効率と利益を追求しすぎると、以下の点でゆがみが生じるのではないかと前回お話しました。
1・若手の行き場がなくなる。
2・若手を育てる意志がなくなる。
3・選手獲得の為の豊富な資金が必要
4・選手と監督の入れ替わりが激しくなり、土台を築くことが困難になる。結果が伴わない監督と選手はクラブを追われ、新加入の選手と監督の間と、既存の選手を結ぶ接点が存在しないため、礎を見つけることが難しい。
1と2の項目について他に言える事は、クラブが生え抜きの選手を生まないことで、アイディンティ・クライシスに陥る可能性がある事は前回お伝えしました。引退したミランのフランコ・バレージとパオロ・マルディーニがいかに稀な存在だったかがわかります。
更に輪をかけて稀な存在がインテルの主将ハヴィエル・サネッティです。このアルゼンチン代表選手が入団した1995年以来インテルを離れず、旗頭としてインテルのファンから熱い支持をえていることは、非常に興味深い出来事です。
普通外国籍の選手は「傭兵」の意味合いが大きいものですからね。サネッティのように在籍年数が2桁を数え、同時に主将の重責を担うことは、滅多にない現象だと思います。
また若手の出場機会を阻む物にが代表クラスの大物外国人選手だけではなく、安い人件費目当てに勧誘を受けた外国人選手も含まれています。日本人もこの枠に入りつつあると思います。
外国人枠の問題はその国のリーグの価値観によって異なる為、導入の是非を僕は問えませんが、再び外国人枠について議論される気配は少ないと思います。それは欧州はすでに「EU」の主導で経済が流れていますし、欧州以外の大陸の外国人選手を「外国人」に当てはめても、「EUパスポート」がある以上、その効力が疑問だからです。
アメリカが不法移民を含む移民を受け入れ、彼らを低賃金で雇用しているように、欧州サッカーもコストの安い外国人選手の獲得は、これからも選手補強の一環として続いてゆくと思います。
でもこのまま行きますと「経営破綻するクラブ」が、あらゆる国で問題になると思います。事実2月28日の信濃毎日新聞がプレミアリーグのポーツマスの破綻の記事を掲載しています。日本の地方都市で報道されるくらいですから、ポーツマスのファンにとっての悲しみは相当深いはずです。
僕はサッカー界、特に欧州がアメリカのように「サラリーキャップ」をリーグ単位で導入したらどうかと考えていました。アーセナルやラツィオのように、クラブ単位で選手のサラリー上限を設けているクラブはあります。アメリカ風に言えばアーセナルはソフトキャップ(キャップは遵守するが絶対ではない)のようですが、ラツィオはハードキャップ(キャップは絶対遵守)を採用しているようです。
でもサラリーキャップを欧州それぞれのリーグで採用することは難しいですね。現実問題実施は無いでしょう。
まずメガクラブが賛同しないはずです。スター選手問わず選手の給料を抑えることは、経費削減の観点からクラブにとってメリットがあるとおもいますが、サラリーキャップの総額が各国リーグによって異なれば、キャップの制約の中で最も高い給料を保証する国に、選手はあっさり移籍してしまいかもしれません。
またイングランドのようにポンドを機軸としている国、ユーロを採用している国でも例えばドイツとフランスでは、経済状況が異なりますからキャプの上限金額が異なります。ですから同じユーロ導入の国々が仮にサラリーキャップを導入しても、上限金額にばらつきがあれば効果は半減する可能性があると思います。(今は各国の税金の負担が選手の移籍の時に話題になりますね。)
アメリカ国内ではNFLの事を、「世界で最も栄えている共産主義」と呼ぶことがあるのですが、それくらいNFLのサラリーキャップは徹底しています。つまりリーグ全てのチームが同じ金額でチーム運営をしてるのだから、真の意味でチームの運営が問われ、毎年白熱した優勝争いが行われるというわけです。
僕としてはクラブでそれぞれサラリーキャップを採用し、破綻しないクラブ運営を期待したいのと、レンタル移籍で選手がたらいまわしにならないような規則も必要だと思います。
少なくともチャンピオンズ・リーグで手に入るであろう賞金を見込んでクラブを強化、しかし破綻したリーズ・ユナイテッドの教訓を忘れてはいけないと思います。日本では大分トリニータがこの例に当てはまりますね。
5回に渡って長々と自論を展開しました。読んでいただいた皆様、付き合っていただき感謝します。ありがとうございます。
