寒風山中腹のアズマギク群生。
掲載順はおおむね、開花が早いものからとした。
植物名の同定にあたっては、既存の野生植物関係の図鑑以外に、
手持ちの古書、工藤茂美・著、「男鹿半島の花」(加賀谷書店)(絶版)、
並びに岐阜大学津田研究室ホームページ(現在、寒風山の植物目録の頁は削除されてしまった)
などを参考にさせて頂いた。
何か間違い等にお気づきの方はご指摘頂きたい。
寒風山は低山だが、
(男鹿三山と較べると)春の訪れは遅く、四月はまだ枯れ野原
(男鹿三山ではフキジュソウ、カタクリなどスプリングエフェメラルが多いが寒風山には無い)。
しかし五月連休明け以降は、急速に花数が多くなる。
アズマギク Erigeron thunbergii
2020/05/08
寒風山はアズマギクの群生に関しては、秋田では最大規模と思われる。
オキナグサは50年前頃までは県内各地で割と普通に見られたが、最近はめっきり減ってしまった。
理由は草地の減少と盗掘だろうか。
オキナグサ Pulsatilla cernua
2010/05/19
(上右)ニオイタチツボスミレ Viola obtusa
2020/05/08
花は1.5センチ程度と小さいが、色鮮やかなので割と目立つ。
良い香りがすると言われるが、鼻の鈍い私にはわからない。
スミレ Viola mandshurica
2013/05/21
工藤茂美氏の著作では、スミレ類は珍しいヒゴスミレが、更にスズランも紹介されているが、
私は見たことが無い。
津田氏のホームページにも無いことから、両種とも絶滅してしまったものと思われる。
キジムシロ Potentilla fragarioides var. major
2023/04/23
よく似たミツバツチグリも有ると思うが、自信の有る写真の手持ちが無かった。
以降の課題とさせて頂く。
フデリンドウ Gentiana zollingeri
2010/05/19
(上右)ヒメイズイ Polygonatum humile
2014/05/23
一見、スズランに似ているが、こちらはアマドコロ属(科はキジカクシ科で同じ)。
ヒメハギ Polygala japonica
2014/05/23
山麓の方に下りていくと・・・。
ウマノアシガタ(キンポウゲ)
Ranunculus japonicus
2014/05/23
(上右)ホタルカズラ
Lithospermum zollingeri
2014/05/23
オドリコソウは男鹿では海岸近くの斜面に広く分布しているが、寒風山では山麓の一部に群生していた。
オドリコソウ Lamium album var. barbatum
2014/05/23
オドリコソウ Lamium album var. barbatum
2010/05/19
(上右)センダイハギ Thermopsis lupinoides
2014/05/23
道路のり面の限られた場所に咲いていた。自生なのか植栽なのか不明。
サワオグルマは山麓の休耕田や畔で多く見かけた。
サワオグルマ Senecio pierotii
2014/05/23
コウゾリナ Picris hieracioides subsp. japonica
2014/05/23
(上右)スイバ Rumex acetosa
2014/05/23
「(2)夏」へ続く。
今回も図鑑を作ってしまってから、目次や索引にあたる頁を作成した。
出来れば、掲載頁の花の写真にストレートに飛ぶようリンクを貼りたかったのだが、
「鳥海山の花図鑑」と同様、そのやり方がわからない。
よって本頁でも、掲載した頁のタイトルだけを植物名の右側に記すことにした。
なおリンクが貼られた掲載頁は、
本頁下段の『「男鹿の花図鑑」カテゴリの最新記事』に並んでいるので、面倒でもそちらからお入り頂きたい。
斯様にしょうもない目次、索引だが、自身にとっては無いよりはマシかなと思う。
皆様も必要に応じてご活用頂けたら幸いである。
なお植物名は五十音順に並べている。
2016/09/20 東側(なまはげ大橋)から見た安全寺棚田と男鹿三山。
左奥の平らな山が毛無山(617m)、その右、一番高いのが本山(715.0m)、真ん中辺が真山(565m)。
植物名 掲載頁
アオイスミレ・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
アオヤギソウ・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
アキタブキ・・・・・・・・・・・・・・(2)早春編
アキノキリンソウ・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
アズマイチゲ・・・・・・・・・・・・・(2)早春編
アラゲヒョウタンボク・・・・・・・・・(3)陽春編
イチヤクソウ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
イチヨウラン・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
イヌドウナ・・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
イブキジャコウソウ・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ウゴツクバネウツギ・・・・・・・・・・(5)初夏編
ウツボグサ・・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ウメガサソウ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ウラシマソウ・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
エゾアジサイ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
エゾエンゴサク・・・・・・・・・・・・(2)早春編
エゾカワラナデシコ・・・・・・・・・・(6)盛夏編
エゾフユノハナワラビ・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
エビネ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
エンレイソウ・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
オオウバユリ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
オオカメノキ・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
オオサクラソウ・・・・・・・・・・・・(1)はじめに (4)晩春編
オオタチツボスミレ・・・・・・・・・・(4)晩春編
オオムラサキシキブ・・・・・・・・・・(6)盛夏編
オオヤマサギソウ・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
オガアザミ・・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
オカトラノオ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
オクエゾサイシン・・・・・・・・・・・(4)晩春編
オクトリカブト・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
オトコエシ・・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
オドリコソウ・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
