昨日 タイ国では、大麻の一部(テトラヒドロカンナビノール = THC )の割合が、重量の
0.2%を超える抽出物を除き、麻薬処罰法の「第5種麻薬」から除外する事が、保健省令から
発効され、大麻の栽培が合法となりました。大麻に含まれる有害成分THCは、幻覚作用や
記憶への影響、学習能力の低下等をもたらしますが、0.2%を超えると麻薬指定となります。
最近までメディア報道では、“栽培は合法でも娯楽目的での大麻の吸引は、依然として違法と
なり、違反すれば逮捕されることになる“ と伝えられていました。が、昨日の報道などでは、
“家の中で大麻を吸っている者が逮捕されることはないが、公の場で吸ったり、大麻喫煙が
周りの人々に迷惑になる場合は、罪に問われることになる” との忠告に変わってきましたネ。
政府は2019年から大麻の合法化を段階的に進め、昨日 保健省令から発令されましたが、
生産・販売・医療目的での利用、乱用防止など大麻関連法の整備が、まだ完了しておらず、
野党や一部の有識者と医療関係者から、“グレーゾーンが残る”、と指摘されています。
いずれにしても、自家用の大麻の栽培は許可を取得しなくとも、タイ食品薬品委員会の
ウェブサイト、または専用アプリでの登録制となりました。解禁初日の9日には、アプリ・
サイトに10万人以上がアクセスした為、殺到してシステムが一時ダウンしたようです。
大麻が違法薬物リストから外され、家庭で栽培することが可能となりますが、ただし、
商業目的で栽培する場合、目的別に、食品法、化粧品法などに基づく認可が必要です。
吸引については、どこまでが公、公共の場か不明ですが、タイ警察は警察で「公共の場での
大麻吸引を公衆衛生法違反で禁止する」姿勢を取っています。違反した場合は、最大2万
5,000バーツ(約97,000円)の罰金、三カ月以内の禁錮が科されるとしています。
懸念されるのは、大麻の合法化に伴い、大麻関連で服役していた受刑者4,200人以上が
釈放されることです。既に釈放が始まっていますが、大麻関連事件に関する進行中の
捜査と逮捕状も取りやめ、取り下げになるといいます。政府は大麻の合法化により、
大麻を使った医療、化粧品、食品などによる経済効果を期待していますが、それ以上に
受刑者を中心に大麻中毒が氾濫し、社会問題化するのではないかと心配しています。
そして、夫々の効用は似たようなものなのでしょうか?
であれば、麻薬の流通を鈍らせることができる。
甘いかな?私の考え。
国境が陸続きである限り、解決は難しんでしょうね。