物欲王

思い付くまま、気の向くまま、物欲を満そう

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寝ながら学べる構造主義

2007-01-28 01:19:54 | 
年末にとある会食に参加したところ、出席者の一人が端的に言えば実存主義や構造主義の話をしていました。あまり実りある議論とは思えなかったものの、かといってわずかに学校で学んだ知識もほとんど忘れてしまっている僕には、肯定する訳でもなければ否定する訳でもなく、もやもやとした気分だけが残ったのでした。大家の著作を1つずつ読んでいく程の元気は今はないので、とりあえず新書で復習してみることにしました。僕が選んだのは『寝ながら学べる構造主義』です。

この本は構造主義の門外漢である著者が一般の人向けに分かり易く構造主義を説明した入門書です。ニーチェのあたりなど何となく違うかもと感じなくもないのですが、単に僕の記憶違いかも知れないですし、そもそも細かいことをつっこむくらいならば入門書ではなくて原著にあたれば良いので気にならないですよね。ロラン・バルトの話からWebやLinuxの話に広げていくなど、入門書ならではの良い意味で総花的な記述には好感が持てます。もう少し詳しく知りたくなる、程良い本の薄さがこれまた秀逸です。


寝ながら学べる構造主義

文藝春秋

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指輪をはめたい

2007-01-23 01:12:23 | 
大学時代からずっと付き合っていた彼女に27歳の時振られてしまった。そんな彼女への復讐を果たすべく、30歳になるまでに絶対に結婚するために今は3人の女の子と同時に付き合っている。そして30歳を月末に控えたある日、プロポーズのための指輪を用意したにも拘わらず、ちょっとした事故で誰にプロポーズするつもりだったのか記憶を失ってしまった。

『指輪をはめたい』の主人公と、彼を取り巻く女の子達は典型的な現代の若者といった感じで、読んでいて気恥ずかしくなってしまうことすらありました。状況設定がちょっと都合が良すぎてずるいとは思うものの、身近なテーマと現代的な感覚で押していくストーリー展開は決して悪い気分はしません。ちょっと長めに飛行機や電車に乗るときなど是非お薦めしたい1冊です。

唯一残念だったのはわりと突飛な条件設定の割には、行き着く結論が至極無難だったことです。まぁ、かといってピーターパンよろしく本書の主人公は過去・現在・未来と無関係なままでいる訳にもいかなかったことは理解しますが、もう少しひねりが欲しかった気がします。どうせなら『華麗なるギャツビー』に対して『偉大なるデスリフ』があるように、マルチエンディングが用意されていた方が良かったのかも知れないですね。


指輪をはめたい

文藝春秋

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一太郎2007に思い悩む

2007-01-20 02:17:36 | OS/ソフトウェア/SaaS
受付開始まで残すところ3週間足らずとなりました。そうです勤労・納税とならぶ国民の3大義務「一太郎のバージョンアップ」です。

今回の一太郎2007もかなりそそられる機能満載です。例えばエディタフェーズ。確かに何かを思い付いて文章を書き始めるときはアウトラインや文書としての体裁は後回しでいきなり要点からタイプし始めることが少なくないので、エディタ感覚でワープロが使いはじめられるのであれば便利そうです。世の中には一太郎を使ってCやJavaのソースコードまで編集している人もいるようですが、このエディタフェーズが軽快に動作するのであれば、本当にエディタを使わなくなるかも知れません。また毎度のことながらATOK変換精度なども改善されているようなので、これだけでも買う価値があります。

ただ、今年のバージョンアップで悩ましいのはJUST Suite 2007という統合オフィススイートが用意されていることです。Macユーザにも拘わらず一太郎を使うためだけにPCも持っていると言っても過言ではないものの、花子三四郎をどのくらいの頻度で使っているかと考えると、最近はほとんど起動していないかも知れません。またJustsystem PDF Suiteのようにすでに持っているソフトがバンドルされていたりもするので、JUST Suite 2007はちょっと勿体ない気もするんですよね。とはいえ一太郎2007にバージョンアップするならその伴侶として花子2007も用意するのが王道でしょうし、ジャストシステム発のプレゼンテーションツール「Agree 2007」もODFに対応していなかったり、そもそもネーミングがどうだろうと思ってしまったりと微妙な感じはするものの試してみたい気持ちでいっぱいです。