オヤマボクチ・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
カタクリ・・・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
ガマズミ・・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
キオン・・・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
キクザキイチゲ・・・・・・・・・・・・(2)早春編 (4)晩春編
キクバオウレン・・・・・・・・・・・・(2)早春編
キタマムシグサ・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
キツネノカミソリ・・・・・・・・・・・(2)早春編 (7)晩夏&初秋編
キバナイカリソウ・・・・・・・・・・・(4)晩春編
キバナカワラマツバ・・・・・・・・・・(6)盛夏編
キバナノアマナ・・・・・・・・・・・・(2)早春編
キブシ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
ギョウジャニンニク・・・・・・・・・・(2)早春編 (5)初夏編
キリンソウ・・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
キンラン・・・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
ギンリョウソウ・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)・・・(7)晩夏&初秋編
クガイソウ・・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
クモキリソウ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
クルマバソウ・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
クルマユリ・・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
コイチヨウラン・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
コキンバイ・・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
コケイラン・・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
コバノフユイチコ(マルバフユイチゴ)・・(5)初夏編 (7)晩夏&初秋編
ゴマナ・・・・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
コマユミ・・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
サイハイラン・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
サラシナショウマ・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
サルトリイバラ・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
サワギク(ボロギク)・・・・・・・・・・(6)盛夏編
サワハコベ・・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
ジガバチソウ・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
シャク・・・・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
シュロソウ・・・・・・・・・・・・・・(2)早春編
シラネアオイ・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
シラヤマギク・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
スズムシソウ・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
スミレサイシン・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
ソウシシヨウニンジン(相思子様人参)・・・(7)晩夏&初秋編
ソバナ・・・・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
ダイコンソウ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ダイモンジソウ・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
タチツボスミレ・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
タマブキ・・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
タムラソウ(タマボウキ)・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
チゴユリ・・・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
チヂミザサ・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
チョウセンキバナアツモリソウ・・・・・(1)はじめに
ツリガネニンジン・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
ツルシキミ・・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編 (8)秋の残り花と草木の実
ツルリンドウ・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
デワノタツナミソウ・・・・・・・・・・(1)はじめに (5)初夏編 (8)秋の残り花と草木の実
トウゴクサイシン・・・・・・・・・・・(4)晩春編
トガヒゴタイ・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
トケンラン・・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編 (8)秋の残り花と草木の実
トチバニンジン(チクセツニンジン)・・・(7)晩夏&初秋編
トリアシショウマ・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ナガハシスミレ(テングスミレ)・・・・・(3)陽春編
ナツトウダイ・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
ナニワズ・・・・・・・・・・・・・・・(2)早春編
ナンバンハコベ・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
ニシキゴロモ・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
ニリンソウ・・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
ノコンギク・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
ハクサンハタザオ・・・・・・・・・・・(4)晩春編
