連休中に
クレヨンしんちゃんの映画を2本見ました。
『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』と
『伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃』の2本です。僕は
クレヨンしんちゃんが大好きでふつうの邦画感覚で
クレヨンしんちゃんの映画をよく観ています。
『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』では与えられた枠組みに不満を持ちながらもそこから抜け出す努力を忘れてしまった大人を鼓舞しついには体制を転覆させてしまうカスカベボーイズたちの活躍が軽快に描かれており、
『伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃』はたった3分間だけではあるものの一般家庭の代表である野原一家が世界を守るヒーロー・ヒロインとして活躍し、途中ヒーロー・ヒロインになれることの魅力に毒されながらも最終的には家族愛とちょっとした正義感で世界の平和を手に入れるというお話です。どちらも楽しめましたが敢えて優劣をつけるとすれば後者の方が力を抜いたまま最後まで観ることができるので、数日前のような雨を窓ガラス越しに眺めながらのんびりと部屋で2時間ばかり過ごすにはお薦めですね。
クレヨンしんちゃんというと「親が子供に見せたくないテレビ番組」の上位に常につけているという印象があるかも知れませんが、先入観抜きで観てみるとかなり興味深い作品が多いような気がします。凡百の会社員家庭の一つに過ぎない野原一家を嘲笑することで笑いを取りつつも、はっとさせられる本質が埋め込まれていることがあるので侮れません。また意外?に教科書的な作りの作品もあり、例えば
第6回文化庁メディア芸術祭・アニメーション部門大賞等を受賞した
『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』あたりは一般受けの良い
「まんが日本昔ばなし」等と比べても決して見劣りがしないと思います。
『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は戦国時代にタイムスリップした野原一家が、家名を守ることや身分をわきまえること等、戦国時代としては当たり前の価値観に縛られている登場人物たちを現代的なものの考え方で感化していきながら、隣国からの侵略に対して侍たちとともに立ち向かうというストーリーです。身分を超えた淡いラブストーリーが織り交ぜられているのですが、(仮に恋愛でなくても)しんちゃんが劇中で薦めるような素直な言葉が出せないことは少なくないので、自分の身近なところでも考えさせられてしまいますね。ましてや乗り越えてはいけないとされる社会制度に従う慎ましさは、時として二度とふれあうことのできない悲しい結末をもたらすこともある訳です。悲しくても心がつながるのならば、それが正しい選択だと言えるかも知れませんが。
もしまだ1作もご覧になっていないのであれば
『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』から入門してみてはいかがでしょうか。エンディング曲もタイトルは冗談ぽいですが雰囲気のある良い曲です。