モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

初秋の野草探し/2013年鳥海山麓編

2023年09月19日 | 野草/夏・秋

2013年9月10,13日は鳥海山の北山麓を車で彷徨っている。
両日ともに鳥海山は雲を被って見えなかった。
10日、最初に訪ねたのは、標高約900mのブナ林。
道端の水が浸み出して湿った場所に、背の高いサラシナショウマやセリ科が咲いていた。

 



その根元にくすんだピンク色のでかい花を見つけた。

 



オニシオガマだった。大きなものでは背丈が1mを超えることもあり、

シオガマギクの仲間としては国内で最大。
こんなでかい植物が半寄生植物とはにわかに信じ難い。

近くでトリカブトの花を見つけた。




標高は約200mに低下。
杉林の中を走る道路端で、アケボノソウを見つけた。

 






以前(たしか5,6年前)、このあたりの杉林の下一面はアケボノソウに埋まっていた。

それまで杉林のような暗い場所にも咲く花だとは思ってなかったので、この時は驚いたものだが、
今回は道路端に少数の株が残っているだけだった。

次はゲンノショウコ。




秋田ではゲンノショウコの花色は白ばかりだが、今回、一株だけ、ピンク色の花を見つけた。

この杉林、湿り気が多いせいか、あちこちでツリフネソウが群生していた。








13日は丘陵地帯の杉林でキバナアキギリを見つけた。




この花、暗い林にもよく咲くが、公共花壇でよく使われる真っ赤なサルビアと同属とはちょっと意外だ。
個人的には気に入っており、紫や白の花を咲かせる品種をわざわざ取り寄せて咲かせている。

 



この日はシソ科ばかりだ。次はタイリンヤマハッカと思われる。




別場所、標高500mくらいの道端で紫色のシソ科植物を見つけた。







このシソ科は何だろう。手持ちの図鑑を繰ったが見つからなかった。

カワミドリに似ているが、花色が濃いように感じる。
道端の限られた場所に群生しており、他地域では見かけない。
もしかしたらカワミドリ属の洋種が人為的に持ち込まれたものかもしれない。
お分かりの方は教えて頂きたい。

最後にメハジキ。
この花、秋田では県北地方(北秋田市や鹿角市)でときどき出会うが、
県南で見るのは今回が初めてだった。
新しく出来上がった山間の道路の法面一帯がこの花で覆われていた。




 


ただしよく咲いていたのはこの年くらいだった。

二、三年後に訪ねたら、ほとんど消失、2022年は壊滅していた。

 
                                            オオブタクサ


2016年、森吉山ダムの道路法面で見たもの(こちら)と同じような感じで
跡地はオオブタクサやヨモギに置き換わっていた。
この植物の一時的な繁茂は道路工事と何か関係があるのだろうか。


以上。

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初秋の野草探し/2016年・森吉太平山麓編

2023年09月17日 | 野草/夏・秋

夏の間、低山では、花は皆無に近くなるが、
秋めいてくると幾つかの種類が咲き出して来る。
2016年9月5日はそれを探して森吉山の麓を彷徨っている。

打当集落から見た森吉山



道路端でトリカブトの大株に出会った。
たぶんオクトリカブトだと思う。







     


秋の風物詩、ツリフネソウ。

通常、ツリフネソウの花色は紅色(マゼンタ?)だ。
ときおりピンクや白っぽい株を見かけるが、
森吉山の周辺では何故か白っぽい色の品種が多かった。

ツリフネソウの白花タイプ  
 


2012年に完成した森吉山ダムの方にも廻ってみた。
するとダム手前の道路法面にシソ科の花がいっぱい咲き出していた。

ヒキオコシ
   



メハジキ
 


ヒキオコシは県北部の山あいなどでよく見かけていたが、
メハジキは珍しい。秋田ではずっと見なかったが、最近、道路の法面などにときどき見かけるようになった。
パイオニア植物なのか、初めはクワモドキ(オオブタクサ)などけしからん帰化植物と覇を競っているが、
数年で敗退、消滅するようだ。
コシオガマ (ハマウツボ科)も有った。この植物も秋田では見かけることが少なくなった。

コシオガマ



実はこの法面、2023年8月下旬にも再訪しているが、メハジキなどシソ花は皆無になっていた。
他の強壮な多年草(オオハンゴンソウやヨモギなど)やつる草に覆われてしまい、消滅してしまったようだ。


