拙ブログの『my花の絶景』カテゴリーで取り上げる花風景は、人が植えたもの(桜や桃、藤)や
野草ながらもその維持には多少なりとも人手かかったもの(カタクリの群生など)が続いている。
自然の花風景で絶景はないものか。
個人的には、夏場は山歩きばかりしているので、
あちこちの山で美しい自然の花風景を見ているのだが、絶景と感じることはあまり多くなかった。
それは個々の花や花の小さな集まりをクローズアップで見ているせいだろう。
それらの花風景は既にそれぞれの山の登山記録でほぼリアルタイムに報告している。
しかし今回は集団としての花風景、そして絶景という観点から再構成してみようと思う。
最初に取り上げるのは鳥海山。
このお山は私の住んでいるところ(秋田市)から比較的近場にあり、毎年、数回訪ねている。
高山のお花畑は山の各所に分散してあるが、
個人的には西側にある長坂道稜線、標高1600~1750m付近が一番みごとではないかと思っている。
初夏(六月)に訪ねると、途中には残雪がいっぱいで、雪渓歩きを余儀なくされるが、
この稜線に辿り着くと雪は融けて無くなっている。
稜線は強風で吹き飛ばされるので元々積雪量が少ない。そのため、雪消えが早く、地面が早く現れるのだろう。
この場所は白い小花、ハクサンイチゲでびっしりと覆われていた。
2020年6月24日に見た開花シーンを羅列する。
バックは鳥海山本体。
バックは鍋森。
バックは笙ヶ岳。
鳥海山のハクサンイチゲお花畑が素晴らしいのは、群生の規模もさることながら、
雪を抱いた山をバックに咲き乱れている点だろうか。
バックは鳥の海(鳥海湖)。
御浜付近にて。バックは鳥の海(鳥海湖)と鍋森。
クローズアップで。
開花は雪解け直後と早く、年によっては五月末から咲き出すこともあるが、最盛期は六月だろう。
また雪消えの遅い斜面では七月にも咲いている。
なお群生地では一旦、咲き終わった後、散発的に八月から十月まで咲く個体もあるので、
二度咲きすると言う人も居る。
早く咲いた年のシーンを少し。
撮影は2015年5月30日。
絶景と言うほどの花風景ではないかもしれないが、
クローズアップで花を見ると、咲き出したばかりの花は初々しく可愛いらしい。
今年(2022年)の初夏は6月22日に訪ねている。
例年に較べると、花のボリュームがやや少ないように感じた。
2022年6月22日の状況。
場所によっては、ミヤマキンバイも混じっていた。
2022年6月22日
今年は約半月後の7月8日に同じ場所を訪ねている。
そして驚いた。
2022年7月8日
こちらの詳細は、続編「鳥海山で見た花の海(2)ニッコウキスゲ編」で報告しようと思う。
以上。
(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしてアップ。その後、内容を少し改め、再アップしたものである。)
今年は5月下旬以降、ほぼ半月ごとのペースで、この高原を訪ねているが、今回(7月2日)で早くも四度目となった。
前回(こちら)はスズランの花を目当てに訪ねたのだが、思いがけずレンゲツツジの派手な色彩に圧倒されてしまった。
今回はどんな花風景が待っているのやら。
今回、この高原でやたらと目に付いたのは、アイリスの花。
丈は30~40センチ程度と低く、花も小ぶりである。
一般的な青紫の他に白もあった。
このアイリス、(-_-;)お恥ずかしい話だが、青紫の方はノハナショウブだと私は思っていた。
そうなったわけは、高原のレストハウスにあった小さなパンフレット。
植物にとても詳しいパンフで、初っ端にノハナショウブが載っていた。
図鑑等で確かめたら、ノハナショウブではないとすぐ気付くはずなのに、
何故かそれを信じたまま、当時の拙ホームページBBSでオープンにしてしまった。
あとで友人達から、青紫はアヤメ Iris sanguinea 、
白はシロアヤメ Iris sanguinea f. albiflora ではないかとの指摘があった。
それにしても、みごとな群生だ。
手前のケブケブはオキナグサの実。
オキナグサが生えるような乾燥した場所なのに、アヤメがよく生えるもんだと感心してしまったが、
後で調べたら、アヤメは元々そういう場所を好む植物だと知る。
もしかしたら(^o^;)ワタシだけかもしれないが、「アヤメ=水辺」という思い込みがある。
ところが、日本に野生しているアヤメ科で、水辺(or水中)に生えるのは、
