東京電力が先週の会見で「福島第一原発は高さ十メートル超の津波に襲われる可能性がある」
と試算していたことを明らかにした。
東電は二〇〇八年に試算していながら放置し、原子力安全・保安院に報告したのは
東日本大震災の四日前だった。「高さ九メートル超の津波が来る」という別の試算もあり、
こちらは〇九年に保安院に報告している。
東電と政府はこれまで「地震と津波は想定外」と言い続けてきたが、実は想定内だったわけだ。
国民を欺き続けた揚げ句、世間の関心が民主党代表選に集まっている時期を狙って白状した。
当事者として試算があるのは最初から分かっていたのだから、完全な確信犯である。
なぜ、いままで黙っていたのか。
単に世間の批判を恐れたというだけではない。
それは賠償問題への思惑が絡んでいたはずだ。
東電は「地震と津波は想定外の自然災害だったから賠償は政府の責任」という論法で生き残りを
図ろうとした。
ところが「想定内の津波だった」となれば、東電が責任逃れできなくなる。だから、賠償枠組みが
決まるまで隠し通そうとしたに違いない。政府も知っていながら賠償支援機構法が成立するまで
黙っていた。
原発事故をめぐって、また一つ重大な情報隠蔽(いんぺい)が明るみに出た。東電と政府は
「共犯関係」にある。これでは信頼回復などありえない。 (長谷川幸洋)
東京新聞TOKYO Webより
いまさら何も驚かない。
と試算していたことを明らかにした。
東電は二〇〇八年に試算していながら放置し、原子力安全・保安院に報告したのは
東日本大震災の四日前だった。「高さ九メートル超の津波が来る」という別の試算もあり、
こちらは〇九年に保安院に報告している。
東電と政府はこれまで「地震と津波は想定外」と言い続けてきたが、実は想定内だったわけだ。
国民を欺き続けた揚げ句、世間の関心が民主党代表選に集まっている時期を狙って白状した。
当事者として試算があるのは最初から分かっていたのだから、完全な確信犯である。
なぜ、いままで黙っていたのか。
単に世間の批判を恐れたというだけではない。
それは賠償問題への思惑が絡んでいたはずだ。
東電は「地震と津波は想定外の自然災害だったから賠償は政府の責任」という論法で生き残りを
図ろうとした。
ところが「想定内の津波だった」となれば、東電が責任逃れできなくなる。だから、賠償枠組みが
決まるまで隠し通そうとしたに違いない。政府も知っていながら賠償支援機構法が成立するまで
黙っていた。
原発事故をめぐって、また一つ重大な情報隠蔽(いんぺい)が明るみに出た。東電と政府は
「共犯関係」にある。これでは信頼回復などありえない。 (長谷川幸洋)
東京新聞TOKYO Webより
いまさら何も驚かない。