「いらっしゃいませ!」
なんとなくテンションが高いような女将さん。
その秘密は、この日がちょうど2016のクライマックスシリーズにて広島カープが優勝したからなのです。
2016/10/18くらいのことかと。
入店するとそこにはいつもと違う顔が。
具体的にはカープ坊やが。
いつもは静かな店内が、今日はカープの応援歌が流れている。
「カープが優勝しましてねー」
「お客さんはカープファンですか?」女将さんに問われる。
というのは理由があって、『広島カープファン・広島カープグッズ持ち主は優遇』。
具体的には、入口の立て札に「カープグッズをお持ちの方はビール一杯サービス。優勝したら升酒でお祝いしましょう」という感じの文言を書いてある。
(ここでカープファンだと言ってしまえば楽になる。楽になるっていうか、お酒がもらえる)
でも確実にカープファンであるだろうお店夫婦を前にして、それは偽れない。
「いいえ、じつは・・・」正直に言う。
「そうですかー・・・。カープグッズもございませんよね・・・?ありましたらビール一杯サービスができるんですが」
「・・・はい・・・」
すると大将「お客さん、赤いものを持っているから一杯サービスしてあげて」
なんということでしょう!
ムシマルは、仕事終わりでそのままここにきて、そして名札をしたまま(ただ上着を着ていたので見えるのはストラップ部分だけ)でした。
その、名札紐部分が赤かったのです!
赤=広島カープ。この平和的拡大解釈がムシマルに一杯のお酒を下さる。
「これからカープファンになってくれればいいですよ」大将。
そうですかー。でも確かに広島来てこの時点で半年くらいでしたが、
すっごくカープ情報が入ってくる!
黒田選手200勝まであといくつ!とか新井選手2000本安打まであと何本!とか優勝までMあといくつとかいった情報がテレビをつけていればすぐ出てくるし、
テレビ点けていなくてもスーパー店内掲示や本屋の前に立て看板で情報が待ち望まれていらっしゃる。
またそういうホットな情報だけでなく、歴史とかも広島のいろいろと密接。
とある酒蔵さんに行ったとき「広島カープの貧窮時代に樽募金をした時の容器はうちの酒蔵の品です」なんてことが書いてあって、「なんぞそれ」って思ったものでした。
選手の名前も何人か知ったような。オーセラ選手を外国人選手だと思っていたのもいい思い出。今年下水流選手って名前を覚えました。
ムシマルは知っている選手が「緒方」「江藤」「ミンチー」選手くらいしかいなかったのです。
テレビゲームの『パワプロ』というものをやっていて(たしか98年か99年くらいの)、そのときに広島市民球場ではホームランが出やすかったのでちょこちょこ使っていた過去があります。
そういう意味では広島カープ好きといえなくもない。
そういう精神的弁護をして、届くビールのおいしさよ。
グラスにはあざやかにCarpの文字が!
というところでいったん落ち着きメニューを見る。
ピザ食べたい。
おばんざいが好き。
そういうことで、そちらを頼もうと思う。
ああ!先付けが。
どんだけカープ!
右から和え物、だし汁、そしてこれは。
どう見てもカープのヘルメット。
(プチトマトとチーズで作ったんだ)
芸の細かさに脱帽する。
ぷちゅ。
うん、ちゃんとお味もおいしい。
チーズとトマトの相性の良さは、イタリア及び地中海連合が長年をかけて保証してくださっている。
そしておばんざいからポテトサラダ。
350円。
ムシマルはポテトサラダが好きで、ポテトサラダがある居酒屋さんに行くと3回に一回くらいの確率で頼んでしまっていると思う。
0.333以上。打率は高い。
あ、お芋風味をしっかり感じる。全体に、手を加えてますよーという仕事感が見受けられます。
そしてこちらもおばんざいから。
「ちちこの山椒煮」。
ちちこって何だ?ていう方、カツオの心臓です。たしか。
で、これなんですが、おいしい。
カツオの本場高知県でも、こういうちちこ調理法をいただいたことなかった気がする。
こちらのお店、山椒煮が得意なのかもしれない。ほかの食材で山椒されていたものをいただいた覚えがある。
大将との会話でムシマルが高知県出身ですといった後だったと思う。
「高知県だから、『ちちこって何?』って聞かれなかったんですね。注文された方は、ほぼ間違いなく聞かれるんです」
ほう、これを頼むことで図らずともムシマルが高知県民であったことの間接的な証左になったのか。
あ、食べたらむにゅるりとしている。
こんなにモチモチした食材だったっけ?もっと歯ごたえがあったものだったようなといううっすらとしている記憶。
何を隠そう、ムシマルもちちこをそれほどたくさん食べてきたわけではなくてね。
山椒があるけれども、出汁つゆのよろしさにその刺激はぴりり未満。
じんわりとお酒が進む料理である。
そして、そうお酒。
枡酒でお祝いしましょうの言葉はムシマルにも適用されている!
「瀧鯉」!
どこまで!徹底して、とことんまで!
カープファンの方々はもうこういう次元なのか。すごい。完全カープ主義。
あ、でも意外にも「瀧鯉」は広島のお酒ではなくて兵庫かどこかのお酒みたい。
桝酒。
穏やかなお酒ですね。
いやー良くなった。気分がです。
そしてピザ。
ピザが届く。ブルーチーズ舞茸という癖のありそうな個性のありそうなものを頼んでしまっていた。
生地は薄めでカリカリ。
ガリっ!もちゃ。
チーズはクセがあるやつだから、枠をはみ出したとがった旨み。
舞茸はやさしさ方面へのアクセントであるが、チーズの濃さにそれも悪戦苦闘。
お酒進んでしまう。
でもこの強さに対抗できるのは強い風味のお酒なのか。
おいしいけれど飲み合わせに悩んでしまうかもしれないピーキーなお料理である。
鼻にすごく余韻を残すたべものだったなあ。
さて、ことここに至り。
もう一杯お酒をお願いしようかな。
今のところ、呑みどころにきてお酒代を全然出していない。
なので瀧鯉をもう1合。
これは暗喩なのだ。
鯉を異口同音変化させて恋。
瀧を業界用語変化させてキタ→来た
恋が来たらいいなという願望なのだ。
カープ熱をお裾分けする対象たちをよそに、ムシマルは自分の幸せな末路しか考えていない。
あと、このお酒のあてについてしか。
ピザとかちちこが少しあるけれど、これでは足りない。一合には届かない、たぶん。
どうしようかな。
あ!ポテトサラダ、牛すじ煮込みと並んでムシマルの注文率高いメニュー「豚角煮」を初注文。
とろろがけでした。
これにより、残雪の大地みたいな印象をムシマルに与えることができているのだ。
茶色を引き立てるような淡い白。
これが、彩りだけでなく上品さも満ちている。
角煮に足りなかった、というか必要とされていなかった省みなれていなかった粘りとかあと味のよさに加点。
角煮にトロロ、ありです。
角煮自体のお味はしっかりしているのでちょうどいい感じ。
完食ー、3,500円かそれくらいでした。
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