旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

アサリ汁

2011-05-17 21:53:06 | 物語
まだ小さかった頃。
春になると車に乗って家族みんなでよく浜岡の海へ行った。

海で潮干狩りをしてアサリを採るのだ。
僕は特別アラリの汁物が好きというわけではないのだけれど、採るのが楽しかった。

いつだったか、アサリが全然採れなかったことがあった。
満潮の時に海へ行ったってアサリが採れるわけもないが、親父は家族サービスをしている
というだけで満足そうだった。
兄貴と二人で採れないアサリを探すのに飽きて、二人で砂に穴を掘り、その穴にダンボールで
蓋をして上から砂を被せて小さな落とし穴を作り上げた。

これで誰かの足がハマって怪我をしたら犯罪になるんじゃないかと僕は子どもながら
少し心配になった。
母親の「帰るよ」という声に一歩踏み出したら自分の右足が落とし穴にハマった。

あの頃は楽しかったとアサリ汁を飲んで思い出す。

土に触れる

2011-05-17 11:36:51 | 言葉
 『 土をにぎったとき、私は縄文人である。
彼等とまったく同じ人間ではないかもしれない。
しかし、少なくとも無欲と分配の美徳を持つ彼等に
少しでも近づきたいものである。 』

新居司郎

自分の中の眠った記憶を取り戻す為に風の声を聴くという方法も
あるのだけれど、土に触れることもそれと同じだと僕は思う。


振り回す武器

2011-05-17 11:09:30 | 素晴らしき日々
昨日は一日仕事で浜岡にいた。
ひたすら草刈機をふりまわし草を刈り続けた。

人類が鉄を得たときのきっかけになったのには、雷や山火事など説はいくつかある。
鋳造(型にはめる)や鍛造(叩いてつくる)などの方法があるのだけれど、人類が
初めて鉄を得たときそれはどのように使われたのだろうか。
便利な道具としての鉄鍋としてだろうか。
それとも、生き物を殺す為の武器として使われたのだろうか。

核、車、雨のコントロール。
あらゆる便利な道具が戦争から得られていることを考えるとやはり鉄も同じなのだろうか。

鉄を地球に対してむけるのも人に対してむけるのもどちらであっても支配であることは
変わらないのではないだろうか。

鉄を作るために多くの森を失ったのと同じように、電球という人工の太陽を作りだした事が
結果的に自分たちに問題としてやってきているということは、やはり地球を支配などできない
ということを意味しているのだろう。

手に武器を持ちながらそんなことを考えていると、つまらない仕事もあっという間に終わる。