残された3週間を使ってどのパッケージを買うかじっくり決めたいと思います。


JUST Suite 2007 特別優待版 (その場で500円割引)

ジャストシステム

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セックスボランティア

2007-01-18 02:26:02 | 
誰かとセックスをするためにはどういう条件がそろえば良いのでしょうか。仮にAさんとBさんが性的な関係を持つとして、その行為の是非を決める判断軸を挙げてみると、

 (1) AさんとBさんの人間関係(夫婦、恋人、友人等)
 (2) Aさん(またはBさん)が未婚(あるいは既婚)である
 (3) Aさん(またはBさん)の年齢
 (4) Aさん(またはBさん)の性別
 (5) 行為に伴う金銭の授受

など、いくつかの項目が思い付きますね。僕の倫理観だと

 (1) AさんとBさんが親しい関係であれば婚姻関係や恋愛関係になくても良い
 (2) 二者間の親しさが一番重要なので結婚しているかどうかは問題にならない
 (3) 明らかに性行為が不可能な幼児と関係を持つことは許されない
 (4) 性指向の問題なので生物学的・社会的性別は特に問題にならない
 (5) まったく面識がない者同士が関係を持つために金銭授受が行われるのであれば許されない

という感じです。実生活の中でどう振る舞うかはさておき、倫理的感覚としては要はA-B間の親しさが最大の判断要素なので、所謂不倫関係とかであっても許してしまいますし、ホモ/ヘテロセクシュアルも特に問題視しないことになります。ただ逆にまったく交友関係のない者同士が金銭授受をトリガーにして性的な関係を持つのは許せないという、革新的なようで保守的な基準です。

しかし『セックスボランティア』を読んだ上であらためて冒頭の質問にどう答えるかと結構考えてしまいます。AさんやBさんに障害があって、そもそも性行為自体を一人で行えず介護が必要だとしたらどうでしょう。僕の基準では二者間の親しさが大きな問題なので障害者であっても性的関係を持つ相手が親友等であればすんなり許せるものの、相手がボランティアで日常生活に拘わる手助けをしてくれるだったとしたら、ボランティア行為に性行為も含めて良いのでしょうか。ボランティアで性処理をしてもらうくらいなら、むしろ金銭授受を伴うサービスとして提供を受けた方がすっきりするでしょうか。ボランティアという切り口が人と人との関係に入ってくると、上述の判断軸は俄に説得力を失ってしまうように感ぜられます。

著者の河合香織氏は『セックスボランティア』が初めての著作とのことで、不慣れなせいか短いコラムを立て続けに読まされているような感があります。また、著者と僕の倫理観がかなり異なるのか、取材を進める過程で著者が感じる戸惑いや驚きも僕にはすんなりと理解することができないものが多かったです。正直に言えば僕にとって『セックスボランティア』はわりと読みづらい部類に入ります。もっとも読み始める前にそのタイトルから丸山健二氏の『夏の流れ』のような読後感を期待してしまっていたので、単にギャップがあっただけかも知れません。

ただ、ぶつぶつ文句を言いながら読み進めたところ、行き着く結論は『セックスボランティア』とさして変わりませんでした。結局問われているのは「人が普通に生きるとはどういうことなのか」、「自分にとっての性的倫理基準は何なのか」ということなのですよね。障害者と性という組み合わせであれこれ考えることが今までなかったので示唆に富んだ経験になりました。


セックスボランティア

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バランスステッパーを試す

2007-01-14 23:26:24 | コスメティック/フィットネス
テレビ通販で無名タレントたちがステッパーを紹介しながら実演する様を半ば嘲笑的に眺めた数日後、近所のスーパーであるメーカのバランスステッパーが特売されていました。デモ機が置いてあったので冷やかしついでに乗って試してみたところ図らずもこれが面白く、勢い買ってしまいました。

