native dimensions blog

新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-12(lab)】伝統芸-新潟産小さな家-

2022-04-11 22:19:29 | ministock-12(lab)
今日はコンクリートの打設を行いました。

それを嗅ぎつけて群馬県から見学に来られたSさん。
わざわざありがとうございました。
参考になれば幸いです。

それにしても穏やかな日で打設日和でした。
だけど、基礎が1.0mもあるもんだから、相当チームワークが良くないとうまく施工できないんです。

なのに、基礎の立ち上がり面とベタ基礎部分を一緒に打設してくださいっていう無理難題を押し付けます。

常識で考えて無理なんですよ。
フツー。

皆さん、穴のあいたコップに水を流したって溜まらないじゃないですか。
それと同じことを現場に要求してるんです。

急いでコンクリートを流すと下に流れ出ちゃうし、ゆっくり入れると継ぎ目が出来ちゃうので、あくまでもちょうどよくが大事。

そのくせ簡単に基礎をまたぐことができないので、バトンリレーの様にうまく引き継がないとちょうどよくならなんです。

なんでこんな無理難題をいうのか。

それは、やっぱり住みよくするため。

今日伝える「住みよく」はシロアリ対策。

一般的に基礎は平らな部分を打設してから、立上りを打設する2度打ちが一般的。
だけど私たちには見えない隙間が打ち継ぎ部分にできちゃうんです。
その隙間からシロアリちゃんは室内にやってくる。

そんなことさせない。

建築基準法で、地面から1.0m以内に木を使う場合は、耐久性の強い木を使うか、薬品処理することが決められています。
つまり、1.0m以内に木を使わなければ、木の種類に縛られることはないし、薬品処理する必要もありません。

お引渡ししてから、メンテナンスフリーでシロアリから守ります。

私の師匠から引き継がせてもらった施工方法。
こんなに理にかなった設計はないと思っています。


そして、今回は少しアレンジを加えて、基礎の外周部とベタ基礎部分だけを一体打ちしました。

シロアリさえ入ってこなければいいので、外周部と底盤だけを一体化させました。

理由は、この高さの基礎で一体打ちをするのが初めての基礎屋さんで、より確実に施工精度を出すため。
それほどに一体打ちって難しいんです。
1.0mもあるもんだから。
初挑戦の方法でしたが、きっちりと線が出てくれました。

すっごく美しくないですか。

シャキッと一直線です。

数百キロの乾いていない柔らかいコンクリートを木の型枠で歪まずに抑える技術。

大成功です。

見学に来たSさんも、この方法なら確かに不安はないと言ってくれました。

やったー!


2 コメント

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情熱 (アミ)
2022-04-12 08:10:38
熱い情熱を感じます。
素晴しいです。
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Unknown (ネイティブディメンションズ)
2022-04-12 08:38:18
アミさま、褒めてくださいましてありがとうございます。
このコメントで今日も頑張れます!
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