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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

意思を持つ設計

2022-02-04 21:47:16 | 建築法規・施策
今ギョーカイで一番熱い表紙。

国の住宅の高断熱化政策があまりにもモタモタしてるもんだから、

鳥取県が「もうええわ」って言ったかどうかは分かりませんが、
県独自で省エネ基準を作ってしまいました。

今やそれが全国に広がり始めていて、
「そうか、国の政策を待ってる必要なかったんや」と言ったかどうかはわかりませんが、
各県単位で動いているところが増えています。

ひと昔前はトップダウンが当たり前でしたが、今やボトムアップとトップダウン
その融合が何よりの向上を生むんです。

私も地道にこの10年、省エネセミナーの講師担当などで活動してきました。
今月末にも少しだけお話しさせていただきます。
お申込みお待ちしてますね。

このセミナーでもお話しするんですが、
断熱材って、増やせば増やすほど建設費が上がります。
でも、増やせば増やすほど冷暖房費は下がります。

お財布が心配なのか、優しいのかよく分からない。
だから、その時分かりやすい建設費にとらわれて住まいづくりをしちゃう。

ホントに建設費と冷暖房費のバランスがいいのは、どの位の性能なの?を解説させていただきます。

また、これとは別に某行政庁と秘密裡に似たような打ち合わせをしています
今はその件でてんやわんやしてるんですけど、
鳥取県の資料の中ほどに建設費と冷暖房費を比較する資料があるんです。
パッと見、よく分からないけど、とにかく行政庁がここまでの資料をまとめ上げて、高断熱化を超積極的に勧めているので、

それはそれはいいこととして全国に拡散中です。
でも、ふと思ったんです。

この表の紺色の一番上にUA値が記載されていて、左から右に行くほど数値が小さくなっています。
UAが小さいほど断熱性能が高いので、表の右側が高性能の仕様ということを示しています。
次に下から三番目にその断熱材の工事費が記載されていて、下から二番目がその仕様での予想冷暖房費が記載されています。

そして、一番下がそれを割り返して、建設費が何年で回収できるかって年数が記載されているんですけど、

一番右の超高性能にするといくら冷暖房費が安くなっても最初にかけた建設費を回収するのに36年もかかっちゃうっていう表なんです。

ローンを払い終わっても、まだ回収できない。(電気代が今と同じ場合)
これって、「やりすぎ注意」にしか見えない。

でも、私も今似たような計算を色んなパターンで計算しているので思うところありなんですが、もっと早く回収できる方法もあります。

断熱材の種類って無数にあるし、断熱材を入れる場所も色んな方法があります。
繊維系の断熱とか、ボード状の断熱材
充填断熱に外張り断熱
床断熱に基礎断熱
天井断熱に、屋根断熱、桁上断熱

その組み合わせ考えたら可能性はいくらでもあるんです。

だから、この表は参考にはなりますが鵜吞みにするんじゃなくて、自分がやりたい設計との相性住まい手の暮らし方との相性など、

設計者が狙いを持って選定する必要があるなってつくづく思ったわけです。

その辺りも一緒に拡散させていこうと思います。

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