いざ試してみるとテレビで見るのと実際にやるのは大違いで、見た目以上の負荷が掛かり良い感じです。最初のうちは「踏み込んだ感覚がこんなにふにゃふにゃしていて運動になるのだろうか?」と思うものの、5分も続けていると次第にきつく感じるようになります。足を踏み込むのにあわせて腕を振るなど上半身の動きを混ぜればより運動強度が上がるので、そこそこスポーツをしている方でも手軽に有酸素運動する道具として活用できることでしょう。

ただ、僕が買ったステッパーは何度も踏み込む運動を続けているうちにステッパーの位置がどんどん前にずれてしまって困りました。踏み込み時のバランスの取り方や、そもそもの設置場所・設置方法を再度見直す必要がありそうです。ただ仮にズレの問題が改善できなかったとしても価格の安さを考えればさして大きな欠点だとも思いませんね。欠点を補ってあまりある「運動した気分」が得られますので。


アルタレーナ



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機動戦士ガンダムさん つぎの巻

2007-01-12 01:06:03 | ガンダム

隊長:「ホラそこ ちんたらしない!! ん? 何? その目」
部下:「あの オレ ゲルググなんスけど」
隊長:「それがどうしたの?」
部下:「隊長ってザクっしょ? ザクがゲルググに命令すんのおかしくね?」
隊長:「......」

(大和田秀樹 2006年 『機動戦士ガンダムさん つぎの巻』 角川書店)

正月休みに読んだ『機動戦士ガンダムさん』最新刊に収録されていた話の1つです。典型的な中間管理職のザクさんは部下に恵まれていないのか苦労が尽きません。最新型のリック・ドムやゲルググはおろか、かつての伴侶であったビグ・ザム中将にも臆することない旧ザク爺さんのレベルに達するまでには道のりは険しそうです。

前巻に比べると話の幅が広がりかなり面白くなっているので、是非お試しあれ。


機動戦士ガンダムさん (つぎの巻)

角川書店

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AirMac故障の暫定処置

2007-01-11 01:26:32 | コンピュータ/スマートフォン/周辺機器
愛用していたAirMac Expressが1年程前から故障してしまったものの、修理に持っていくのが面倒でずっと使えない状態が続いていました。無線が使えないのは非常に不便なのですが、我が家は有線であればインターネット接続できる環境なので、ケーブル接続する手間さえ我慢できればネットワークにつなげられることが修理が先延ばしになってしまう理由の1つです。

ただ、もともとMacをAirMac経由でインターネット接続していたくらいなので、AirMacカード内蔵のMacを有線でインターネット接続させるようにし、ノートパソコンやPSP等Wi-Fiを利用したい機器についてはこのMacをゲートウェイにしてインターネット接続すれば良いことにふと気が付きました。いざ設定してみたところものの5分と掛からずノートパソコンもPSPもMac経由でインターネット接続出来るようになってしまいました。Wi-Fi利用時にはMacが起動しておかなければいけないというのが玉に瑕ですが、おざなりな対応としては悪くなく満足してしまいました。ちょっとした節約?ですよね。


Apple AirMac Express ベースステーション [M9470J/A]

アップルコンピュータ

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ほぼ日手帳2007のスペックダウン

2007-01-10 02:27:02 | 文房具

2007年という新たな年を迎え、ささやかなことではありますが新しい手帳を使い始め新鮮な気分になっています。昨年から採用してみたほぼ日手帳の使い勝手は悪くなく、今年も継続してほぼ日手帳2007を使うことにしました。毎日開くのが楽しみな手帳です。ただ残念なことに昨年の仕様と比べてスペックダウンしている点を遅ればせながら見付けてしまいました。

手帳カバーの機能をあまり利用しないユーザには関係ない話ですが、去年のカバーでは裏表紙部分に利用可能なポケットが2つありました。しかし今年のカバーでは1つ減っているではありませんか。裏表紙のポケットには「ほぼ日のメモパッド」の他、雑誌記事の切り抜き等いろいろなものを入れていただけにちょっと残念です。敢えて減らすだけの理由がないような気がしますが、どうしてなんでしょうね。