この二日後、9月5日は太平山南麓の鵜養(うやしない)、伏伸(ふのし)滝を訪ねてみた。




この付近ではツリフネソウ、




 
キバナアキギリ


キバナアキギリの他にシソ科の大形植物を見た。







このシソ科、亀さんのような葉の形から、
当初カメバヒキオコシかと思ったが、後で識者から
タイリンヤマハッカだとご指摘いただく。


以上。

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初秋の野草探し/2013年・東成瀬編

2023年09月16日 | 野草/夏・秋

夏の間、低山では、花は皆無に近くなるが、
秋めいてくると幾つかの種類が咲き出して来る。
秋田県の南東端にある東成瀬村は、スプリングエフェメラルを見るため、
春の時期、ときどき訪れていた(例えば、こちら)。

2013年は秋の花を見るために9月9日に来ていた。

秋は春ほど花の量は多くなかったが、一応報告してみる。

奥に見える山は栗駒山の支峰、秣岳と思われる。




山道に足を踏み入れ、最初に見たのは、

オオウバユリの実だった。

 



そしてツリフネソウ。




キツリフネ
 

                                            サラシナショウマ

サラシナショウマ



クサボタン
 


ジャコウソウ三態










ちょっと場所を変えて、水力発電所のある斜面に行ったら、
そこはツユクサの大群生地になっていた。







 


右上はニガクサだろうか。

ここは春はアズマイチゲがびっしり群生していたところだった。

近くの山の木が赤っぽくなって見えた。




紅葉にはまだ早すぎる。たぶんナラ枯れ現象だと思う。


この年は8月30日、隣の湯沢市の低山でちょっと珍しい草花を見ていたので、
こちらで報告させて頂く。

 



ママコナ(ハマウツボ科)だ。

秋田では湯沢市の一部と周辺の限られた場所でしか見られない。


以上。

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君はナベナを見たかい。

2023年09月07日 | 野草/夏・秋

(本頁は「晩夏の森吉山はどうかな。」の続きです。)


ナベナって植物知ってますか。

呼びやすい名前の割に知名度はいまひとつのようです。

改訂新版・日本の野生植物(平凡社)によると、

ナベナ Dipsacus japonicus
日当たりのよい山地に生える越年草。高さ1mを超え、
直立してよく分枝し、全体に棘状の剛毛がある。葉は薄く、頭大羽状に全裂し、
裂片は鋭尖頭で鋸歯縁。花は8-9月に咲き、頭花は径2cm。(以下、中略)
本州~九州、朝鮮半島、中国に分布する。

とありました。
「中略」としたのは、
植物の形態に関する難しい専門用語がその後も延々と続き、
私自身も転記している途中に嫌気がさしたからなのです。

植物の全体像はこんな感じです。

 



バックの草藪がうるさくてわかりにくいと思います。

ネットで検索したところ、

こちらのサイトの解説は比較的わかりやすいなと思いました。

HiroKen花さんぽ ⇒ こちら

・・・と前置きが長くなりましたが、
この植物、ご覧の通り、けっして奇麗な花を咲かせるわけではありません。
葉や実が食べられるとか、薬になるとか、特別、何か役に立つわけでもありません。
草なのにやたらとでかい・・・要するに「ウドの大木」です。
そのくせどこにでもあるわけでもない。
秋田では山あいを走る道路端の草藪などにひょっこり生えている
のを偶に見かけますが、
以前有ったからと記憶を頼りに何年か後に行って探すと
ほぼ見つからない種類のひとつでも有ります。

2023年8月20日、森吉山に登ろうと思い、
北秋田市の山あいの県道を走っていたら、ひょっこりと出会いました。
個人的には20年ぶりくらいの出逢いだったので
つい懐かしくて、近くの路肩に駐車し、撮影してしまいました。

 





 


この植物、現在のAPG3分類体系ではスイカズラ科に統合されてしまいましたが、

元はマツムシソウ科でした。
その関係なのか、頭花や葉の出方などを見ると、どこかしらマツムシソウを想起させるものがあります。

今の季節、山あいの道路端に咲く花と言えば、
他にはキク科のハンゴンソウやオオハンゴンソウがよく目に付きます。
この日はナベナの近くでこの二種も見かけましたので併せて報告いたします。

