『続・激突!/カージャック』は、スティーヴン・スピルバーグが初めて製作した劇場映画だ。
昔、同じくスピルバーグ制作のTV映画で、『激突』というのを観たが、
こっちは元のタイトルが『The Sugarland Express』で、別に続編でもなんでもない。
軽犯罪を犯して刑務所に放り込まれた夫婦、ルー・ジーンとクロヴィス。
ルー・ジーンは先に釈放されて子どもを引き取りに行ったが、里子に出された息子ラングストンは帰ってこない。
クロヴィスの面会に刑務所を訪れたルー・ジーンは、クロヴィスを脱獄させると、
パトカーを強奪し、車を運転していた警察官スライドを人質に、
息子を取り返しに行くのだった。
こう書くと、ボニー&クライドみたいだが、
ルー・ジーンとクロヴィスは、考える力はちょっと足りないものの、その行動はむしろ善良だったりする。
子どもを取り返したい一心の行動は、スライドの同情心を呼び、
3人を追跡するパトカー集団を率いるタナーも中々最後の一線を超えられない。
そうは言っても、2時間の映画は後半に向かうにつれて重苦しくなってくる。
目的である里親の家に近づいてくるからだが、
この作品は実話を元にした映画で、観ている人間はこの話がハッピーエンドで終わらないことが分かっている。
タナーは狙撃手に射殺の許可を出し、ルー・ジーンたちは家に辿り着くが、
そこは既にもぬけの殻で、狙撃手が待ち構えている。
二人はどうなってしまうのか、スライドたちはどうするのか、
70年代の映画は、粗削りながらも無駄のないシーンの連続で、
最後まで勢いが止まらず観てしまった。
『激突!』も面白かったが、こっちもいいね。