1・若手の行き場がなくなる。
2・若手を育てる意志がなくなる。
3・選手獲得の為の豊富な資金が必要
4・選手と監督の入れ替わりが激しくなり、土台を築くことが困難になる。結果が伴わない監督と選手はクラブを追われ、新加入の選手と監督の間と、既存の選手を結ぶ接点が存在しないため、礎を見つけることが難しい。
1と2の項目について他に言える事は、クラブが生え抜きの選手を生まないことで、アイディンティ・クライシスに陥る可能性がある事は前回お伝えしました。引退したミランのフランコ・バレージとパオロ・マルディーニがいかに稀な存在だったかがわかります。
更に輪をかけて稀な存在がインテルの主将ハヴィエル・サネッティです。このアルゼンチン代表選手が入団した1995年以来インテルを離れず、旗頭としてインテルのファンから熱い支持をえていることは、非常に興味深い出来事です。
普通外国籍の選手は「傭兵」の意味合いが大きいものですからね。サネッティのように在籍年数が2桁を数え、同時に主将の重責を担うことは、滅多にない現象だと思います。
また若手の出場機会を阻む物にが代表クラスの大物外国人選手だけではなく、安い人件費目当てに勧誘を受けた外国人選手も含まれています。日本人もこの枠に入りつつあると思います。
外国人枠の問題はその国のリーグの価値観によって異なる為、導入の是非を僕は問えませんが、再び外国人枠について議論される気配は少ないと思います。それは欧州はすでに「EU」の主導で経済が流れていますし、欧州以外の大陸の外国人選手を「外国人」に当てはめても、「EUパスポート」がある以上、その効力が疑問だからです。
アメリカが不法移民を含む移民を受け入れ、彼らを低賃金で雇用しているように、欧州サッカーもコストの安い外国人選手の獲得は、これからも選手補強の一環として続いてゆくと思います。
でもこのまま行きますと「経営破綻するクラブ」が、あらゆる国で問題になると思います。事実2月28日の信濃毎日新聞がプレミアリーグのポーツマスの破綻の記事を掲載しています。日本の地方都市で報道されるくらいですから、ポーツマスのファンにとっての悲しみは相当深いはずです。
僕はサッカー界、特に欧州がアメリカのように「サラリーキャップ」をリーグ単位で導入したらどうかと考えていました。アーセナルやラツィオのように、クラブ単位で選手のサラリー上限を設けているクラブはあります。アメリカ風に言えばアーセナルはソフトキャップ(キャップは遵守するが絶対ではない)のようですが、ラツィオはハードキャップ(キャップは絶対遵守)を採用しているようです。
でもサラリーキャップを欧州それぞれのリーグで採用することは難しいですね。現実問題実施は無いでしょう。
まずメガクラブが賛同しないはずです。スター選手問わず選手の給料を抑えることは、経費削減の観点からクラブにとってメリットがあるとおもいますが、サラリーキャップの総額が各国リーグによって異なれば、キャップの制約の中で最も高い給料を保証する国に、選手はあっさり移籍してしまいかもしれません。
またイングランドのようにポンドを機軸としている国、ユーロを採用している国でも例えばドイツとフランスでは、経済状況が異なりますからキャプの上限金額が異なります。ですから同じユーロ導入の国々が仮にサラリーキャップを導入しても、上限金額にばらつきがあれば効果は半減する可能性があると思います。(今は各国の税金の負担が選手の移籍の時に話題になりますね。)
アメリカ国内ではNFLの事を、「世界で最も栄えている共産主義」と呼ぶことがあるのですが、それくらいNFLのサラリーキャップは徹底しています。つまりリーグ全てのチームが同じ金額でチーム運営をしてるのだから、真の意味でチームの運営が問われ、毎年白熱した優勝争いが行われるというわけです。
僕としてはクラブでそれぞれサラリーキャップを採用し、破綻しないクラブ運営を期待したいのと、レンタル移籍で選手がたらいまわしにならないような規則も必要だと思います。
少なくともチャンピオンズ・リーグで手に入るであろう賞金を見込んでクラブを強化、しかし破綻したリーズ・ユナイテッドの教訓を忘れてはいけないと思います。日本では大分トリニータがこの例に当てはまりますね。
5回に渡って長々と自論を展開しました。読んでいただいた皆様、付き合っていただき感謝します。ありがとうございます。