つい最近になって新明解国語辞典と明鏡国語辞典のいずれもちょうど1年ほど前に改訂版が出ていると知り、僕に1年遅れの辞書ブームが到来しました。
どちらも定評のある国語辞典です。新明解国語辞典は相変わらず攻めの語釈に引き込まれます。その独特な語釈を世に知らしめる嚆矢となったのは、赤瀬川原平さんと鈴木マキコさんのやり取りを綴った『新解さんの謎』でしょう。以前からこの作のことは聞き知っていたのですが、実は今まで読んだことがなかったので、僕の個人的な辞書ブームをきっかけに読んでみることにしました。
新明解国語辞典の特徴的な語釈を並べながら、新明解国語辞典を「新解さん」と名付けてそのペルソナを分析としていく取り組みはとても斬新です。そもそも、人格を設定できる「辞書」なんて、今までどこにあったことでしょうか。
ちなみに文庫の『新解さんの謎』は前半が新明解国語辞典の話題で、後半は別のエッセイが収録されています。個人的にはもっと「新解さん」の深海にもっともっと潜っていきたい心持ちでした。