まだ小さかった頃。
春になると車に乗って家族みんなでよく浜岡の海へ行った。
海で潮干狩りをしてアサリを採るのだ。
僕は特別アラリの汁物が好きというわけではないのだけれど、採るのが楽しかった。
いつだったか、アサリが全然採れなかったことがあった。
満潮の時に海へ行ったってアサリが採れるわけもないが、親父は家族サービスをしている
というだけで満足そうだった。
兄貴と二人で採れないアサリを探すのに飽きて、二人で砂に穴を掘り、その穴にダンボールで
蓋をして上から砂を被せて小さな落とし穴を作り上げた。
これで誰かの足がハマって怪我をしたら犯罪になるんじゃないかと僕は子どもながら
少し心配になった。
母親の「帰るよ」という声に一歩踏み出したら自分の右足が落とし穴にハマった。
あの頃は楽しかったとアサリ汁を飲んで思い出す。
春になると車に乗って家族みんなでよく浜岡の海へ行った。
海で潮干狩りをしてアサリを採るのだ。
僕は特別アラリの汁物が好きというわけではないのだけれど、採るのが楽しかった。
いつだったか、アサリが全然採れなかったことがあった。
満潮の時に海へ行ったってアサリが採れるわけもないが、親父は家族サービスをしている
というだけで満足そうだった。
兄貴と二人で採れないアサリを探すのに飽きて、二人で砂に穴を掘り、その穴にダンボールで
蓋をして上から砂を被せて小さな落とし穴を作り上げた。
これで誰かの足がハマって怪我をしたら犯罪になるんじゃないかと僕は子どもながら
少し心配になった。
母親の「帰るよ」という声に一歩踏み出したら自分の右足が落とし穴にハマった。
あの頃は楽しかったとアサリ汁を飲んで思い出す。