3月4日14:00~16:00広島別院において、安芸教区少年連盟の研修会が開催されました。
中本忠子(ちかこ)さんをお迎えし、ご自身の活動を聞かせていただきました。
広島市の公営住宅で暮らす中本さんは35年にわたって、さまざまな家庭の事情を抱え非行に走ってしまう子どもたちと向き合ってこられました。中本さんは、空腹のため万引きなどに手を出してしまう子どもたちを自宅に招き、手料理を振る舞うなどして、子どもたちの声に耳を傾け、その多くを更生に導いてきました。
昭和55年、当時保護司だった中本さんは、担当した少年と話をするうち、家庭的に恵まれない少年が犯罪に走るのは、満足に食べていないことと親身になって相談に乗ってくれるひとがいないからだと気づき、自宅で少年たちに食事の提供をはじめました。そのうち、噂を聞きつけて、大勢の少年が中本さんの家に入れ替わり立ち替わりやってくるようになり、自宅だけではまかないきれなくなったので、中本さんは、有志の方々といっしょに、平成15年から、自宅での食事の提供と平行して、月2回(第1と第3の日曜日)、広島市中区の中央公民館で「食べて語ろう会」と名前をつけて少年たちのための食事会をはじめました。
中本さんの家や食べて語ろう会には、これまで多くの少年たちがやってきました。そして、お腹いっぱい食事をしたり、中本さんと話しをしたりして、自分の家庭では得られない、落ち着いた時間を過ごしてきました。少年たちは食べて語ろう会をメシ会と呼びますが、メシ会を通じておおぜいの少年たちが立ち直っていきました。現在、約40名の少年たちが食べ物を求めて食べて語ろう会に出入りされているそうです。
中本さんもそろそろ高齢(81歳)になってきたので、中本さんがやってこられた、少年たちへの自宅での食事の提供と月2回の食べて語ろう会を引き継いで発展させるため、昨年の夏、NPO法人食べて語ろう会が設立されました。
中本さんは語られます。特定の層の子どもが非行から抜け出せずにいるという実態。原因の一つと考えられているのが子どもたちの置かれた家庭環境。生まれた環境で「負のスパイラル」に巻き込まれていく子どもの姿を語って下さいました。
お寺さんには是非、日曜学校に力を入れて下さいと語られました。ふれあいがたくさんある子供は、踏み外しても立ち直りが早いそうです。子供たちが明るく健やかに成長するようサポートしていくには日曜学校が大きな存在であることに同感しました。