カキツバタ、キショウブ(北米原産)、ヒオウギアヤメの三種類くらいだ。
ハナショウブの原種にあたるノハナショウブは湿地にも生えるが、土手の上や道端、山の斜面など乾いた場所にも進出している。
アヤメは今まで野生を見たことが無いのでわからなかったが、手持ち書籍ではけっこう乾いた場所にも生えるとある。
外来のアヤメ科、中でもジャーマンアイリスに至っては、およそ水とは縁のない地面、畑で栽培しているではないか。
なのに何故、「アヤメ=水辺」と思い込むようになったのか。
これは全国各所にあるアヤメ園、厳密にはハナショウブ園の演出のせいだ。
ハナショウブもふだんは畑と同じような乾いた場所で栽培しているが、
花の季節になると、わざわざ水を引き入れて、さも水中で咲いてるように演出している。
何故そうするのか、理由はよくわからない。
日本人はすべからく「アヤメ=水辺」信徒なのだろうか。
新手のケブケブが見つかった。
こちらはたぶんミネヤナギ(ミヤマヤナギ)のケブケブ。
今回、この高原で驚いたのは、アヤメだけではない。
アヤメの隣にポツポツ咲いていたマゼンタは・・・
高原に咲くこの手のバラはタカネバラやオオタカネバラくらいかなと思っていたが、
この高原ではなんとハマナス Rosa rugosa だった。
海岸植物のハマナスがこんな内陸で、しかも標高1000m近い高原に生えているのは何故だろう。
一説では・・・
その昔、早坂高原は「塩の道」になっており、塩をベコ(牛)に載せて三陸海岸から内陸に運んでいた。
海岸でハマナスの実を食べたベコが高原でうんこした際、ハマナスの種子が高原にまき散らされ、
それが増え広がったのではないかとされている。
渋い色合いのヤマオダマキもいっぱい咲いていた。厳密にはオオヤマオダマキのようだ。
オオヤマオダマキとアヤメ 花色の淡い品種も有った。
これで前半は終了。
今回(7月2日)、早坂高原ではアヤメの群生に圧倒された。
核心エリアの撮影を終えた後、もう少し廻ってみようと欲を出して、ふだんは行かない周辺部も訪ねてみた。
そこで見たものは・・・
えー`((:((:(:(:(llllll´π`;llllll)ーーーーっ!!なんじゃ。こりは!!
と驚かざるを得ないほどのアヤメの大群生だった。
このように単色の絨毯のようになる花風景は、自然半自然では、カタクリのマゼンタ(例えばこちら参照)、
ヒガンバナの緋紅などが有名だが、青~紫系は北海道のエゾエンゴサクくらいしか思いつかない。
海外なら、以前、友人のlapisさんからご紹介頂いたイングリッシュ・ブルーベルの大群生(こちら)があるが、
今回のアヤメ群生は、それらに匹敵する素晴らしい青~紫系の花絨毯であると私は認識した。
高原のレストハウスに置いてあった小さなパンフに、アヤメのことは一切触れられてはいなかった。
ネットで検索したところ、この高原のアヤメについて触れたブログが二編ほど引っかかったが、
いずれも冒頭のアヤメ群生であり、こちらの大群生ではなかった。
何か理由があって、この大群生の存在は伏せられているのだろうか。
もしそうだとしたら、私は余計なことをしてしまったことになる。
この頁を見てしまった皆様もどうか他言なさらぬようご協力をお願いする。
核心エリアの北の方には、牧野が広がっている。
牧野の番人のような立派な木はシナノキだろうか。
そういえば、この近くには岩手県でも最大と目されるシナノキがあったのだ。↓
牧野の周辺にも花は多い。
セイヨウミヤコグサ
これはたぶん牧草からのエスケープと思われる。他に見たのは・・・
オオダイコンソウ ネバリノギラン
ネバリノギランは亜高山帯以上の草原や湿原でよく見かける。
マルバシモツケも亜高山帯以上でよく見かける低木。
マルバシモツケの花色は白が一般的だが、ときどきピンクも見かける。
(´π`♪ハイジや幼い頃のローラ(大草原の小さな家)が駆け回ってるようなお花畑が続く。
この高原、次はどんな花風景を見せてくれるのだろう。
以上。
(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。今日はこれから山行きなので、皆様のブログ訪問は出来ません。)
5月24日は家内からのリクエストもあり、最近話題になっている大館市の十ノ瀬・藤の郷を訪ねてみた。
満開になったということもあり、平日なのに凄い人出だった。
場所や行き方などはこちら頁を参照されたし。また路駐にあたっては、誘導員の指示に従うこと。
園の入り口の看板
看板から入ると・・・
