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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【街中の狭小二世帯住宅】地盤調査をしてから

2016-07-23 15:23:06 | タッチザスカイ!
なかなか現場が街中だと車の停め場所に困ります。
そんな時は自転車が一番。
季節もいいし、今回は極力自転車で監理することにしようかな。

荷物が多い時はチャイルドトレーラーもあるし、問題はないはず。
問題があるとすれば私のやる気のみ。
頑張ってみたいと思います(弱気)

(その弱気を吹っ飛ばすためにも、今日は朝から20km走ってきました。夏バテしないように体力付けないとですね。ほんとは美味しいビールが飲みたいだけですが)


さて、先日自転車で現場に行った用事は、無事解体工事が終了したため、建物の配置に合わせて再度地盤調査に立ち会うため。
以前は建物が建っていたので、玄関前で1ポイントだけ仮調査を行いましたが、なぜ、改めて建物の配置に合わせて調査を行わなければいけないのでしょうか。

それは、地盤が破壊しないかと建物がどんな沈み方をするのかを確認するため。
建物の四隅と中央を測定して、そのピンポイントがそれぞれどんな地盤なのか、それに対して、そこがどの程度の許容応力度なのか、そこがどんな圧密沈下を起こすのか、その結果建物はどのように傾いてしまうのかを確かめて、適切な改良方法を検討します。

つまり、調査報告書を眺めただけでは何も結論は出ませんし、それは地盤調査会社の仕事ではなく建築士の仕事という事になります。
別にその検討を調査会社に依頼してもいいんですけどね。
計算書のチェックは建築士が行い、最終判断も建築士が行います。

建築士が最終判断する理由は、このことが国土交通省告示1113号と1347号で決められているから。
つまり建築士の仕事ってことです。

特に基礎底盤から7m以内にそれれぞれ自沈層があれば、これらの検討は必ずという事になります。
新潟市で自沈層がなさそうな地盤ってそうそうないと思いますから、これらの検討はとても重要です。

それらを踏まえて地盤改良を決めるわけですが、今回は新潟市の遺跡なんちゃらかんちゃらの地域内の工事なので、既製杭限定となります。
という事で、今回も木杭を選択しました。

そしたら、次は杭をどこに何本打つのか。
これも今までの流れの通り、建築士の責任です。

そりゃそうですよね。
地盤改良をする理由って、建物を支えるためです。
地盤改良業者さんは、建物の重さなんて知りません。
建物の重さを知っているのは、その建物を設計した者のみ。
改良業者さんとの打ち合わせを行いながら、ベストの配置を決めます。

これで、コスト的にも少し抑えられました。

地盤改良はない方が建設費も抑えられるし、いいに決まっていますが、必要という事であれば、コストを抑えるための検討に素直に切り替えるのが、建築士としての正しい判断だと思います。

地盤は変えられませんからね。
改良が必要な地盤に対して、どう転んだって、改良がなしとはなりません。

最後に液状化判定を。
低層の木造住宅において、液状化対策は提案していませんが、そこがどのような可能性を持っている場所なのかは、お伝えする義務があるので、判定を行います。

そして、これですべての工事金額が確定しました。
これからご契約準備に入ります!
(細かい話ですが、地盤調査は建物本体工事ではなく、設計調査費用という事で事前にご精算をいただいております)

約1年を要した設計期間(クリックするとちょうど取り掛かった時の記事に飛びます)がついに終了しました。
いよいよ、始まりますよ~。








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