ハンゴンソウ(反魂草)は
ウィキペディアによると、

ハンゴンソウ Senecio cannabifolius
多年生の草本。茎は直立して、高さは1-2mほどになり、若い茎や葉柄は赤みを帯びる。
葉は葉柄をもち、茎に互生する。葉身は広卵形で、羽状に深く裂け、3から7つの深い切れ込みが入る。
先は尖り、縁は鋸歯状で、裏がざらつく。
花期は7 - 9月。茎の頂部に直径2cmほどの黄色い頭花を散房状に多数つける。
頭花は同属のキオンに似るが、キオンの葉は切れ込まない。
葉の切れ込みは別属の帰化植物であるオオハンゴンソウに似る。 
日本では北海道、本州の中部以北に、
アジアでは樺太、カムチャツカ、アリューシャン、シベリア東部、朝鮮、中国に分布する。
高原や深山の湿った草地、湿原、林縁に大小の集団を作って群生する。



ハンゴンソウ
 
                                           オオハンゴンソウ 



オオハンゴンソウ Rudbeckia laciniata

は北米原産の帰化植物で現在は環境省指定特定外来生物にもなっています。
拙ブログでは、「夏草のつわもの二種/オオハンゴンソウとハチミツソウ
にて紹介済みなので、そちらも参照して下さい。

ナベナが少なくなったのは、
オオハンゴンソウやオオブタクサ(クワモドキ)などの屈強な外来植物によって

生育場所を奪われたせいかななどと思っています。

以上。

コメント (4)
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夏草のつわもの二種/オオハンゴンソウとハチミツソウ

2023年09月05日 | 野草/夏・秋

夏に秋田県内を車で走っていると、
田園地帯であれ、山あいであれ、あちこちで黄色いキク花を咲かせる丈の高い草を見かける。
多くの場合、それはオオハンゴンソウだろう。




オオハンゴンソウ Rudbeckia laciniata 
北米原産の帰化植物で、現在は環境省指定特定外来生物。
個人的にはあまり好かない花だ。
自分がたしか中学か高校に上がった頃(50年以上前)から、実家近くの道端に生えていたように記憶している。
線路端にも多く、横手湯沢のような田舎でも、JR奥羽線の踏切を渡ると、
線路に沿って、この花の列が延々と続いていた。
当時はもしかしたらこの花はずっと南、山形まで咲き続けているのではないかと思っていた。

現在では、この植物は在来植物の生態系に甚大な影響を及ぼすものとして、
外来生物法により特定外来生物(第二次指定種)に指定され、
許可なくこの花の栽培・保管・運搬・輸入・譲渡を行うことは禁止されているが、
今どき誰がこのような花を栽培保護などするものか。
この規制は、少なくとも三十年早くやって欲しかった。
これほどまでに増えてしまったものは、今更なんともならない。

私自身、花好きなので園芸植物であれ、野草であれ、
花が咲いていれば、よく撮影する方だが、
この花だけはずっと撮影する気になれずに居た。
ところがどうしたことだろう。
2011年8月下旬、仕事の関係で国道341号線を走っていた時、
八幡平の山中で咲くものは何故か撮影していた。










しかし以上四枚で撮影を辞めた。


国道341号線を更に南に走り、仙北市田沢湖の町が近づくと、
今度は道端に別の黄色いキク科植物が生えていた。




不思議なことに、それまでいっぱい生えていたオオハンゴンソウはパタッと消えていた。
別のキク科の背丈はオオハンゴンソウに較べると少し低かった。
花(頭花)はやや小型ながらも数は多く、
それは園芸植物のダンゴギク Helenium autumnale を連想させるものがあったが、
わざわざ庭に植えようとまでは思わなかった。

 



いがりまさし氏の撮れたてドットコムによると、

「ハチミツソウ Verbesina alternifolia
は,大型の帰化植物(原産は北米)で、色や大きさではキクイモの仲間に似ているが、
舌状花が反りかえり下を向くので簡単に見わけられる。また,茎に著しい翼があるのも顕著な特徴。
またそう果にも顕著な翼があり、別名のハネミギクはこのそう果にちなんでつけられたもの。
もともとハチミツの蜜原として輸入された。現在では全国的に帰化しているが数は少なく、見かけることは稀である。」
とあった。 

この植物、翌2014年9月上旬にも近くで見かけた。




 


ここでは他の在来種も交え、小さなお花畑になっていた。
白い小花はオトコエシ、濁ったピンクはヨツバヒヨドリ。




以上。

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