ヒメアオキ・・・・・・・・・・・・・・(2)早春編
ヒメイチゲ・・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
ヒメニラ・・・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
ヒメモチ・・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
ヒヨドリジョウゴ・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編 (8)秋の残り花と草木の実
フクジュソウ・・・・・・・・・・・・・(1)はじめに (2)早春編
フッキソウ・・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
フデリンドウ・・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
ベニチャワンタケ・・・・・・・・・・・(2)早春編
ホウチャクソウ・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
ホタルサイコ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ホタルブクロ・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ミズナラ・・・・・・・・・・・・・・・(1)はじめに
ミズヒキ・・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
ミチノクエンゴサク・・・・・・・・・・(2)早春編
ミヤマウズラ・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
ミヤマカタバミ・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
ミヤマガマズミ・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
ミヤマカラマツ・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
ミヤマキケマン・・・・・・・・・・・・(3)陽春編
ミヤマスミレ・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
ミヤマセンキュウ・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
ミヤマナルコユリ・・・・・・・・・・・(5)初夏編
ムラサキシキブ・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
ムラサキヤシオ・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
モミジガサ・・・・・・・・・・・・・・(7)晩夏&初秋編
ヤマジノホトトギス・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ヤマシャクヤク・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
ヤマツツジ・・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
ヤマハッカ・・・・・・・・・・・・・・(8)秋の残り花と草木の実
ヤマブキショウマ・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ヤマユリ・・・・・・・・・・・・・・・(6)盛夏編
ユキザサ・・・・・・・・・・・・・・・(5)初夏編
ラショウモンカズラ・・・・・・・・・・(4)晩春編
ルイヨウショウマ・・・・・・・・・・・(4)晩春編 (8)秋の残り花と草木の実
ルイヨウボタン・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
ワサビ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)晩春編
以上、135種(変種、品種も含む)。
(ちょっと間が開きましたが、本頁は「男鹿三山の花図鑑(7)晩夏&初秋編」の続きです。)
十月になっても男鹿の山にはまだ花が咲き残っている。
他の高山では紅葉が始まり、咲き残りは有ってもかすかにリンドウ類(エゾオヤマリンドウ)が有る程度だが、
男鹿ではそれが見当たらない。代わりにトリカブトが目につき、他にも残り花が多かった。
オクトリカブト Aconitum japonicum ssp. subcuneatum
トリカブト類は他の山では沢筋など湿り気のある場所に見かけるが、
男鹿三山では山麓から山頂部まで全山にわたって生育しているようだ。理由はよく分らない。
2019/10/02
2019/10/02
林の中を走る縦走路でよく見かける花たちを。
ツルリンドウ Tripterospermum japonicum
チヂミザサ Oplismenus undulatifolius
2020/10/11 ツルリンドウの実 2019/10/02 チヂミザサ
ミズヒキ Persicaria filiformis
タマブキ Parasenecio farfarifolius var. bulbifer
2019/10/02 ミズヒキ 2019/10/02タマブキ
キオン Senecio nemorensis
山頂部の草地で見られる。通常、真夏から咲くが、下写真の個体は咲く前に刈り払いされ、
その後、脇芽が伸びて秋遅くに咲いたもの。
アキノキリンソウ Solidago virgaurea var. asiatica
2019/11/10 キオン 2019/10/02 アキノキリンソウとノコンギク
ノコンギク Aster microcephalus var. ovatus
2020/10/11
オヤマボクチ Synurus pungens
ヤマハッカ Rabdosia inflexa
2019/10/02 オヤマボクチ 2019/10/02 ヤマハッカ
秋も深まると、木の実が多くなって来た。
ガマズミ Viburnum dilatatum
2019/10/02
ミヤマガマズミ Viburnum wrightii
2019/10/02
コマユミ Euonymus alatus form ciliatodentatus
ムラサキシキブ Callicarpa japonica
男鹿には他にオオムラサキシキブも有るが、右下写真はただのムラサキシキブと思われる。
2020/10/11 コマユミ 2019/11/10 ムラサキシキブ
サルトリイバラ Smilax china
2019/11/10
ツルシキミ Skimmia japonica var. intermedia f. repens
実姿は次のヒメモチ(ミカン科)によく似るが、茎が這い性であること、実が枝先に付く点などで識別する。
ヒメモチ Ilex leucoclada
2020/11/15 ツルシキミ(実) 2019/11/10 ヒメモチ(実)
草の実も。
キタマムシグサ Arisaema peninsulae subsp. boreale だろうか。
初夏の仏炎苞や茎の模様には思わずドキリとしてしまうが、実もそれ以上にショッキングな存在だ。
ルイヨウショウマ Actaea asiatica
キンポウゲ科。実は黒いが、柄が赤味を帯びているので割とよく目立つ。
開花時の姿は「(3)陽春編」を参考にされたし。
2020/10/11 キタマムシグサ?の実 2020/09/23 ルイヨウショウマの実
ヒヨドリジョウゴ Solanum lyratum の実姿。
2019/11/10
男鹿の紅葉は?
