まじ卍

生活の中で気が付いたことを書いています。

清々しい気持ち

2024-03-28 | 反省
昨日放送されたNHK連続テレビ小説『ブギウギ』を観て、
およそ昨年3月に定年退職をした時のことを思い出した。

『ブギウギ』は、戦後の歌手で「ブギの女王」といわれた
笠置シズ子さんをモデルにした番組で、
その場面は、主人公の福来スズ子さんが歌手活動の引退会見を終えて
自宅でのお祝いの席で、こう話した。
「ワテはなんや不思議な気分や。
 自分が歌手を辞める日が来るやなんて思ってもなかったんや。
 せやけどそれ以上に思ってもなかったんは、
 大好きな歌を辞めるいうときに、
 ワテの周りにおるんがあんたらやということや。」

この時、彼女を祝ったのは娘の愛子、マネージャーのター坊、
家政婦の大野さん、そして誘拐犯でのちに家事手伝いとして雇った
小田島とその息子のはじめである。

思えばボーイスカウト活動をしていたことから福祉に興味を持ち、
「ボランティアでは生活は出来ない」との親の反対を押し切って
大学では社会福祉を専攻しながらボランティア活動で4年間を過ごし、
この時の感覚をいつまでも持ちながらライフワークにしていきたいという思いと
先輩方の生き方に憧れて私自身も福祉従事者として生きることを生きがいに思い、
ただがむしゃらに生きてきた。
59歳の時に、共に過ごした同期の一人が力尽きて退職するという話を聞いて
「辞められる奴はええなあ」とボソッと妻に言ったら
思いもよらない妻からの「あなたも辞めたら・・・」の一言で
少なくとも65歳まではこの仕事を続けるものと決めつけていた気持ちが揺るぎ
60歳という定年を機に退職を決意した。
その時に、スズ子さんの「ワテはなんや不思議な気分や。
自分が歌手を辞める日が来るやなんて思ってもなかったんや。」

というセリフを聞いて、私自身も同じことを感じていたことを思い出した。
あれほどライフワークにしていた自分が誇らしく思えていたというのに
定年を機にスパッと辞めたおかげで、また新たな人生が始まっている。
たしかに退職前にはこれからの人生をどう生きて行くべきか?
年金受給開始年齢までの5年間無収入になると悩んだりもしたが、
妻からの「なんとかなる」という後押しのおかげもあって、
なかなか清々しい気持ちであったのを覚えている。
頭でいくら考えても理解が出来ないことだが、
新たな世界に飛び込むことで新たな意識にさせてもらえる。
そんなウキウキした気持ちで、4月からの無職生活を楽しめている。