新年に入り新たな大河ドラマ“龍馬伝”が始まりました。主役の坂本龍馬役が福山雅治で、脇に香川照之、大森南朋、児玉清などが固めるのでなかなかの良いドラマになりそうです。坂本龍馬の大河ドラマとしては、原作司馬遼太郎、主役は北大路欣也が演じた“龍馬がゆく”があり、小学生のころ夢中になって見ていたのを覚えています。“龍馬がゆく”の原作を読んですでに20年以上経ちました。その頃読んだ小説のひとつが、同じく司馬遼太郎作の“坂の上の雲”です。“坂の上の雲”を原作にNHKが3部構成のスペシャルドラマを制作し、その第1部を日曜日夜の大河ドラマの時間に放送したのはついこの前でした。“坂の上の雲”という壮大な作品の映像化、こんな途方もないことを良く決断したなと思います。似たような例としては、トルストイ作の“戦争と平和”をハリウッドが映画化した作品がありますが、その内容は全く原作には及びませんでした。NHKの“坂の上の雲”がそうならないように期待しています。
龍馬伝の舞台は目下のところ高知、坂の上の雲の舞台は当初は松山で共に四国地方です。さらには、現在、NHKが放送中の朝の連続テレビ小説“ウェルかめ”の舞台は徳島でこれも四国が舞台です。この3本のドラマを見られて気付かれた方もおられると思いますが、各舞台となった地域の方言がみな異なるということです。
四国は4県からなる地方ですが、明治維新の時、旧分国がそのまま県に移行したまれな地方です。その4県はいずれも特色があります。江戸時代には伊予松山藩と讃岐高松藩共に親藩大名であり、一方、土佐藩、徳島藩は共に外様大名です。これは小生の偏見かもしれませんが、親藩は徳川将軍家の親戚筋で大名の中でも文化度が高い、一方、外様大名はやぼったい雰囲気が強い。さらに、地理的には香川と愛媛は狭いながらも平地で繋がって人の交流が比較的容易であったと思いますが、徳島と高知は、共に他からは山脈で隔絶しています(グーグルMAP参考)。そのために、徳島と高知は松山や香川とは異なる方言が保存された可能性も考えられます。ただし、これは全くの素人考えであり、それを裏付ける根拠はありません。
兎に角、四国地方は、日本の他の地域、例えば、関西地方や小生が住む九州地方に比べて方言のバリエーションが大きいことは確かだと思います。ただ、残念なことに、これまで仕事で高知市、松山市、徳島市のいずれにも参りましたが、それぞれドラマのような方言で話しをされた方はおられず、いずれも標準語で話されました。