世代をこえて愛されるという点で、鳥山明氏の作品は本当に素晴しい。親子二世代~三世代にわたって支持される作品の代表としては、ウルトラマンや仮面ライダーが有名ですが、80年代に彗星のごとく登場した鳥山氏の最高傑作ともいえる「ドラゴンボール」も、作品の年齢から三世代とまではいかないにしても、まさに前二者に続く、男の子たちの永遠のヒーロー作品として申し分のないポジションを築いているといえるでしょう。
鳥山氏の作品としては「ドラゴンクエスト」との出会いの方が先だった我が家の息子たちも、幼児の頃からドラゴンボールの魅力に取り付かれ、彼らが生まれるずっと以前から私が所有していた全巻のコミックスに自然に触れ、数年に渡ってその種類を増やし続けているガチャガチャのフィギュアの収集も、今では100体を軽く越えるまでに…。現在は毎週テレビでの放送もあるため、まさにピークを迎えているといえましょう。
ところで後期ドラゴンボールといえば「サイア人編」「フリーザ編」「人造人間編」「魔人ブゥ編」と、大きくわけて4つのエピソードが存在しますが、私が意外と好きなのが「人造人間編」。これに登場するセル(写真)が結構好きなのです。鳥山氏のそのキャラクターデザイン(特に第1形態)も最高なのですが、アニメ版の声優である若本規夫さんの声がまさにハマり役。
実はこの若本さんの声といえば、それ以前はサザエさんの脇役で、マスオさんの同僚であるアナゴくんの声ぐらいでしか聞く機会がなかったのですが、昔から私はこのアナゴくんの声が大好きで、旧ドラゴンボールで初めてセルの声を聞いた時は、本当に感激したものです。今では「人志松本のすべらない話」のナレーション等でもカリスマ的な人気を誇っている若本さんですが、その転機のひとつとなったであろう人造人間セルは、キャラクターとしての魅力と声優さんの魅力が見事に昇華した、必然的な奇跡の産物だと思います。