人を入れないように撮影するは至難の業だった。
パッと見、枝垂桜かと思った。ピンク色の藤は珍しい。
一応、家内を連れて行った証拠ということで・・・
右下の黄色いのは藤とは別種のキングサリ(ヨーロッパ原産) 。
地場マスメディアも取材に来ていた。
藤の花シャワーの中に入ってみた。
今日は十分、藤の花を堪能した。
以上。
(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)
5月9日は近頃、秋田で話題になっている花スポットに行って来た。
私の花見は桜よりもカタクリなどスプリングエフェメラルの花見が多いので、
下ばかり見て歩いているが、今日は水平方向、乃至は少し上向きの花見だった。
と言っても桜は既に終わっており、今回は桃の花見。
2009/05/09 手這坂の源平桃
この桃は一本の木なのに、三色の花が咲いていた。
このような桃は源平桃と言うそうだ。
2009/05/09 手這坂の源平桃
この木は初め木瓜かなと思ったが、こんな濃い赤の桃もあると知り、驚いた。
こちらはふつうの桃色だが、枝垂れて咲く品種。
枝垂れ桃花のアップ。
「この週末は桃が見ごろになります」と数日前から、地場のマスメディアが宣伝したせいか
今回は凄い人出だった(入口の駐車場はパンク状態で路駐やむなし)。
なので、写したくても写せない場面が幾つか有った(撮影で人払い出来るほど偉くない)。
今日行った場所は秋田県の北部、八峰町にある手這坂(てはいざか)。
世界自然遺産のひとつ、白神山地の秋田県側山麓にある集落だ。
1807年、紀行家・菅江真澄がこの地を訪れ、桃源郷と称えたとされる。
ただし現在は無人で茅葺民家の荒廃も進んでいるため、
峰浜村(現・八峰町)でボランティアを募って、菅江真澄ゆかりの萱葺き民家群を修復し、
山村型のグリーンツーリズムなど村おこしに結び付けた保存と活用策を検討しているとのこと。
なおこの場所には4月16日にも行っている。
その日、桃の花はまだ咲いておらず、人は誰も居なかった。
2009/04/16 無人の茅葺民家
2009/05/09 手這坂民家と家人
ラストは近くにある白神山地の遠望 。
左の白いのが白神岳(1235m)、その右が向白神岳(1250m)。
以上。
(本頁は「国花苑でお花見メレンゲ♪1」の続きです。)
5月1日、国花苑にまた行った。今回は家内は連れず、私単独での花見だ。
今回のミッションは緑の桜、御衣黄の花を見ること、そしてもうひとつは名札で他の品種名を確認すること。
この連休前半はあいにく天気の具合が悪く、晴れるのは一日午前中だけとの予報だったので、朝6時前に出発した。
さいわいにも国花苑に居る間は日の光にも恵まれ、所期の目的も果たすことが出来た。
まずは緑桜の「御衣黄(ぎょいこう)」。
御衣黄(ぎょいこう)
葉っぱへの擬態?がみごとなので、注意して歩かないと、
「 (´π`;)なんだ。葉桜じゃないか。」と見過ごしてしまうほどだった。
次いで前回、名札の確認が出来ず、あやふやだった桜たちのおさらい。
関山と書いて「かんざん」。
大きなピンクの八重花と赤味のある葉は力強い印象だった。桜の塩漬けに使われると聞く。
手前は関山(かんざん)、奥は楊貴妃。
今日の楊貴妃は終盤モードだった。
八重紅枝垂。花は小さく、八重とは気づかなかった。また花色も紅色というわけでもなかった。
一葉(いちよう)
普賢象(ふげんぞう)
松月(しょうげつ)
今回、とても魅力的だったのは松月(しょうげつ)だった。
松月(しょうげつ)
松月(しょうげつ)
衣笠(きぬがさ)
蘭々(らんらん)
手毬(てまり)
気多(けた)の白菊桜
気多(けた)の白菊桜の解説
前回サプライズだった鬱金(うこん)は
鬱金(うこん)
鬱金(うこん)
鬱金(うこん)
今回、黄色味が薄れ、普通の白八重桜のように見える木も有った。
桜の花色は日がたつと変化するものと知る。
・・・と書いたが、5月3日、facebook上のやり取りで、関西の友人から鬱金(うこん)桜に関して、もっと凄い色の変化を教えてもらった。
それは「黄色 ⇒ 白」なんてものじゃない。濃いピンクへの変化だった。
それは花の芯から始まり、徐々に花弁全体に波及して行く。国花苑の鬱金(うこん)桜もそうなのか、それはわからない。
可能ならば、また訪ねて確認してみたい。
今年は好い花見をさせてもらった。
国花苑よ。ありがとう。
第三部、「鬱金(うこん)と御衣黄(ぎょいこう)」に続く。