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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-04】タバコ屋論③-建築家の小さな自邸-

2022-04-29 12:05:37 | ministock-04



においては、昔ながらのタバコ屋さんのような通りに面した小屋にすることで、人目が付きやすい場所で仕事をして、町内とのコミュニティを取りやすくしたいと思っていることをお伝えしました。

現在も人目に付きやすい場所で仕事をしてるんですけど、もっと通りに面したい願望が強いです。
これは、かつての町屋のような暮らし方に近いと考えているわけですが、自宅と事務所を繋げる考えもあるはずです。

最初はつなげることを前提で考えていました。

単純に自宅内の一部屋が事務所になっているパターン。
現在と同じレイアウトで、これはとにかく便利。
なんたって通勤時間0秒。
しかし、まとまりすぎていてオンとオフが切り替えにくく、生活のリズムが作りにくくなるという見方もできます。

いつでも仕事ができるというのはメリットでもありますが、常にオンが続いているような状態です。
私はあまりそれが苦にならないというか、どちらかと言えば便利と感じるタイプ。
アイディアが生命線の業種でもあるわけですが、仕事と全然関係ないときに思いつくことが多々あるというか、新しいアイディアって大体そんなものです。


また、同じつなげるにしても、ミニストック-09の様に一つの建物だけど内部は完全に分離しているというレイアウトもあります。

これは前述のレイアウトのデメリットが消しやすく、比較的オンとオフが切替やすいのではないでしょうか。
加えて、完全に分けることで断熱区画が容易になるので、空調のコントロールがしやすくなります。


理由だけを並べると、どう考えてもつなげる方が合理的な考え方なんですけど、私がそうしなかった理由。

それは自宅の大きさを「3間×3間」にこだわりたかったから。
実は理屈じゃないんです。

普段「理由がある設計」を伝えていますが、「理由を上回る何か」って言うのがあります。

むしろ皆さんの方が多いかもしれません。
よって過去物件でも「理由を上回る何か」っていうのは、必ずどこかにあったと思います。むしろその話をしている方が楽しくて、それを実現したいために、他の部分を合理的に設計するという順序もありました。

理屈じゃないって時点で、比べることができなくなっちゃうんですけど、私は合理性の塊ってつまらなく感じるタイプです。
「え、そんなことするの!?」っていう部分も加えてあげることが、建築士の一番の職能と考えています。

このことはホームページにあるインタビュー記事でも触れています。
ここでは「必要な無駄」「理由のある無駄」という表現を使っていました。

私にとっては、3間×3間というカタチこそが、自分らしい、また家族も我が家らしいと言ってくれたので、そこにこだわることにしました。

また、そこにこだわることで、光熱費が「生活の部分」と「仕事の部分」にはっきりと分けることができます。
このデータは、純粋に今後私の仕事の役に立ってくれるはず。
私が一番と思う設計を自ら体験することで、その良さや改善点をお伝えできるようになるのかなと思っています。

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