スペックダウンしてしまったとはいえ、ほぼ日手帳2007は十分魅力的な手帳なので、今年もまた一年大切に使っていきたいと思います。


ほぼ日手帳の秘密 2007

幻冬舎

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散るぞ悲しき

2007-01-08 22:34:59 | 
遅ればせながら話題の本ということで『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』を読んでみました。

この本は、太平洋戦争末期に硫黄島に着任し、圧倒的な優位に立つアメリカ軍からこの小さな島を守るために命を賭けて戦った栗林忠道大将の生い立ちから最期までを、遺族や関係者の証言を交えながら書き綴ったノンフィクションです。本書を手にする以前は硫黄島も所謂万歳突撃による玉砕かと思っていた程度の知識しかなかったのですが、読み進めるにつれ栗林忠道という人物が「死を前提とした戦い」にも拘わらず、自分の役割を理解し綿密な準備を進め、将兵の心をつかみ士気を維持して、歴史に残る激戦を戦い抜いたことが良く分かりました。著者である梯久美子氏の筆致は戦記物に偏るでもなければ、情に訴え悲壮感を漂わせるものでもなく、冷静に栗林忠道の足取りを追いかけていくもので、好感が持てました。

Noblesse Obligeという言葉がありますが、これに反して日々テレビのニュースでは政治・経済の要職にある者の不正な行いが報じられていますし、身近なところでも我が身可愛さに大義を忘れ目下の者に理不尽なことを強いる管理職がよくあるものです。確実に戦死することが約束された硫黄島で、過酷な生活条件の中人間らしさを維持し、米軍に追いつめられた後には大将の階級章を外し一兵卒として戦陣に立って最期を遂げた栗林忠道の「義務を意識する人の高貴さ」こそ、今の日本人一人一人に必要なものではないでしょうか。


散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道

新潮社

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スティーヴン・キングの『小説作法』

2007-01-07 00:36:26 | 
スティーヴン・キングというと、著作を2、3冊持ってはいるものの英語が難しいような気がして1作も読破したことがありません。けれどもスティーヴン・キング原作の映画からうかがい知れる独特の世界観から、昔から僕が最も気になる作家の一人に挙げられます。昨年の秋頃ふらっと駅の本屋に立ち寄ったところ、『小説作法』という同氏の本を手に入れることができたので、この冬休みを利用して読んでみました。

本書はそのタイトル通り、小説家を目指す読者に対して大成した作家がアドバイスを与えべく、自身の生い立ちから執筆の心得までおよそ作家に必要とされる項目を簡単に説明してくれるといった内容です。ただよくある文章読本というよりはスティーヴン・キングの自叙伝に近いものがあり、子供の頃の出来事や『キャリー』等の代表作執筆時のエピソードが紹介されているので、特に小説家になりたくない人が読んでもスティーヴン・キングのひととなりが分かり楽しめます。文筆業に特化した成功者のサクセスストーリーとして読んでも良いかも知れません。

唯一残念だったのは訳文が多少とっつきづらい点です。訳者は恐らく文章力に長けた人物であり、訳文の端々から日本語能力の高さがうかがえるのですが、何となく独善に陥る傾向があるように感ぜられ、ベストセラー作家の持ち味を損ねているのではと疑いたくなってしまいます。(単に文章の好みの問題でしょうか?)

本題から外れますが、スティーヴン・キングってすごく沢山本を読む人なのですね。巻末に著者がここ数年の間に読んだ本のうち印象に残っているもののリストがついているのですが、リストに載っている本だけを読むとしても1日1冊くらいのペースで読んでいかないと読み切れない程の数があります。専業作家なので1日の時間を自由に配分できることを割り引いてもかなりの量ですよ。同じ社会人として少し見習いたいものです。

文章読本の類にはハズレも少なくないでしょうが、本作は作家になろうとか、文章が上手くなりたいと特に考えていない人にとっても十分お薦めできる1冊です。


小説作法

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