昨日我が家が丸裸にされました。
画像はそのデータをざっくり解析している時の様子。
住宅は気密測定全盛期と言ってもいいでしょう。
気密は設計だけでは実現することが難しく、現場に依存する割合が大きいです。
よって、施工後に気密を測定して設計期待値通りの性能が出ているかを確認しています。
私が気密を測り始めた30年前は1.8c㎡/㎡以下で優秀賞。
1.0c㎡/㎡は奇跡の領域でした。
現代は1.0c㎡/㎡で満足する人はほぼいなくて、
0.1c㎡/㎡を目標に0.2-0.3c㎡/㎡を出すのが当たり前の時代となってきました。
時代は変わったなぁとしみじみ思います。
それでは次のステージに行きましょう。
昨日の調査は固有振動数を計測して「建物の固有周期」を調べていました。
なんやそれ。
甘いの?しょっぱいの?
うーん、どちらかと言えば激辛です。
測定内容を分かりやすく伝えると、建物が揺れて元の位置に戻るまでの時間を測定していたんです。
揺れて戻る。
つまり硬い建物は揺れにくいのですぐに戻る。
柔らかい建物は大きく揺れるので元に戻るまでに時間がかかる。
2階建ての建物であれば0.15秒から0.2秒とのことですが、
ミニストック-04は0.105秒と0.138秒で見事合格。
っていうよりも、今まで計測してきた中でも1-2位を争うタイムとのことでした。
皆さん、重大なお知らせです。
ミニストック-04は耐震等級2です。
だけどトップクラスの硬さ。
計算上耐震等級3であっても効果的じゃない設計があったり、
計算上耐震等級3であっても施工がでたらめだったら、
いいタイムは出せません。
事務所立ち上げ当初から発信している「構造計画」を取り入れた建物だからこそのタイムだと思っています。
つまり、たまたま自分の家だから念入りに設計していいタイムを出したわけではなく、
15年間同じルールで、同じ感触で、同じ手ごたえで設計してきたことは、とても効果的なんだという結果ですので、
どうぞOBの皆さん、これからの皆さん、(ひとまず)安心していただければと思います。
そして今日お伝えしたいことはここからなんです。
いくら耐震性の高い建物を設計しても、一度大きな揺れを受けちゃうと性能は低下します。
地震による建物の倒壊が原因で亡くなられた方の多くは、
1回目の地震では建物が倒壊せずに安心しきって避難しなかったところに、
2回目の揺れを受けた建物が倒壊して下敷きになったのが原因です。
最初は耐えたけど、そこで一気に耐震性が落ちたばっかりに次の地震では耐えきれなかった。
この症状は、地面の揺れ方にもよりますが耐震等級1でも3でも基本変わりません。
つまり耐震等級3でも繰り返しの揺れを受ければ倒れます。(能登半島地震では1回で倒れたり、2回で倒れる地域もありました)
でも、倒れないチケットをあと何枚持っているかなんて分からないじゃないですか。
それを知る手段が「建物の固有周期」なんです。
そして、それを教えてくれるセンサーがコレ
1階と2階に設置しました。(配線が汚い。後で直します)
地震が起きると揺れを計測して、本体のランプでまだ大丈夫か、もうギリギリか、すでにアウトかを教えてくれます。
また、このお知らせはメールでも貰えるので、不在時にも建物がどうなっているかを知ることができるんです。
控えめに言って、このセンサーは地震時の死者を大幅に減らすことができると思います。
気密測定の次に来るのは常時微動計測
単なる設計と施工を測れるんじゃなくて、
設計センスと施工技術が丸裸にされる測定です。
いかがでしょうか。
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