実際にそのすべてを手に取らないにせよコンビニや駅のホームに行くだけで視野に飛び込んでくるのが雑誌です。僕は雑誌がわりと好きでそのときの興味に応じてあれこれ買い込んでしまう質なのですが、一体国内でどれくらいの雑誌が発行されているのか気になり、ちょっと調べてみることにしました。
この素朴な疑問にかなり丁寧に答えてくれるWebページがありました。
社団法人 日本雑誌協会の
掲載各誌・発行部数リストです。僕はざっくり週刊誌が毎週何冊といったレベルで知ることが出来れば良かったのですが、
このWebページはかなりマニアックで1つ1つの雑誌毎に発行部数が公開されています。しかも各雑誌の読者層がどういう構成になっているのか、(雑誌によって公開している項目にばらつきはあるものの)性別、年齢、収入、職業、学歴、住んでいる住宅種別(持ち家・賃貸、戸建て・マンション等)まで事細かに記載されています。
# 今日の日経夕刊によれば2004年の雑誌推定発行部数は月刊誌が約28億冊で発行金額にして1兆4886億円、週刊誌が14億冊で4149億円だそうな。
こうしてデータを見てみると発行されている雑誌の数の多さには驚きます。発行部数の総数よりもそもそも発行されている雑誌自体がいくつあるのか気になってしまうくらいです。とはいえ各雑誌のデータを眺めていると結構面白いのでいくつか僕の興味をひいた数字をご紹介します。
まずは週刊誌。以前髪を切りに行ったときに店員さんに渡されてしまった
アサヒ芸能は306,703部で、週刊大衆が398,330です。僕は
AERAをよく読みますが発行部数は245,050部とあります。AERAはOLさん等にも人気とよく聞くので結構部数も出ているのかと思いきや、アサヒ芸能や週刊大衆の方が上なのですね。良い意味でも悪い意味でもグラビアの有無がきいているのでしょうか。(写真週刊誌のFRIDAYは508,163部、FLASHは418,053ですし)
アサヒ芸能と週刊大衆の読者層に目を移すと
・アサヒ芸能
性別 : 男性 88.7% / 女性 11.3%
未婚率: 未婚 29.8% / 既婚 70.2%
年齢層: 35~39歳を頂点に20歳未満から60歳以上まで二等辺三角形に近いきれいな分布
・週刊大衆
性別 : 男性 91.6% / 女性 8.4%
未婚率: 未婚 34.5% / 既婚 65.5%
年齢層: 35~39歳、45~49歳、25~29歳をピークとした「山」の字型の分布
といった感じです。仮に未婚率に男女差がないとすれば3%前後の未婚女性がこれらの雑誌を愛読していることになります。一体どういう人たちなのか興味深いところです。(やはり出版関係者とかなのでしょうか?)
女性と言えば多くの人が注目している光文社のJJ→VERY→STORYのシリーズを外すことは出来ませんね。発行部数を見てみるとJJが512,375部でnonno(526,521部)とCanCam(513,750部)に次ぐ「女性ヤング誌」部門3位、VERYは307,792部でミセス誌1位、STORYも186,425部とミセス誌部門で健闘しているようです。今後日本は
高齢化が進んでいくでしょうから、JJ、VERYの読者が順調にSTORYへ移行していくのか長期的に見守っていきたいところです。
今回僕が一番驚いた文芸誌の発行部数を最後にご紹介しましょう。文芸誌の発行部数は予想外に少なく、例えば文藝春秋の文學界が12,525部、村上春樹氏が新人賞を取った群像は8,458部という具合でSTORYの10分の1にも満たないのです。綿矢りさ・金原ひとみ両氏の芥川賞受賞がまだ記憶に新しいところですが、少なくとも雑誌のマーケットだけを考えると作家の皆さんはかなり小さい市場で勝負をしていることになります。正直言って僕は文芸誌を読むことがほとんどないのですが、もっと良い本を読むためにも素晴らしい作家に出会うためにも文芸誌を応援してあげる必要があるかも知れません。