2019/11/10 男鹿三山の紅葉
男鹿三山は海岸に近いため、紅葉はあまり綺麗ではないと言われているが、
海の影響が少ない東斜面には紅葉が綺麗なポイントが有った。
2020/11/15 落葉後のブナ林
最後の残り花。
2020/11/15 デワノタツナミソウ 2019/12/22 トケンランの芽出し
晩秋や初冬の林を歩くと、トケンランやサイハイランの芽出しや葉っぱに遭遇する。
これらのランは初夏の開花時には葉が枯れているものが多い。
いつの間に栄養を蓄えているか。
これらのランは晩秋から早春の林床が明るい期間に葉を広げ、光合成を行ない、
栄養を蓄える戦略をとっているようだ。
以上。
(本頁は「男鹿三山の花図鑑(6)盛夏編」の続きです。)
秋めいてくると男鹿三山では新たな花が次々と咲き出す。
その中には男鹿の固有種も幾つか混じっている。他の低山に較べると、男鹿は花の種類も量も多いなと感じる。
キツネノカミソリ Lycoris sanguinea
早春に出たカミソリのような葉は夏の間に枯れており、何も無いところからニュッと花茎を伸ばし、開花する。
五社堂の下や海岸林に多い。
2019/08/24 五社堂下のキツネノカミソリ群生
2020/08/10 キツネノカミソリ 2019/08/24 ツリガネニンジン
ツリガネニンジン Adenophora triphylla var. japonica
寒風山には多いが、男鹿三山には少ない。ただし五社堂上ではソバナと同じ場所で咲いている。
ソバナ Adenophora remotiflora
ツリガネニンジンに似るが、茎葉は常に互生。男鹿では森林内で見かける。
2019/08/24
オトコエシ Patrinia villosa
毛無山の登山道沿いにはオトコエシが多いが、オミナエシは見かけない。
なおオミナエシは寒風山に多く、男鹿三山では東斜面に少し有る程度。
2019/08/24
ミヤマセンキュウ Conioselinum filicinum
秋めいて来ると多く見かけるセリ科。丈は1m前後。
モミジガサ Parasenecio delphiniifolius
シドケの名で山菜として利用される。ただし同じ場所にトリカブトも多いので、採取時は注意されたし。
2019/09/04 ミヤマセンキュウ 2019/08/24 モミジガサ
ヒヨドリジョウゴ Solanum lyratum
ナス科、つる性の多年草。葉は卵形で下部に付いたものは基部が著しくくびれる。
2019/08/24
地味なラン科二種。
ミヤマウズラ Goodyera schlechtendaliana
コイチヨウラン Ephippianthus schmidtii
山頂近くの遊歩道沿いに多い。7月下旬頃から咲き出し、初秋まで長期間見られる。
2019/08/24 ミヤマウズラ 2019/08/02 コイチヨウラン
コバノフユイチコ(マルバフユイチゴ) Rubus pectinellus
ご覧の通り、冬ではなく晩夏に結実する。
2019/08/24
トチバニンジン(チクセツニンジン) Panax japonicus
初夏に咲く花は極めて地味なのでつい見過ごしてしまうが、花後に花茎を伸ばし、先に赤い実をつける。
これは暗い林の中でもよく目立つ。薬用植物として有名なチョウセンニンジン(オタネニンジン)と同属。
なおトチバニンジンにも薬効が有ると聞く。
2019/09/04
トチバニンジンの実の一部が黒くなるタイプを
「ソウシシヨウニンジン(相思子様人参) 」と呼ぶと友人から教えられる。
なんとも味わい深い呼び名だ。男鹿で見たものはほとんどがこのタイプだった。
秋はキク科の草花ばかり。特に五社堂の上の坂道には量が多い。
シラヤマギク Aster scaber
ゴマナ Aster glehnii
2019/09/04 シラヤマギク 2018/09/15 ゴマナ
タムラソウ(タマボウキ) Serratula coronata subsp. insularis
草原性の植物。男鹿では寒風山にも有るが、男鹿三山では五社堂上の坂道で多く見かける。
花はアザミに似るが、別属で葉には棘が無い。
トガヒゴタイ Saussurea muramatsui
男鹿で発見された花の一つだが、青森、秋田、山形の低山に広く分布している。
丈は20センチ位から1メートル超と幅が有る。花は地味な色合いなので見逃されやすい。
2018/09/15 タムラソウ 2019/10/02 トガヒゴタイ
イヌドウナ Parasenecio aidzuensis
2020/09/23
秋には男鹿の固有種が咲き出す。
オガアザミ Cirsium horiianum
葉は特徴的だが、花は小さくて冴えない。中腹より上に多い。
なお男鹿には固有のアザミが他にもう二種ある。
アシノクラアザミ Cirsium ashinokuraense、トガアザミ Cirsium togaense だが、私はまだ見ていない。
2019/09/04 オガアザミ
キク科以外の草花。
サラシナショウマ Cimicifuga simplex
2018/09/15
ナンバンハコベ Cucubalus baccifer var. japonicus
ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ) Monotropa uniflora
初夏に咲くギンリョウソウによく似るが、果実は朔果(乾燥すると裂けて種子を飛ばすタイプの果実)。
ギンリョウソウの実は液質で裂けない。
ナンバンハコベ 2018/09/15 ギンリョウソウモドキ 2018/09/15
ダイモンジソウ Saxifraga fortunei var. incisolobata
山頂部の斜面に比較的多い。
エゾフユノハナワラビ Botrychium multifidum var. robustum
冬緑性のシダ植物。ハナワラビとは、夏の終わりに出る胞子葉に黄色い胞子嚢が付き、
これが花のように見えることから付いた名前。山頂部の道端に多い。
2018/09/15 ダイモンジソウ 2019/10/02 エゾフユノハナワラビ
次は「(8)秋の残り花と草木の実」。