(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)
台風一過の(2018年)10月8日は焼石岳に行くつもりで未明に秋田市自宅を出発したが、
実家のある横手(十文字町)まで南下したら、厚い雲に覆われていたので焼石は断念。
ところが南の方は晴れていて神室山がよく見える。
だからといって神室山はタイヘンしんどい山なので、
県境を越えて楽な方=「ハゲかむろ」に駒を進めた。こちらも予想通り晴れていた。
あまり話題にはならないが、鬼首から見るこの山の姿はとても素晴らしい。
東北でも屈指の山岳風景だと思っているが、いかがなものか。
花立高原から望んだ禿岳
花立峠にクルマを置き、
禿岳に連なる稜線を歩き出すとほどなくブナの森に突入する。
ブナの森の入り口付近
この森は稜線で風が強いせいか、わりとスカスカで大きな木は無い。
前日の台風で吹き飛ばされたのか紅葉している葉は少なく、かわりに登山道上には枝がいっぱい落ちていた。
それをどけながら歩いていたら、めんこいキノコに遭遇。
手持ち図鑑で絵合わせしたら、ニオイコベニタケによく似ていた。
もし正しければ食べられるが、あまりにもめんこいのでそっとしておく。
更に上の方に行くと、今度は目にも鮮やかな木の実がいっぱい落ちていた。
ミズキの実だ。一緒に落ちた花柄はまるで赤サンゴのようだった。
ミズキの実と赤い花柄
サラサドウダンの実と紅葉
稜線も上半分はところどころで樹木が途切れ、右側にはパノラマのような風景が展開している。
南側の眺め。鬼首カルデラ外輪山の花渕山や大柴山が連なっている。
鬼首カルデラ(東側)の眺め。カルデラ中央の山、荒雄岳は禿岳など外輪山よりも低くてパッとしない。
火口原の水田をクローズアップ。
また南側を望む。
鬼首カルデラ南側の眺め
肝心の禿岳の紅葉は・・・
既に落葉か散葉した木が多かった。
これはやはり前日の台風のせいだろう。
登ってきた稜線を振り返る。
ここで地学のお勉強。
禿岳そのものは直径約13キロの鬼首カルデラの外輪山と言われるが、
下のマップからも分かるように、南西側にもうひとつ向町カルデラ(山形県最上町)も有って、こちらの外輪山にもなっている。
ふたつのカルデラの外輪山を兼ねる山は世界広しと言えどもそうはないと思う。
このマップ、原図は無断転用。
今度は南西側、向町カルデラ(山形県最上町)の眺め。
向町カルデラの眺め
だいぶ高いところまで上がって来た。
今度は北側の外輪山も見えて来た。
鬼首カルデラ北側外輪山の眺め。奥の平らな山は須金岳。
虎毛山をバックにナナカマドの実。
やっと山頂。
まずは北側、秋田の山々の眺め。
禿岳山頂にて。左から山伏岳、高松岳、虎毛山。
マニアックな山。軍沢岳(1194m)。
山頂近くに秋田、山形、宮城三県の県境が有るが、夏道は無い。
次いで北西側。
個人的な趣味で恐縮だが、禿岳に登る愉しみのひとつは神室連峰の展望だ。
この日、朝は晴れていたが、山頂に着く頃にはガスって来て、連峰はほとんど見えなくなってしまった。
それでも一時間半、粘ったら、順次、ガスが取れ出し、見えるようになった。
神室連峰主軸の眺め。左から火打岳、小又山、天狗森、神室山。
ここからは、一番低い火打岳が他の山々よりも立派に見える。
大尺山(左、1194m)と火打岳(1238m)
小又山(左、1367m)と天狗森(1302m)。両山の間に鳥海山の山頂が見えるのだが、今日は雲で見えなかった。
神室山(1365m)
山頂からの眺めは以上。なお神室連峰に残雪がある時の眺めはこちら。
下山後に眺めた山岳風景をいくつか。
鬼首の水田地帯から望んだ禿岳(左側)。
片倉森(1040m)
いつもなら北東方向によく見える栗駒山が今日は雲を被っており、禿岳に居る間はよく見えなかった。
秋田への帰り道、国道398号線を通ったら、花山峠からやっと見えた。
国道398号線、花山峠から見た栗駒山。
ここからは現在、展望岩頭と呼ばれている1573mピークが前面に出て、
全体的にマイルドな山姿になっている。
このピークをかつては馬糞森と呼んでいたが、何か分かるような気がする。
以上。
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