docomoのCM『森の木琴』。
森の中に、
長さの異なる木を緩やかな滑り台状に並べ、
そこに木の弾を転がすと、
まるで木琴の演奏のように
バッハのカンタータ147番『主よ、人の望みの喜びよ』が
奏でられるというCMです。
この動画自体は以前に見たことがあったのですが、
これが地元の近くである嘉麻市の古処山で
撮影されたことを知りました。
■■嘉麻の森 癒やしの反響 ネットCM 世界が視聴380万回■■
福岡県嘉麻市と朝倉市の境にある古処山(860メートル)で撮影された携帯電話機のインターネットCMが、「心が癒やされる」と国内外の反響を呼んでいる。鳥のさえずりや渓流のせせらぎが響く森で、木製の球が階段状の木琴を転がり、曲を奏でる映像。動画投稿サイト「ユーチューブ」の再生回数は、約1カ月半で380万回を超えた。「こんな安らぎが一刻も早く被災地にも訪れますように」と、東日本大震災の被災者を気遣う感想も寄せられている。
CM「森の木琴」(約3分間)は、NTTドコモがボディー素材に木を用いた携帯電話機の宣伝用に制作。2月に嘉麻市内の古処山山中で撮影された。CM制作チームの一つインビジブル・デザインズ・ラボ(福岡市)の清川進也・音楽プロデューサー(34)によると「携帯電話という電子的な製品とは対極にある、自然のもので音楽を奏でたかった」。
緩やかに傾斜をつけ、長さ44メートルにわたって並べられた計413個の鍵盤の上を球が転がり、バッハの「カンタータ」を奏でる。ビブラート技法をはさむなど音の表現も凝っており、映像に野生のシカも現れる。関東や四国など64カ所が候補地に挙がり、同県飯塚市出身の清川さんの幼なじみが嘉麻市職員にいた縁で、同市内の私有林での撮影が実現した。樹齢80年超というヒノキやスギの姿、間伐が行き届いた森の美しさが評価されたという。
3月初旬から映像がネット上で流れ始めると、米紙のニューヨーク・タイムズのホームページでも取り上げられた。動画サイトのユーチューブには、海外からとみられる書き込みもあり、約380万回(27日現在)再生されている。清川さんは「震災で傷ついた人々の心を癒やす力もあると思う。こんな映像をふるさとで撮影でき、誇りに思う」と話す。
嘉麻市は面積の約6割が森林で、遠賀川の源流もある。山林労働者の高齢化などで森林保全が課題となっており、山の保水力を高めようと地元の環境団体が毎年、間伐や植樹活動に取り組んでいる。市はCMに使われた木琴の展示を検討。市農林整備課の有田芳行課長は「映画のワンシーンのような幻想的な森がある嘉麻市の魅力をPRしたい」と意気込んでいる。
=2011/04/28付 西日本新聞夕刊=
◇YouTube:『森の木琴』