Les Quatre Boutique Blog 03

QUATRE ILLUSTRATION [Kazushi Ryoguchi] Blog

ねこたのもうひとつの窓

2010-04-20 18:14:20 | Quatre Cat

今日も朝からずっとMacに貼り付いていた一日でしたが、夕方にシフォンたちの専用のフードをもらいに、ねこたの先生のクリニックに出かけた時にだけ、静かで穏やかで懐かしい時間を感じる事が出来ました。
たまたま先生が緊急手術中だったため、妻と次男の3人でほんの少しの間だけ、待ち合いで猫の写真集を眺めたりしていたのですが、この待合室にいるといつも甦ってくるのがねこたの記憶。
闘病中の末期、週に何回もねこたと2人で訪れたこの待合室。窓ガラス越しに野良猫ちゃんと対面したり、棚に登って元気さをアピールしたり、この場所での想い出は、ホントにいっぱい。そもそもスキッパーなしで、おウチから私が直接抱っこして、ここまで来れていた事が、今思い出しても凄い事で、それだけねこたもここに訪れる事に慣れていた…ということだったんですね。
京都に住んでいた頃には、外になんか出そうものなら、たちまちどこかに永遠の冒険に出てしまいそうな勢いだったねこたも、晩年の数年間は、私と一緒ならお外に出しても全然大丈夫だった…というのもありますが、ねこたも先生の元に行くのが決して嫌ではなかったのが、当時の様子からもよくわかりました。
今日、待ち合いのベンチでふと横を見ると、ねこたがいつも診察待ちの時に眺めていた窓からの風景(写真)が心にとまり、しばらく見入ってしまいました。17年間家猫だったねこたが、唯一ウチ以外の窓から眺めていたこの風景。青いベンチに座って、通りを流れていくクルマの波を、一生懸命目で追っていたねこたの後ろ姿が、今でもはっきりと思い出せます。
同じ場所で同じ風景を見ていても、ただひとつ違うのは、そこにねこたがいないこと。ねこたがいなくなってもう2年以上が経ちましたが、今でもねこたのことを思い出さない日はなく、それは私の中で永遠に続く呼吸のようなものです。虹の橋で再び出会うその瞬間まで…。