近頃は、PS5でシミュレーションRPG『GOD WARS 日本神話大戦』をやっていたのだけれど、
気になっていた『ユニコーンオーバーロード』の体験版が配信されていた。
これがなかなか面白くて、気が付くとあっという間に時間が経ってしまう。
『ユニコーンオーバーロード』は、
『十三機防衛圏』等のヴァニラウェア社が開発し、アトラスが販売を手掛ける、新手の戦術ロールプレイングだ。
かつてはコルニア王国等、5つの王国により平和に統治されていたフェブリス大陸、
しかし、野望を抱くガレリウス将軍により、世界は一変する。
世界制覇を目指すガレリウスにより、次々に征服されていく5つの国、
コルニア王国の女王イレニアは、息子である王子アレインを騎士ジョセフに託し、
自身は囮となってガレリウスに立ち向かい、亡きものとなってしまう。
やがて大陸はガレリウス皇帝が統治する「新生ゼノイラ帝国」に統一され、
圧政下による暗黒時代を迎えることになる。
イレニアが亡くなってから10年、物語はアレイン達が落ち延びた小島から始まる。
・・・・あぁっ、なんかもう王道だなっ、王道すぎて涙が出そう。
ところで、1990年に任天堂が発売した『ファイアーエムブレム~暗黒竜と光の剣~』は、
平和なアカネイア大陸における動乱を描いた作品であり、
メディウス率いるドルーア帝国にアリティア王国等の国が次々にに滅ぼされる中、
アリティアの王子であるマルスは姉の助けで辺境の島国タリスへ落ち延びる。
2年後、成長したマルスは仲間たちとともにドルーア打倒に乗り出す、というシミュレーションRPGなのだが、
『ユニコーンオーバーロード』の序盤の展開は、まんま『暗黒竜と光の剣』である。
実はこの新作ゲームである『ユニコーンオーバーロード』は、
90年代に一斉に花開いた日本のシミュレーションRPGのリスペクト作品であり、
端々に当時のゲームの雰囲気が垣間見える内容になっている。
ゲームシステムは、1~6人で構成される部隊を編成し、
ステージ上をうろつき回って町や砦を開放したり、敵部隊と交戦しながら、敵本拠地の制圧を目指すものだ。
この、複数のユニットがリアルタイムにマップ上を動き回る作りは、
1993年にクエストが世に送り出したスーファミ時代の名作『伝説のオウガバトル』を彷彿とさせるもので、
ここにも90年代のリスペクトがあらわれている。
敵と接触すると一転して戦闘画面に切り替わり、
ここからは、ヴァニラウェア独特のニュルニュルした動きで戦いが演出される。
戦闘シーンは、キャラクタ毎に設定されている「スキル」によって、自動的に進行する。
「アレイン(クラス:ロード)が、単体攻撃スキル「リーンエッジ」を発動し、敵を攻撃、
➡敵ユニット(クラス:ハスカール)が、単体攻撃である「クラッシュ」でアレインを攻撃
➡アレインのパッシブスキル「ノーブルガード」が自動発動。防御力を+20%した上で攻撃を受け、被ダメージ
➡アレインがダメージを受けたことによって、スカーレット(クラス:プリーステス)の回復スキル「クイックヒール」が発動、回復
➡スカーレットの攻撃スキル「ホーリーライト」が発動、敵ユニットにダメージ
➡戦闘終了時に敵ハスカールのスキル「エンドブロウ」が発動、アレインにダメージ」
という具合だ・・・やってみないとよく分からないが。
この戦いの場面は、ヴァニラウェアの真骨頂とも言うべきパートで、
事前に設定したキャラクターの行動設定に応じて、
目の前で派手に戦いが繰り広げられるのは、なかなかの爽快感である。
2006年の『ファイナルファンタジー12』には、
マクロのように行動コマンドを組み合わせてキャラクターが自動的に戦う、『ガンビット・システム』というのがあったけれども、
遊んでいてアレを思い出した。
まだ序盤だが、難易度についてはどちらかというと高い。
『ファイアーエムブレム』のように、キャラが死んだらそれっきりというわけではないが、
その代わりに『ユニコーンオーバーロード』には、『時間』と『スタミナ』の制約がある。
各ステージには、クリアにかかる時間上限が設定されていて、これを超えると敗北してしまう。
また、ユニットにはユニットリーダーに応じた『スタミナ』の値があり、1戦ごとに数値が1減少する。
スタミナがゼロになってしまうと、そのユニットは休息が必要となり、
一定時間を経過するまで再行動できなくなってしまう。敵に攻撃されると一方的に先制されたりでいいこと無しだ。
プレーヤーはスタミナの値に気を配りながら、制限時間内に敵を倒し、拠点を制圧しなければならない。
まごまごしていると敵の増援が登場したりして、なかなか大変だ。
というわけで、とりあえず体験版をプレイしての感想だが、
今のところ「とても面白い!」と言ってしまえる作品だ。
クリアまでの所要時間がとても長くなりそうなのが気になるところだが。