このご時世、洋画は上映延期で見たい映画がなく、邦画で「新聞記者」を
監督した藤井道人が脚本を書いて新聞記者のスタッフで撮った
ヤクザと家族のスクリーンにin。ヤクザと表題に書いてあるが、たまたま
で普通の家族のお話とヤクザ色を薄めようとしているが
まぎれもない綾野剛扮するチンピラが1999年、2005年、2019年と過ごした
ヤクザの日常が描かれている。髪色を銀髪に染めてスクーターで仲間と
つるんで悪さをしている綾野剛が、焼き肉屋で居合わせた暴力団柴咲組の
舘ひろしが扮する組長が撃たれるのを助けて、盃をもらう
このシーンは任侠映画でよく見る儀式が投影されている。綾野剛は
いっぱしのヤクザとなりクラブなどをとりし切ってシノギを
得ているが、女子大生でホステスの娘を気に入り関係を持つ。その後
敵対する組といざこざが起き組員を刺して刑務所送りとなり
14年の刑期を終えて出所してみると、暴力団対策法が施行されており
スマホ1台契約するにも苦労する時代になっていた。
組のシノギはシャブと、うなぎの稚魚の密漁とヤクザには似つかわし
くない生活で、子分は更生してカタギになり産廃の仕事をしているし
親分はガンで弱っているし、1000円もらって喜んでいた焼肉屋の
小学生は14年もたつと、半ぐれのお兄ちゃんになっているし
今は役所に勤務する元女子大生のホステスは綾野剛の子供を、
密かに1人で育てていた事実を知り子分の産廃業者に就職し
カタギとなりホステス親子と寄り添う生活を送るが、産廃の
会社の後輩が今時のSNSで、綾野剛と子分の写る写真を
上げてしまい、反社という正体が世間にバレてしまい、元ホステス
は役所を首になり親子で引っ越すはめに、子分は子供と妻の
いる平和な家庭を築いていたが、SNSにより妻と子供は出ていき
あんたが帰って来なければ・・・と綾野剛の腹にナイフを
ヤクザの擬似家族は出来たが、本当の家族は出来なかったという
ヤクザ残酷物語でした。役者はうまい面子を集めており
キャスティングがいい、綾野剛はほとんど出ずっぱりだが表情がうまい
女子大生役の尾野真千子は泣きの演技は絶品だが老けた女子大生。
名優北村和夫の息子、北村有起哉は演技も声もいい、子分は市原隼人
で苦悩の演技が絶品。舘ひろしは演技より存在感が十分でていた
半ぐれ役の磯村優斗の半わらいの演技も見せる
今年最初の映画の批評は