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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

建築元年

2019-12-16 22:29:00 | 建築雑談
今日はとある会の飲み会(としか理解してない)で東京へ。

皆さん、家っていうと大工さんが一個一個組み立てていくイメージあると思いますが、今時は、住まいもプラモデル化して、トラックで運べる範囲で工場で作っちゃって、あとは現場で組み立てようって発想。

なんか味気ない話に聞こえますが、将来なりたい職業ランキングから陥落した大工さんを復活させるためにも、皆さんに雨だろうが雪だろうが品質の高い住まいを提供するためにも、住まいのプラモデル化が進んでいます。

言い方が悪いですね。

皆さんに決まった形を押し付けるんじゃなくて、打ち合わせによって仕上がった渾身の一撃を工場で作ろうって話。

そんな会の発足にお邪魔してきたのですが、設計事務所にとっては直接的な話じゃありません。

私が今日わざわざ東京まで出向いた理由はコッチ。


その名も「アーキロイド

建築を意味するアーキテクトとアンドロイドを組み合わせた造語がベースになっているソフトの開発状況について。

要望を入力すると、要望に応えた法規にも構造にも満足したプランがいく通りも提案されて、選択するだけ。

しかも、その情報が山林や製材機工場、建材メーカーに流れて、ジャストサイズにカットされた製品が生産工場に納品されたら、ゴミゼロの世界になりますね。

さらに言えば、プランが気にいらなかったり、要望に変更があった時は、

「もう一回」クリックするだけ。(その間数十秒)

そしたら、学習したAIが再びいく通りのプランを再提案してくれます。

すごいでしょ。

設計の職能を全て持っていかれた感じ。

しかも、これが近い将来、無償で全国に配ることを目標にしているらしい。

つまり、私も使えるし、皆さんも使えるようになります。

凄くないですか。
文字通り「建築家なしの建築」が続々と生まれる時代が来ます。

と言っても別にこれはすごいことじゃありません。
皆さんが旅行先で「わぁ、素敵ぃ」って惚れ惚れする京都やヨーロッパの街並みは、すんげぇ建築家が設計した町並みではなく、無名の大工さんだったり、その地域の文化が生み出した建物。

設計という職業ではなく、設計という職能が作りました。

今日、開発者の方としつこく話してきました(20代の青年)が、これからはそれを使いこなす時代が幕を開けることになります。

そう。使いこなすには、


いかに設計に理由を持っているか。
ただAI任せで右から左へ流すだけだったら、コスト競争に巻き込まれて職を失うことになるでしょう。だって、AIによって最高の同じ結果が出るんだから、その設計者じゃなくてもいいし、同じなら安いほうがいいって思うのは当たり前の発想。

だから、実は誰でも使いこなせるわけじゃなくて、正しい要望の入力をできるかどうかが大事になってきます。つまり、理由を持っている設計者だけが残る時代が幕を開けました。

それに立ち会った日。

多分世間がざわつくのは後日ですが、今日が

元年(当日)です。




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